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好きだよ  作者: みずぅ
3/6

これって夢じゃないですよね?

前回の更新から大分時間がたってしまいました……!

本当に本当に、申し訳ありません。


かとおもえば、今度はやたら長い一話になったりと、

やたら極端な私をお許し下さいっ


今回の執筆…ひぅ



「おい、社会係ィ」

長い長い授業が終わり、一息ついていたら先生に呼ばれた。

「ふぁい……なんですか?」

約一時間もの間ずっと、押し寄せる睡魔と闘いつづけたせいで、今も欠伸が止まらない。


重い体をひきずって教卓までたどり着いたものの、先生には苦笑いされてしまった。


「お疲れのところ悪いが、これとこれ、職員室まで持って行ってくれ」

そういって31人分のノートを差し出され、つられて腕を伸ばしてしまった。


どさどさと、大量に遠慮なくのせられていく。


瞬間、しまった、と思ったがもう遅い。


「これと、これと……こっちも頼むな」

「えっ、ちょ、多ッ! てか重っ」

結局、落とさないようにするのがやっと……な量を渡されてしまった。


大量の荷物を支えている俺の腕はすでに痺れているし、腰も痛くなってきた。

すっかり身軽になった先生を睨みつけつつ重い脚を動かした。


☆★☆



「や、やっとついた……」

きれいに整頓された先生の机に、どさりと勢いよく荷物を降ろす。

多少荷物が雪崩てしまったが、構うものか。


「ありがとな~、だいぶあったから、助かったよ」

(何が助かっただよ、自分は手伝わなかったくせに)

つらい労働の後では、気分もやさぐれるようだ。



失礼しました、と言って用事を言いつけられないうちに退散する。

静かな廊下で大きく伸びをすると、ボキボキッといい音がした。


(あ、本の返却期限、今日までだっけ)

なんてことを考えながら歩いていたら、人にぶつかってしまった。


「うわっ、すいません!」

不幸なことに、その人はたくさんの荷物を抱えていたようで、あちこちに資料やらが散らばってしまっていた。

「ほんと、すいません。大丈夫ですか?」

ひとまず助け起こそうと手を出すと、ありがとうございます、という声とともに小さな手が俺の手の上に載せられた。

手を痛めさせてしまわないように気を付けながら引き起こす。


「へ、平気です。こちらこそ、ごめんなさいっ、けがはありま、せん、か………え、もとみやくん?」

大きなどんぐりまなこに、肩くらいまでの柔らかでつやつやとした黒髪。

ふわりと漂う甘い香りは昔のままで。


すぐに分かった、なにせ、好きな人だし。

それでも本当に心葉なのかどうか、いきなりは信じられなくて、どもってしまった。

「花篭?うわっ、ひさしぶり!」


いつも見てた、というのはすんでのところで飲み込んだ。

まさか、こんなマンガみたいなことがあるなんて。


「わぁーー! ほんと、久しぶり!高校入ってからは話すこともなくなっちゃってたから、嬉しい!」

また、こんな風に笑顔を見せてもらえるなんて。


赤くなった顔をごまかすために横を向くと、散らばった荷物が目に入って、我に帰る。


「しまった、ほらこれ、運ぶところだったんだろ」

「え、あっ!」


あわてて散らかったものを拾う。

(ここで言わなかったら、男がすたる……よな)


そのままひとりで担いで行かれそうになって急いで声をかけた。

「ほら、持つから」

「えっ、悪いよ、私の仕事だし」

「いいから」


荷物をもらって抱えこむとさっきの痛みがぶり返してきたが、それでも俺は幸せだった。




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