本当に教師なんだよな?
やっと書けました。誤字脱字は直します…多分。
学園長室へ連行されている筈だったのだが、本当に学園長室へ向かって居るのだろうか?何故か地下の廊下を歩かされているのだが、暗くジメジメしており、時おり異様な鳴き声が聞こえて来る。果たしてここに学園長は居るのだろうか?
不審に思ったのは僕だけじゃなかったらしく、エセルも僕に「なぁ、ここって地下じゃないのかい?本当に学園長室何てあるのかな?」などと言って来る。エセルも感じたのか……ヤッパリ変だよな?
女教師に確認する為に声を掛けようとすると、先に痺れを切らしたのか、ボルポネルが癇癪を起こしたようで、その場で騒ぎだした。
「おい、女!!私にこんなに歩かせるとは、どういう了見だっ!!今すぐ元の場所に私を戻すのならば、父上のお耳にお前の名を伝えるのだけは、勘弁してやろう……どうだ?」
ふう……このアホ……まだ反省して無かったのだろうか?それに魔法学園では、家柄がどうであろうと考慮はされないのだ。だから問題を起こせば退学なども有り得るのだぞ?上級貴族の子弟が魔法学園を退学する程の事を仕出かすのは、稀だがな。
「貴方はまだ自分の置かれた状況が把握出来ていないようですね?状況を理解する能力が、欠損でもしているのかしら?」
女教師は、ヤレヤレと片方の手でジェスチャーをしながら、もう片方の手でボルポネルの顔面を掴み、アイアンクローをしている。ミチミチと嫌な音がボルポネルから聞こえて来る。それ以上やったら脂肪の塊で構成されているボルポネルの顔面が、弾けとんで仕舞いそうな程に変形している。
「アガガガガ……グゲェー…ばなぜぇ~!!」
ジタバタ暴れながら、何やら言って居るのだが、顔面を掴まれているせいで、何を言っているのか沙汰かではない。
しばらくは元気に両手両足をバタつかせて居たボルポネルであったが、段々と抵抗しなくなって来ている様な?流石に不味いと思い、女教師に意見する事にした。
「先生、申し訳ないのですが、そのままですと、彼は死んでしまうと思いますが………」
実に愉快そうに、ボルポネルの顔面を握り潰そうとして居た女教師であったが、ようやく正気に戻った様子で、「やり過ぎちゃったわ……うふふ」などと言ってボルポネルの顔面を掴んでいた手を放した。何故笑う?怖さが倍増するのだが?
そしてボルポネルはやっと解放されたのだが、余りの圧迫で気を失ってしまったらしく、放されると同時に座り込んでしまった。その時、女教師が小さく「チッ……この軟弱者が……」と言ったのが聞こえてしまったのである。本気でヤバイ教師だなと、再認識したのであった。
「どうしようかしら?こいつ…落ちちゃったわねぇ……」
気絶したままのボルポネルを、他人事の用に言う女教師であった。
ふむ?らちが明かないので、僕の回復魔法で治してやるかと思いボルポネルに近づこうとすると、いきなり女教師が座りながら気絶するボルポネルの背後に回ったかと思うと、そのまま背中に強烈な蹴りをお見舞いした。
「ぐはっ……。っ…げほっ!ごほごほっ!……なっ何だっ…ごほげほ……」
ボルポネルを一撃で気絶した状態から、意識を取り戻すことができるとは……恐るべし。それにしても、暴力的な教師だな……本当に教師なんだよな?
「ほら、貴方?学園長がお待ちなのよ?余計な事で時間を取っちゃったわ……急ぐわよっ!!」
自分勝手な事を言いながら、まだ咳き込んでいるボルポネルの襟首を掴んで、引きずって歩き始めたのだ。
僕とエセルと名前も知らない少年は慌てて後を追ったのであった。
キャラクターが何故か勝手に動くんです……。