ルンルン気分でゴー♪
誤字脱字への溜め息準備オーケーですか?それでは、どぞ!
シシーが引き起こした、この場の重い空気を一掃すべく、私はゼフに少し大袈裟に話掛ける。
「ね…ねぇ、ゼフ?お腹空いてない?うちの料理長が作る料理は絶品だよ?」
この重苦しい空気を、払拭したい一念でそう言って見ると、ゼフ本人が返事をする前に、ゼフのお腹が先に返事をした。
グウギュルル~。
「「…………………………………………」」
お互いに無言でうなずき合うと、屋敷の中に入ったのでした。
屋敷の厨房へ向かって歩いて居ると、家令のジョルジオが前方から歩いてきます。
「お嬢様……こちらのお方が、シシーの言っていた冒険者の方でしょうか?」
「うん!そうだよ?そして、私の武術の師匠になる予定だよ?」
つい、浮かれていてまだ本人にも伝えて居ない事を、さらりと言ってしまった。
「はあっ?武術の師匠?俺は聞いてないぞ?」
「そりゃ、そうでしょ?今初めて言ったんだもの!言う前から感ずかれていたんじゃ、獲物を逃してしまうでしょ?」
「ちょっと待て!獲物って、まさか俺じゃ無いよな?」
「ゼフよ…。今の会話で、貴方以外に居たらビックリでしょ?常識的に考えてみなさいよ?」
「…………………ん!?そか、俺しか居ないな…………って、そうじゃねえよっ!危うく納得させられる所だったぜ!」
チッ。そのままなし崩し的に、丸め込まれてしまえば楽だったのに………。
交渉は面倒くさいなので、脅すか?それとも、恫喝でもすべき?
私が悪い事を考えて居ると、ジョルジオがゼフにこう言った。
「お嬢様がここまで仰っていらっしゃるのです。当家でご教授代や、衣食住などすべてお支払致しましょう?それでいかがでしょうか?」
「えっ?いや、俺は…休暇を過ごす為に来たのであって……その……」
「無理でしたら、良いのですよ?ただし……この屋敷からは、この先出られなくなるやも知れませんが…………」
「やっ…やらせて頂きますっ!」
ジョルジオッ!ナイスアシスト!!私はジョルジオにサムズアップしました。
ジョルジオは、微笑むと静かに一礼をして去って行きました。
「お…おいおい…あの御仁は?物凄い殺気だったぞ?しかも去り際のあの足運び……ただ者じゃ無いよな?」
ふーん。ジョルジオの足運びに気づくとは、ゼフも中々やるもんだね?
「今でこそこの屋敷で、家令何てやっているけど昔は、凄腕の暗殺者だったのよ?格好いいでしょ?」
「格好いいかは、別にして……かなりの実力者だ。俺なんかより、数段強いぞ?あの人を師匠にすれば良いんじゃないか?」
「うーん……強さで言うと、ジョルジオの方がゼフより上なんだけど……私が習いたいのは暗殺術じゃなくて、武術なのよね~?」
残念無念なのだよ。暗殺術以外の技術は学びましたが。罠の仕掛け方や、逆に解除の仕方…その他にも食べられる野草や誘拐された時の、関節のはず仕方など、色々と教わりました。
こんな平和な田舎では、殆ど役に立ってませんけど?(寧ろ獣避けの罠に人が引っ掛かってしまうし)
まあ、サトゥーさん以外は一度も引っ掛かった事は無いけれども。
ゼフは物凄く大きな溜め息を吐くと、観念したらしく「飯を食ったら指南してやるよ……」と、肩を落としながら呟いた。
私はその言葉にやる気を皆切らせながら、食堂までの道のりをルンルン気分で歩いて行ったのであった。
更新が遅くなって、ご免なさい…。多分これからも、こんな感じです。
ルナはもう、改名すべきでしょうか?ジャイ○ンと……。純粋にワガママに、進化しております。