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怪力王女と病弱王子  作者: ゴロタ
4/15

人の話をちゃんと聞けないんです

誤字脱字は…以下略

私は引き摺って居た男の人に、ニコリッと笑いかけた。

笑って誤魔化せないかな~と思ったからだが、無駄であった。私が初歩的なミスをしていたからだ。

そう、私は男の人の襟首を掴んだままだったのだ。


「何だお前は?何故俺の襟首を掴んで居る?離せ」


離せと言われたので勢い良く離したら、男の人は思いっきりお尻を地面に強打していた。


「うぎゃっ何するんだっ!」


「ええっ?何もしてないよ?離せって言うから離しただけだし」


「もう少し考えて行動したらどうだ?いきなり離したら、人は下に落ちるだろ?そして地面にぶつかる……」


はあ、そうですね。というかさっきも似たようなことを、アイラに言われた様な気がする。アイラの方に目を向ける…が、アイラは居なかった。あれっ?さっきまで居たのに何処に行った?忽然と消えたアイラの行方を私が探していると、


「コラッ!聞いてたか?少しの間ぐらいは人の話をちゃんと聞け!だからな……」


男の人を更に怒らせてしまった様だが、どうでもいい。今現在一番気になるのは、アイラの行方である。もしかして事件か?神隠しか?それとも愉快犯の仕業だろうか?

うんうん唸っていると、


「そこまで難しく考えなくても良いんだ…気遣いってのは人間関係で、凄く大切だということだ……」


何か良いこと風な話をしているようだが、私は今忙しい。後にして欲しい。

辺りを見回すと地面からアイラの髪の毛と似た色の、毛がはみ出ている。

気付いたからには、引っ張ってやるしかあるまい。

私は思いっきり毛を引っ張った。引っ張った先にはアイラが居た………地面の中に。


「痛いじゃないの?何をするの?」


「なっ……何これっ?」


アイラが居る地面は人が、一人入るのが精一杯の小さな穴でした。


「どうしたの?この穴!」


「何をいっているの?この穴はルナ…あんたが掘ったんじゃない」


んんっ?そう言えば…そうだね。この穴は私が獣用に作った罠だ。思い出した!あれっ?でも、


「私が掘った穴は…確かサトゥーさんが落ちるからって、埋めることになったって前にアイラが言ってたじゃない」


私が一日かけて作ったのに。サトゥーさんが落ちてしまうってだけで、埋める事になった。そもそもサトゥーさん鈍いんじゃないの?私の作った罠に引っ掛かり過ぎでは?獣が引っ掛からず、サトゥーさんが引っ掛かる…その図式で考えると、サトゥーさん=獣って事になるわね。


「埋めるというのは嘘」


「はあっ?何でそんな意味もない嘘をアイラはつくの?」


「愉しいからよ」


理由がそれなら…アイラやっぱり恐ろしい子。


私とアイラが言い合って居ると、怒声が聞こえた。


「お前はいい加減に人の話をちゃんと聞け~~~~~~~~~~~!」


男の人が顔を真っ赤にして怒っていた。しまった…忘れてた。

話が進まない……そんな罠。

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