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王女の独り言  作者: Spark
11/22

第11話 ワゴンセールって

 と言っても、仮面がどこに売られているかなんて全く知らないわ。

ねぇお姉様・・・あれ?どこに行ってしまったの?メイド!メイドはいないの?


あなたメリリ!お城へ戻ったのではなかったの?歩いて帰ろうと思ったけど遠くて無理です?それならば馬車を用意させるから。

衛兵!衛兵!こちらのメイドに馬車を用意して。メイドのくせに生意気なってあなた、あなたもたかが衛兵なのよ?言葉に気をつけなさい!



 さてと、メリリもいなくなってお姉様も行方知れずか・・・メイドはいないの!あぁあなたでいいわ。お姉様がどこへいらしたかわからないかしら?街へ行くと馬車を引いて行った?

あの女、自分が先に良いドレスを買ってしまおうという魂胆ね、上等だわ!売られたケンカは買う主義よ!私にも馬車を用意して!

馬車は二台しかないから無理?お姉様が二台引いて行ったの?あぁそうだ!メリリに使わせたんだったわ!あぁもうなんてことなの!

王女様は馬の背中に乗る方がお好きではないですか?そうよ!何か問題でも?馬が一頭いるからそれに乗って行けって?そうするわ!あぁそうするわよ!馬をこちらに!あと何でもいいからドレス持って来て!


 太郎!ニンジン食べてないで行くわよ!街までは10分あれば着くから急いで!

いつ乗っても太郎の背中は素晴らしいわ。この無駄のない筋肉。少しあばらが見えているのがベストコンディションなのよね。


 

 

 あっ街が見えたわ、太郎ゆっくり歩いてちょうだいね。お姉様は・・・あっあの馬車見覚えがあるわ。きっとうちの馬車ね。ドレス専門店の前に陣取っているわ。

太郎、少しの間ここで大人しくしていてね。後でニンジンをあげるから。

 

 ごめんください。やっぱりいたわお姉様。

ちょっと、わたくしを残してどうして行ってしまったのよ、捜したじゃない。


一人で買い物に行きたかった?ちょっと、お姉様は一人でどこかへ行ったことがあって?そんな世間知らずの者が一人で買い物だなんて、きっと安いドレスを高く買わされるのがオチよ。私に任せて。

 

 あら、この真っ青なドレスなんて素敵じゃありませんこと?サイズもピッタリね。ってお姉様、ワゴンの中を物色してどうかしたの?って一国の王女がワゴンセールの物を買ってはいけないわ!でも安いしって、いいから!お姉様はここで大人しくしてて!

あら、あなた店主さん?なんだか冴えないおっさんね。思いっきりアゴひげが口の中に入っているわよ。

そんな事よりも、わたくしはこの真っ黄色なドレスが気に入ったわ。これは特注ですのでお高いです?わたくしが誰だかご存じ?ランラン家の王女よ。わたくしにとって値段はあってないようなものなの、気にしないわ。これをくださるかしら?


こちらの青いドレスはお姉様に似合いそうね。

って何してるの!ワゴンはもういいから!仮面を買わないとダメじゃないって、その前にドレス!仮面だけじゃパーティには行けないのよ!

その仮面が気に入った?それじゃあその仮面に似合うドレスを探しましょう。

さっき見たこの真っ青なドレスはいかが?ってそんな露骨にイヤな顔を見せないでよ。でもまんざらではなさそうね。これでよろしくて?


店主さん、このドレスもいただくわ。ええ、それじゃあ今夜までにランラン家へ届けてくださる?お金はその時に支払うから。

ねっお姉様・・・いない!どんだけ素早いのよ!店主さん頼んだわよ!ってちょっと何よ、腕を掴まないでよ!仮面?それがどうしたのよ、王女も仮面を買わなければならないでしょうって・・・何でもいいから!あなたのセンスに任せるわ!私はお姉様を捜すという任務を任されたから!



 まったく、お姉様ったらどこへ消えてしまったのかしら。馬車にも乗っている気配はないわね。ちょっと、馬車を引いてきた衛兵、お姉様は?見ていない?あなた、それでも兵士なの?

あっ今軽くニラんだわね、もういいわよ自分で捜すから・・・っていたわ。


オープンテラスで呑気にハーブティらしき物を飲んでいるわね。あっこっちに気がつい・・・無視したわ!絶対目合ってたから!

何よ何よ・・・もしかしたら、一人になりたいのかもしれないわね。そりゃそうよね、婚約を破棄したんだもの。仕方ないわ、少しそっとして差し上げましょうかしら・・・ってこらぁ!ナンパされてのこのことついて行くな!

お姉様!ちょっとあなた達、わたくし達がどこの誰だかわかってて声をかけたのかしら?この国の王女よ?頭が高いわよ!軽々しく声なんてかけないで。

お前にはかけてない?うるっさいわ!消えなさい!

 

お姉様、ご無事でなにより・・・素敵な人達だったのにって?

はっもしかして、お姉様は庶民なら誰でも、ゴフッ。鉄拳がみぞおちに決まったわ。

息が・・・ってのほほんとハーブティ飲むな!

お姉様、言っておくけれど、身分が違うわ。相手を傷つけてしまうことになるわよ。どうしてって、少し考えたらわかるでしょう?他の王家の方達に「あいつは元庶民だ」って言われるのをお姉様は黙って見ていられる?相手の身にもならないと。自分さえよければ全て良しではないわ。


 ・・・聞いちゃいないわね。でもいいわ、明日はダンスパーティだもの。今日の事は水に流してあげるわ。それじゃあさっさと帰りましょう。




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