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王女の独り言  作者: Spark
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第5話 お城に着いたわよ

 さぁクァイル着いたわよ。めちゃくちゃ門番がこっち見てるわね。警戒レベル3ってとこかしら。無理もないわね、ドレスを着ているくせに馬の背中に乗って来たんだから。

 

 こんばんは、わたくしはランラン家王女、マリリアント・クォリンガルル・ランランです。こちらは・・・クァイル・ズンドル・ペリーゼ。セブン・ゴール・マント王子とエイト・スタート・マント王子にお会いしたいのですが。ええ、この馬はわたくしのなの。どこかにつないでおいてくださるかしら?ありがとう。

 

 お城に通されたけれど、広さは私のお城とたいして差はなさそうね。ただなにこの衛兵の数は。ちょっと多すぎないかしら?ここの王様はどれだけ用心深いお方なの?なにクァイル。このお城の王様、ワンコ・キーパー・マントは昔・・・ってめんどくさそうな話ね。後で聞くわ。


 クァイルはこちらの部屋でお待ちくださいって私は?ああ私はこちらのお部屋なのね。って、ちょっと何この差は。そりゃあペリーゼ家は世界で六本の指に入るほどの王家だけど、これはひどすぎるわ。私はこの狭い五十畳ほどの部屋に案内されてるっていうのに、クァイルは・・・腹が立つわ。あいつの部屋なんてチラ見するんじゃなかった。

自分が情けなく思えてくるわ。ってか私のお父様が情けなく見えてしまう。後でクァイルの足を思い切り踏んづけてやろうかしら。ダメよ!そんなこと考えちゃ!今から私はエイトと会うんですから、この美しい笑顔をフリーズさせておかないと!

 

 あっ来たわ。こんな遠い所までどうしたのですかって、決まっているじゃない。あなたに会いに来たのよ。そんなあからさまに嬉しい顔を見せないでよ。こっちが恥ずかしくなってしまうわ。お城の外に誰かいたって?誰かしら、窓から見えるの?って、あの男ここまでついて来やがってたか。

いえいいの気にしないであれは私の・・・ストーカーなの。そうなのよ、困っているの。無視をしても全然効果ないのよ。僕がなんとかしましょうって、優しいのねエイト。


 え?セブ?は?エイトじゃないの・・・?そ、そうなの。えっじゃあクァイルの所にエイトが行っているの?やべぇ!ちょっと!ごめんなさい。私はエイトに会いに来たの!ええそう、そちらの凡ミスよ。クァイルがあなたに会いに来たの。クァイルの所へ案内してちょうだい。嫌ですってあなたねぇ。悪いけれどあなたに興味はないのよ。エイトのように包容力が豊かな人が私のストライクゾーンなのよ。そんなに暗い顔をしないで。

 

 クァイル!あぁあなた達も気づいたのね。そうなのよ、間違えてしまったらしいの。エイト、あの時はどうもありがとう。お礼をしに来たの。よかったのにって、あんた乙女心がわかっていないわね。あなたに会いたくて来たの。そんなあからさまに嬉しい顔を見せないでよって、デジャヴ?

 あらクァイルどうしたの?え?本当にそっくりですねって。お会いしたことない?そうなの?クァイル、セブはこちらよ。顔を真っ赤にして喜んじゃって、まるで赤鬼ね。

でも思ったより私のお城から近かったわ。すぐに着いたわね。もちろん馬の背中に乗ってね。ええ、馬に乗ってきたの。後であなたも乗ってみて、世界が変わるわよ。え?名前は・・・そうクロフォードよ。いい名前でしょう?私がつけたの。

きゃあ!窓ガラスが割れたわ!誰かが外から石を投げてきたの?って絶対あのヒゲ野郎だわよ。どんだけ聴覚いいのかしら。ストーカーの仕業ですねってセブ、え、ええそうなの。私が殿方と話をするとああやって新手の嫌がらせをしてくるの。私怖いわエイト。それじゃあ僕がなんとかしましょうって、これまたデジャヴ?

 いい、いいの大丈夫よ。あの人に関わったらロクな事がないから!いいって!行かなくていいから!きゃあ!また石を・・・あのヒゲ野郎、帰ったら速攻で回し蹴りを食らわせてやるから。え?なんでもないわ、独り言。


 そんな事よりもっとエイトと話がしたいのだけど、いいかしら?えぇ、それじゃあ僕の部屋にご案内しますって?ありがとう。それじゃあクァイルにセブ。あなた達も親睦を深めていらして。

 

 まぁ広いお部屋なのね。たったの九十畳ですよって、わたくしのお部屋なんて比較にならないわ。お父様とお母様はいらっしゃらないの?地球3周旅行にお出かけになった?あららとても仲がよろしいのね。一年間は帰らないってどんだけゆっくり行ってらっしゃるの?敵が攻めてきたらどうする気?僕がなんとかしますって頼もしいのね。そんな王子がいるならそれだけ長い旅行にも行くわね。


 僕はこう見えて去年武闘大会で優勝したほど強いんですよって、自慢?

今年はどうだったの?来週行われるのでよろしければって行くわ。絶対行くわ。女性限定の武闘大会もあるからどうですかって?それどういう事?こんなか弱いわたくしになぜそんな仕打ちを?アベック優勝なんて素晴らしいじゃないですか?エイトったら。それじゃあ私も参加して二人仲良く優勝といきましょうか!


その大会には世界中から強者が集まるから修行が必要?でもたった一週間で何ができるかしら?お城にいい先生がいるからこれから大会まで練習を一緒にしましょうって、それは一週間あなたのお城にお泊まりって事かしら?あぁお部屋を用意してくださるのね。それはありがたいわ。それじゃあお父様にお手紙を書くわね。ええ、嫁入り前の娘が一週間も音沙汰なしではお父様が心配なさるから。それでは書いたら召使いの者に届けさせますって、どうもありがとう。それじゃあ早速書かせてもらうわね。あら、これいい筆ね。お土産に一本くださるかしら?



『愛しのお父様

突然のお手紙ごめんなさい。実は今マント家のお屋敷にいます。もしかしたらこのままこちらにお世話になるかもしれないの。安心して、私はお姉様とは違うから。私が帰る頃にはマント家とランラン家が親戚になっているかもしれないわ・・・うふふ。それじゃ』

 


 てめぇセバスチャン!いつの間に城に入ったんだよ!不法侵入だろうが!ちょっ誰か来たらどうする気よ!早く行けよ!窓から出て行け!ここは3階だって?関係ねぇよ!あっほら誰か来た!

 

 あら、クァイルじゃない。え?なんでもないわ、独り言よ。ええそうなの。少しこちらのお城にお世話になることになったのよ。 

エイトがどうしても言うのよ。えぇ?あなたもなの?セブになんて言われたの?武闘大会に出ませんかって?話題がなくてとっさに出た一言のようね。あなたも優勝目指してこちらで特訓をなさるおつもり?ではわたくしとはライバルという・・・あっ違ったわ。ライバルとは同等の力を持った相手の事を言うものよね。ごめんなさいね。

優勝は私がもらうって?何をおっしゃって?私はエイトとアベック優勝をするのよ。ええ?アベック優勝するのは私?ちょっとお待ちなさいな。勘違いはお止めになって。アベック優勝をするのは間違いなくこのわたくしよ。と、まぁここであなたと口論をしても無駄ね。それじゃあ一週間後、決着をつけましょう。望むところ?あなた、このお城に来たら態度が変わったわねぇ。ええそれじゃあごきげんよう、けっ。


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