恐い…恐すぎる…。
誤字脱字はスルーディングで。お願い致します。
気絶男を介抱するという名目の元、引き摺りながら小川へと向かっていると、私の友達のアイラに出くわした。
アイラはこの村の食堂兼宿屋の看板娘なの。アイラは私が男を引き摺って居るのを見て、ポツリと一言こう言った。
「あんた…遂に殺ったの?で、ソイツを何処に棄てる気なの?村の中は止めてよ?」
もしもし…アイラさん?この人死んでません。そもそも殺ってません。そして何故、遂にと言った?前科など………無い……よ?
「ちょっと…死んで無いよ…それに遂に殺ったって何?失敬なっ!!」
「いや、だって…この間サトゥーさんの首に縄をくくり着けて引き摺って居たじゃない?危うくサトゥーさんは天に召されてしまう所だったのよ?」
うっ…それは…痛いところを突いて来るわね…流石アイラ!!
「あれは…そう、不幸な事故だったの。」
私が獣用の罠を仕掛けたら、ウッカリサトゥーさんが引っ掛かってしまったのだ。
サトゥーさんが死んだと思い込んだ私は、泣きながら助けを求めて村中を走り回った……但し…サトゥーさんを引き摺りながら……。
多分その時の事を彷彿とさせたのだろう。
再び人を引き摺っていた為に…。
「奇跡的にサトゥーさんは助かったのよ?あんたはもう少し周りに気をつけて、行動しなさいよ」
ええっ?今回ばかりは濡れ衣だよ?と思い、
「今回ばかりは違うよっ!だってイキナリ倒れたんだよ?これは純然たる人助けだよ!」
はぁ……アイラの口からため息が聞こえる。
「私は何故ここに居ると思う?」
「?……偶然…だよ…ね?」
私はキョトンと首を傾げて、アイラを見る。
アイラはアチャ~っという顔をして、額を押さえて居る。
「私がここに来たのは、サトゥーさんから聞いたからよ……。」
「サトゥーさんに聞いたからって……何を?」
「あんたが後ろに居たその男の人を、腕を振りながら倒した事を…よ」
「ありゃっ?そうだったの?私の振った腕に当たってたの?全然気づかなかった…。最初から教えてくれれば良いのに~」
「いや、自分が倒したのに気づかなかったとは、普通思わないじゃない?だから証拠隠滅の為に倒した男の人をどうするのか、確認したかったから…。」
えっ?その言葉で思い出す最初のセリフの中に、不適切な言葉が無かった?
棄てる気なの?と、村の中は止めてよ?の二つだ。
も…もっしも~し。アイラ…さん?棄てませんし…村の中じゃ無ければ、棄てても良し!みたいな感じじゃなかった?
うぎゃっ!私より数段恐いのだけど?
私がガクブル震えて居ると、丁度男の人が目を覚ました。
「い…いててて…っと…はあっ?今…どんな状況…だ?」
そうですね…私に襟首を掴まれて、引き摺られていた格好のままでしたね…。
アイラに捕まらなければ、今頃小川で介抱して居たでしょう。
私はこの状況を乗り切る打開策が無いから、その場の流れに身を任せる事にしたのであった。
基本的にルナマリアは純粋です。