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妹に恋愛相談したら幼馴染がやって来た件  作者: 真っ赤な抹茶のマッチョ
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プロローグ


「お兄ちゃんは毎日家でゴロゴロしてるね…偶には散歩でもしてきたらー」



 受験が終わり3月。いつものように家に引きこもってスマホを眺めているとマイシスターからクレームが入った。



「せっかくの春休みだからね」



「だからって毎日で家でゴロゴロしてるのを見てたら心配になるよー」



「許してよ朱莉。あと1ヶ月もすれば強制的に大学生活が始まるんだから……」



 春休み短すぎるでしょ。



「1ヶ月と言わず始まればいいのに…」



「嫌だよ。僕はもっと今のニート生活を満喫したい」



「うわー」



 そう言うとゴミを見るような目で僕を見てくる朱莉。 



「いやさ、今はせっかくの勉強をしなくても許される時間なんだからダラダラしたいに決まってるじゃん」



「ダラダラする以外にしたいことないの?」



「ない! むしろこんな時間がずっと続けばいいと思ってる」

 


 なんなら永遠に終わらない春休みが欲しい。ずっとダラダラしていたい。



「でもさお兄ちゃん」



「なに?」



「なんか悩みがあるでしょ?」



「へ?」



「アタシでよければ聞くよ?」



「…」



 我が妹ながら鋭い。確かに僕には悩みがある。

 でもそれは家族には相談しにくい類の悩みなのだ。



 しかし、女性の意見がほしいというのもある…



「じゃあ聞いてもらおうかな」



「うん」



「彼女が欲しいんだ…」



 悩んだ結果、僕は自身の悩みを妹に相談することにした。正直なところ家族にそんなことを相談するのは恥ずかしい。それでも背に腹は変えられない。

 餅は餅屋というように、女子のことを聞くなら女子に。妹は僕の1個下だから年齢も近くてちょうどいいだろう。



「へ?」



「だから、どうすればいいか僕に教えてくれないかな?」



「お兄ちゃんが彼女?」



「そうだよ」




「いきなりどうしたの? この前まで女なんて興味ありませんみたいな感じで気取ってたじゃん」



「え、僕ってそんな風に見られてたの…」



 もちろん僕だって男子高校生なわけだから、前から彼女が欲しいとは思っていた。街中で仲のいい美形カップルとか見たらリア充爆発しろとも思っていたし。



 でも、だからって彼女を作るために努力をする事も行動することも無かった。

 彼女がいなくてもスマホが1台あれば漫画も動画もゲーム出来て、最上では無くてもある程度の楽しい生活を送ることが出来る。



 朱莉やその友達の幼馴染女子からはぼっちだと揶揄されるが、スマホが友達だから問題はないし、むしろスマホという親友と遊ぶためにあえてぼっちであることを選択してるまであるレベルだ。



 そんな、彼女を作ることに対して消極的だった僕がやる気を見せれば朱莉だって気になるだろう。



「で? なんで急に彼女が欲しいとか言い出したの? 好きな人でも出来た?」



「いや」



「そうだよね。引きこもりのお兄ちゃんに出会いなんてあるわけないし」



「いや、それは言い過ぎじゃない? 普通に少女漫画に影響されただけだよ」



「少女漫画? お兄ちゃんが?」



「そう。最初は漫画アプリでポイントをゲットする為に読んでたんだ」



 漫画アプリは漫画を読むためにポイントが必要になるのだけど、ミッションで運営から指定された漫画を読むとポイントが貰えるのだ。



「あー」



「でも気がついたら逆にポイント使って読んでたんだよね」



「そういうのよくあるよねー。アタシもこの前やったよ」



「貯める予定のポイントを使ってるから本末転倒と言えばそうだけど、ポイントを使ってまで読みたい作品に出会えたんだから結果オーライだよね」



「本来なら読まないような作品を知れるのはいいよね」



「ね。読む前はめんどくさいとか思うけど」



「分かる。ミッションで読む前ってモチベーションが上がらないよね」



「自主的に読んでるわけではなく、ポイントのために運営に読まされてるだけだからね」



「ほんとそれ」



「にしても、初めて読んだけど少女漫画って面白いんだね」



 もっと早くに出会っていれば良かった。普通にヒロインも可愛いかったし。



「アタシの貸してあげようか?」



「いいの!?」



 もっと少女漫画を読んでみたいなと思ってたし、朱莉が貸してくれるなら僕の懐事情的にも優しいし。



「うわ、凄い食いつくじゃん…」



「別にいいだろう」



「まあね。それでお兄ちゃんに協力してもいいけど、これは貸しだからね」



「ああ、それならそれとは別で今度ご飯でも奢るよ」



「おー、了解です。ちなみに明日って空いてる?」



 明日か、随分といきなりだな。



「大丈夫。明日どころか毎日空いてるから」



 まあ、僕はいつでもいいんだけどね。



「うわ、悲しい。お兄ちゃんぼっちだもんね」



「ふ、若いな。朱莉にはまだぼっちの良さが分からないか」




「きも…」



「そんなストレートにドン引きしたような顔しないでよ! 今のは僕でも普通に傷ついたよ!」



「とにかく明日の予定は空けといてね」



「了解」



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