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王女の独り言  作者: Spark
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第8話 帰って来て早々これなの?

 あ〜疲れた。なんでこんな所へ来てしまったのかしら。なんの得もしなかったわ、疲れただけよ。太郎も私の気持ちを察して小刻みに走っているわ。

 あら、後ろから蹄の音が聞こえてくるけれど、どちら様かしらね。エイトかしら、セブンかしら、嫌だけどクァイルかしらね。

痛い!後頭部叩きやがった!目から花火が散ったわ!

誰よ・・・ってセバスチャン!待てやってあんた先に帰ったんじゃなかったの!こら・・・速すぎて追いつけないわ!太郎!あんた昨日のすばやい身のこなしはどうしたの!フヒヒン?わかんないわよ!危な!突然走り出したわ。わからない馬ね。ちょっと、速い!いいから追いかけなくて!いいのいいのよ!あの男を追いかけても意味はないの!


あっセバスチャンの馬が止まったわ。あらら、降りた。なんでこっちをじっと見てるのよ。太郎、止まらなくていいのよ、そのままお城まで走ってお行き・・・止まるな!はいや!そいや!

・・・何よセバスチャン。まだ帰らないでください?何を言っているのよ。もうあのお城に用はないの、いてもしょうがないじゃない。えぇ?セブンが自分の髪の毛を引きちぎってる?王女様がやらせたのでしょうって、なによそれ。私が「髪の毛を全て抜いてしまいなさい」なんておかしな命令するわけないじゃない。というかそんな命令に従う方がいらっしゃって?なに考えているのよ。


 もういいから太郎、お行き。ちょ、なに道草食っているのよ。お城に帰ったらもっとおいしいニンジンあげるから。セバスチャン、申し訳ないけれどもう私のことは放っておいて。

 なによ、ジッと見ないでよ。どうして目をこすっているのよ。目が腐る?じゃあ見んじゃないわよ!っていうか私の顔を見て幸せが訪れることはあっても腐ることはないわよ!なに笑ってんのよ!こっちこそあんたの顔を見ると反吐が出るわ!

なに!言いたいことがあるなら大きな声で言いなさいよ!口ぱくぱくさせたってわからないわよ!

うるさい!鼓膜が破れる!声がでかすぎて聞き取れないわよ!もういいからあっちへ行きなさいよ!太郎!行っちゃって!


 なんなのよ一体。あの野郎ついてきているわね。もう無視よ無視。ついて来るなら勝手についてらっしゃいよ。あの男に関わるとロクな事が起きやしないわ。お城についてもずっと無視を続けましょう。うんそれが最善策ね。おほほほ。って隣りに来るな!こっち見んな!なによ!バナナなんていらないわよ!こんな時にバナナって、私どんだけバナナ好きなのよ!投げるな!あんた食べ物を粗末にするといつか罰が下るわよ!

 あっ、ほら言わんこっちゃない。振り落とされたわ。アホな落馬の仕方ねぇ。顔からモロに落ちたわ。まぁいいわ、太郎・・・止まらなくてもいいのよ。そのまま進みなさい。


 


 ゆっくり歩いてきたから4時間もかかったわ。少し小腹が空いたわねぇ。メイドにランチを持って来させましょう。衛兵!王女が戻って来たわよ!太郎をお願い。


やはりドレスにハイヒールで馬の背中には乗ってはいけないわね。ほら見てよ、足がむくんでしまっているわ。


 やっぱり自分のお部屋が一番ね。とってもいい香りがするわ、あっ私の香りだったわ。

誰?ああランチを持ってきてくださったの?ありがとう。あら、白子の煮付けもあるのね。とってもおいしいわよねこれ。もう下がってよろしくてよ。

なにかしら?白子とはなんですかって?食べたことがないから食べてみたい?あらそうなの。こんなにおいしい物を食べたことがないなんて、庶民はつらいわねぇ。いいわ、ひとつ差し上げてよ。

ぶふぉ!ちょっと、私の顔に白子が!粉々になった白子が!あなた!私に白子を吐きかけてタダではおかなくてよ!出てお行きなさい!あなたの進退は後で決めさせていただくわ!

 

なんなのよ!帰ってきた途端ひどいじゃないよ!もう、生姜の匂いがドレスにまとわりついてしまったわ。メイド!メイドはいないの!あぁいたのねってあなた!今出てお行きなさいと言ったでしょう!なぜまだいるの!早々と立ち去りなさい!

 

他のメイド!他のメイドはいないの!あぁあなたでいいわ。替えのドレスを持ってきてちょうだい。ほら、あの一億ウォル(日本の単価で言えば大体二億円くらいね)のドレスでいいわよ。それくらいのならいくらでもあるでしょう。

全てクリーニングに出した?どうしてよ?ドレスなんて何百着もあるじゃない?全部クリーニングに出しました?ちょっと、笑えない冗談はおよしになって。そんなに着ていないわよ。ドレスが入っていたクローゼットが池に落ちた?どうやったらお城にあるクローゼットが池に落ちて?あなた、わざとやったわね?それなら私にも考えはあってよ。あなたもこの部屋から立ち去りなさい。なにかしら?なにか言いたいことがおありならおっしゃって。おっしゃらないのなら立ち去りなさい!私はこう見えて気が短いのよ!出てお行き!


・・・お姉様がお城を出て行かれた?どうして早く言わないのよ!怖い顔をしていたから言いづらかった?それはあなたのせいでしょう!あなたが、ちょっと!まだ話は終わっていないわよ!出て行けと言われたから?あなた私をバカにしているでしょう!待ちなさい!お姉様はどこにいらっしゃるの!お父様はなんとおっしゃって?直接聞いたらどうですかって、あなたわたくしをどこの誰だと思っているの?

なにその含み笑いは。誰を侮辱しているかわかっているのかしら?わたくしはこの国の王女、マリリアント・クォリンガルル・ランランよ!長すぎて覚えられない?それはお父様におっしゃってくださるかしら?もういいわ。自分でお父様を捜すから。

 


 あっお父様!お姉様が出て行かれたって本当ですの?なぜ?ジェフと結婚するためにですって?そんなことはわかっているわ!なぜ止めなかったの!お姉様は生まれたときから王女なのよ!庶民の暮らしなんて絶対無理なの!

出戻ってもいい?それはお父様のお考えでしょう!お姉様は絶対に離婚しても戻って来ないわ!王女のプライドがあるもの!別れてもこのお城に戻ることはないわ!腐っても王女なのよ!


一国の王に向かって言い過ぎてしまったかもしれないけれど、これだけは言わせてください。お父様は、お姉様の事をなにもわかってらっしゃらないわ。私?わたくしがどうなさって?マント家の王子と結婚するのではないかって?いつの話をしてらっしゃるの?昨日?なんの事かわからないわ。わたくしはまだ結婚なんてしないわ。なにかの聞き違いではなくて?

手紙がある?ちょっと、見せていただいてもよろしくて?とりゃぁ!ビリビリに破いてやったわ!これで証拠はなくなってよ!


聞いてお父様、今すぐお姉様を連れ戻していらっしゃって。お姉様の幸せを考えて!今は好きな人と一緒にいられればそれでいいときっと思っているわ。でも、時間が経てば気づくはずよ。そうよお父様!ダッシュで奪取よ!痛い!なによセバスチャン!あんたいつの間に帰ってきたの?そうだ!あんた今お姉様がどこにいらっしゃるか知っているでしょう!教えなさいよ!知らない?嘘つくといいことないわよ!え?家にいる?


持病の肩こりが悪化しました。少し更新が遅れることがあるかもしれませんが、ご了承ください。本当に申し訳ありません。

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