表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

全部入りシリーズ

時間制限

作者: 尚文産商堂

目の前におかれているアナログ時計には、あと何分なのかがはっきりと示されている。

何の時間なのかは、明白だ。

私の目の前には、筒に入った爆弾が3本、それにつながっている時計だ。


どうしてここにいるのか、私には考える暇がない。

ただ、目の前の爆弾をどうにかしなければならないと言う話だ。

手足を縛られてはいないようだから、問題はない。

部屋は明るいが、電燈がある様子はない。

ただ、窓もドアもない。

目の前には、ニッパとはさみが置いてある。

時間は刻一刻と減っていく。

どうやら、私が爆破処理をする必要があるようだ。

意を決した私は、ニッパとはさみを手に取り、爆弾に近寄った。


構造は単純だ。

それぞれの筒から伸びているケーブルは、直接時計につながっている。

時計は分針と時針に銀色をしたアルミ箔が巻かれていて、どうやらそれらが接触したら爆発する仕組みのようだ。

携帯はないから、遠隔で起爆することはない。

また、それ以外にケーブルは見えないから、純粋な時限爆弾のようだ。

だったら簡単だ。

私は簡単にニッパで筒と時計をつないでいるケーブルを切った。

「正解だ」

声が聞こえて、ドアができた。

「おめでとう、君は試験にクリアした」

何が何だか分からない。

「君は試験にクリアした。こっちにおいで」

いわれるがままに、ドアから外へ出る。


外は何かの研究所のような、殺風景な白い壁が続いている。

「これで、実験は成功だ」

「実験?」

私は聞き返す。

「君は、人造人間だ。我が国では、Z計画に基づいて、優秀な兵士、恐れず、勇敢で、忠実な兵士を人工的に作ることにした。それが、君たちだ」

人造人間と言われても、ピンとこない。

「君たちは、生涯にわたって衣食住が確実に保証されている。一方で、兵士や士官として、国家に尽くすと言う義務もある。教育はこれからだけどね」

そう言われて、私は部屋にいれられた。

「ここで待っておきなさい。後で迎えをよこそう」

そう言われたところには、何人かいた。

これから、私はどうなるのか。

その心配だけがずっと心の中を渦巻いていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ