これって夢じゃないですよね?
前回の更新から大分時間がたってしまいました……!
本当に本当に、申し訳ありません。
かとおもえば、今度はやたら長い一話になったりと、
やたら極端な私をお許し下さいっ
今回の執筆…ひぅ
「おい、社会係ィ」
長い長い授業が終わり、一息ついていたら先生に呼ばれた。
「ふぁい……なんですか?」
約一時間もの間ずっと、押し寄せる睡魔と闘いつづけたせいで、今も欠伸が止まらない。
重い体をひきずって教卓までたどり着いたものの、先生には苦笑いされてしまった。
「お疲れのところ悪いが、これとこれ、職員室まで持って行ってくれ」
そういって31人分のノートを差し出され、つられて腕を伸ばしてしまった。
どさどさと、大量に遠慮なくのせられていく。
瞬間、しまった、と思ったがもう遅い。
「これと、これと……こっちも頼むな」
「えっ、ちょ、多ッ! てか重っ」
結局、落とさないようにするのがやっと……な量を渡されてしまった。
大量の荷物を支えている俺の腕はすでに痺れているし、腰も痛くなってきた。
すっかり身軽になった先生を睨みつけつつ重い脚を動かした。
☆★☆
「や、やっとついた……」
きれいに整頓された先生の机に、どさりと勢いよく荷物を降ろす。
多少荷物が雪崩てしまったが、構うものか。
「ありがとな~、だいぶあったから、助かったよ」
(何が助かっただよ、自分は手伝わなかったくせに)
つらい労働の後では、気分もやさぐれるようだ。
失礼しました、と言って用事を言いつけられないうちに退散する。
静かな廊下で大きく伸びをすると、ボキボキッといい音がした。
(あ、本の返却期限、今日までだっけ)
なんてことを考えながら歩いていたら、人にぶつかってしまった。
「うわっ、すいません!」
不幸なことに、その人はたくさんの荷物を抱えていたようで、あちこちに資料やらが散らばってしまっていた。
「ほんと、すいません。大丈夫ですか?」
ひとまず助け起こそうと手を出すと、ありがとうございます、という声とともに小さな手が俺の手の上に載せられた。
手を痛めさせてしまわないように気を付けながら引き起こす。
「へ、平気です。こちらこそ、ごめんなさいっ、けがはありま、せん、か………え、もとみやくん?」
大きなどんぐり眼に、肩くらいまでの柔らかでつやつやとした黒髪。
ふわりと漂う甘い香りは昔のままで。
すぐに分かった、なにせ、好きな人だし。
それでも本当に心葉なのかどうか、いきなりは信じられなくて、どもってしまった。
「花篭?うわっ、ひさしぶり!」
いつも見てた、というのはすんでのところで飲み込んだ。
まさか、こんなマンガみたいなことがあるなんて。
「わぁーー! ほんと、久しぶり!高校入ってからは話すこともなくなっちゃってたから、嬉しい!」
また、こんな風に笑顔を見せてもらえるなんて。
赤くなった顔をごまかすために横を向くと、散らばった荷物が目に入って、我に帰る。
「しまった、ほらこれ、運ぶところだったんだろ」
「え、あっ!」
あわてて散らかったものを拾う。
(ここで言わなかったら、男がすたる……よな)
そのままひとりで担いで行かれそうになって急いで声をかけた。
「ほら、持つから」
「えっ、悪いよ、私の仕事だし」
「いいから」
荷物をもらって抱えこむとさっきの痛みがぶり返してきたが、それでも俺は幸せだった。