表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

今、冒険が始まる?

 冒険者になる。そんな一言に、父親は賛同してくれた。下手をしなくても最悪である職業、冒険者。

響きは、良いが実際はそれほど輝かしいものではない。活動の内容は人によってまちまちだが、冒険者としてお金を稼げる人間などそう多くはない。

洞窟に入って魔物を狩ったり、盗賊を倒して盗まれたものを取り返したり。そんなキラキラした冒険者などごく一部だ。


 ほとんどの冒険者は、盗みをしたり詐欺をしたり、酷い奴らでは、集まって盗賊団を結成したりもする。

何故そんな輩が多いのか。それは、ひとえに金が稼げないからである。

初めは理想があって冒険者になる、当然だ。

冒険者になるなんて言う人間が、現実を見ているわけがないからだ。それでも時が経って、どうしようもなくなって気づく、自分は、普通の人間で、勇者などではないことに。


 そこからは簡単に堕ちていく。長く”冒険者”を続けて来た者が自慢出来るものといえば、腕っぷしぐらいのものだ。その力を利用して、多くが悪に染まっていく。

本物の冒険者になれる人間は、最初っから才能がある奴か、自分を信じ続けられるバカのどちらかでしかない。だが幸運な事に、アレンは後者だ。

呆れるぐらいの厨二病に、それから理想主義。アレンならば、本物の冒険者になれるかもしれない。


「ありがとう!! 俺は、絶対、有名な冒険者になって、父さんに自慢しにくる!! だからその日まで待っていてくださりませ!!! 」


「ま、死んじまわなけりゃそれで良い。自分の子どもが生きてるなら、それだけで嬉しいもんだからな。

だからアレン、この先何があっても死ぬなよ。生きて、最後には、俺に自慢しに来い」


 涙が出るほどの別れの言葉だが、アレンはまだ旅に出ない。何かと準備がいるということは、さすがのアレンでもわかる。手ぶらで外に出たら、きっと凍死するだろう。その他にも危険はたくさんある。だから準備をする必要があった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ