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妹に恋愛相談したら幼馴染がやって来た件  作者: 真っ赤な抹茶のマッチョ
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オムライス



「とりあえずお昼にするか」



 時刻は正午を過ぎた。朝はヨーグルトだけだった事もあってか、お腹が空いてきた。



「そうですねー。私もお腹が空きましたー」



 お互いに空腹ならお昼を食べるタイミングとしてはちょうどいい。



「なに食べよっか?」



 こういうショッピングモールは色々なジャンルの店がある分だけ何を食べるか悩ましい。



「ここは先輩が決めてください。ほら、これも練習ですよー」



「とりあえず練習と言えば僕が言うこと聞くと思ってない?」



「思ってないですよー」



「まあいいや。とりあえず上に行こっか」



「はい」



 僕たちはレストランが集まる上の階を目指してエスカレーターに乗った。


 エスカレーター乗りながら昼食について考える。確か花音はオムライスが好きだったはずだ。



「オムライスなんてどう?」

 


 ここのオムライス専門店は美味しかった記憶があるし、味の方も問題はないだろう。

 そもそもオムライスで外れるということも少ない気がするし。



「いいですね」



「じゃあ決まりで」





・・・


 




 場所は変わり、現在はオムライス専門店に来ている。

 土曜日ということもあって少し並んだけど、10分ぐらいで入ることが出来た。



「先輩は決めましたかー?」



「うーん、どうしようかな」



 ここのオムライス専門店はメニューが豊富で何を頼むのか悩む。

 シンプルなケチャップだけが乗ったオムライスもいいし、海老なんかの魚介がふんだんに使われているのもいい。



「私は決めましたよ」



「どれにしたの?」



「明太子が乗ってる奴にしました」



「それも美味しそうだよね」



「はい。先輩はどうしますか?」



「この海鮮がいっぱい乗ってる奴にしようかな」



「いいじゃないですか。それも美味しそうですよ」



「うん。それじゃあ注文するね」



 ボタンを押して店員を呼ぶ。



「明太オムライスと海の幸のクリームオムライスをお願いします」



「かしこまりました。ご注文を繰り返させて頂きます」



 読み間違えることなく注文を復唱して店員は去っていった。



「久しぶりに入ったなこの店」



「そもそも外出しないですもんねー」

 


「外は危険がいっぱいだからね」



「先輩はぼっちなだけじゃないですかー」



「違うよ。生存率を上げるためにあえて外出しないだけだから」



「何ですかその言い訳」



「言い訳じゃないし…」



 雑談をしているといい感じのタイミングで料理が届いた。



「お待たせしました。明太オムライスと海の幸のクリームオムライスです」



「「ありがとうございます」」



「あ、美味しい」



「こっちも美味しいですよー」



「それは良かった」



「あ、そうだ! 先輩にも一口あげますよ!」



「え?」



「ほら!」



 そう言って自分のスプーンにオムライスを一口分よそって、こちらに差し出してくる花音。

 それは世間一般で言うあーんというやつじゃない…?

 


「いやいや、無理でしょ」



「えー、どうしてですかー?」



「どうしたもこうしたもないから」



「あ、もしかして間接キスとか気にしてますか? 先輩って結構ウブなんですねー?」



 まさかさっきのウブ発言の仕返しをしようとしてるの花音?

 でも自分の顔を鏡で見てみなよ? 顔は真っ赤だし、凄い恥ずかしそうだよ。



「自分の顔を見てから言ったら? 凄い真っ赤になってるよ?」



「な!? い、いいから早く食べてください!」



 花音も後に引けなくなっているのかもしれない。

 差し出したスプーンを引っ込める気配は無く、無言でコチラが動くのを待っている。



「あーもう、分かったよ」



 諦めた僕は恐る恐る近づいて、彼女のスプーンに乗ったオムライスをパクリと口に入れる。



「ど、どうですかー?」



「美味しい…」



「それじゃあ先輩のも一口くださいよー」



「は?」



「まさか私のオムライスを食べといて自分のはあげないとか無いですよね?」



「…分かったよ。はい」



「あ! ダメですよー! ちゃんとあーんしてください」



「チッ」



 どさくさに紛れて花音の皿にオムライスを入れようとしたら、胸元で指をクロスさせてバツのマークを作った彼女に防がれた。

 というか何それ? そのポーズはあざとすぎない? 可愛いんだけど。

 


「舌打ちした! ほら先輩! 早く!」



「分かったよ」



 僕がスプーンを彼女の方に差し出すと、少し恥じらいながらも小さい唇を開けてスプーンを頬張った。



 なんだろう。恥ずかしさや謎の緊張感もあったけれど、そんな事よりも僕が差し出したオムライスを口に入れる花音が可愛すぎる。



 この満足感はなんだろう。ああ、こんな彼女が欲しいなと漠然と思った。

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