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転移した日本国の隣国は魔王領でした  作者: 洗濯一郎
第一章 人族との友好
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陰謀

大魔王デーモンの城


「フフ、臨時会議とは人間を滅ぼす時が近いようだ」

「はは、お前みたいな雑魚は城で引きこもっていた方がましよ」

「なんだと貴様!」


バン!


思いっきり扉が開く


「皆の者、待たせた」

「ははっ」

各魔王たちが席を立ちお辞儀する。


「今回お前たちに伝えたいことがある」

「もしかして人間の国と戦争ですか?」

「関係はある」

「というと?」


「少し前、テール海にある島が出現した。そしてその島の国は違う世界からやってきたというのだ。その国の名はニホン。人間の国であるが我々に友好的であった。そしてリスカラは日本国と国交を締結しすでに貿易を開始している」

「なっ?」

リスカラ以外の者が驚きの声を上げる。

「リスカラ!どういうことだ!」

1人が声を上げるが「黙って話の続きを聞きなさい!」とリスカラが黙らせる。


「ニホンと言う国はこの世界のどの国より技術が発達している。我々が国交を結んだのは2つ理由がある」


「というと?」


「1つ目はニホン国の技術を提供してもらいそれを戦争に生かす。2つ目は十分に技術を提供してもらったところでニホンを攻め、ニホンの地を中継地としてそこから人間の国に進出する」


「なるほど!流石デーモン様」


「今のニホンはどちら側にもつかず、中立的な立場で戦争を好まない。そこで我々は人間の国に諜報員を送り、ニホンのイメージを悪化させ、戦争を仕掛けるように陽動すれば、ニホンは人間の国々から孤立するだろう。そうすれば我々に近づいてくるはずだ」


「質問があります」

「なんだ?」


「デーモン様が欲しがるほどの技術を持つのであれば吸収したところでその技術を熟知しているニホンと戦争をすればかなりの被害が出るのでは?」

「おぉ、そういえば忘れておった。ニホンの国民は魔法が使えない。その時点で我々に利があるのだ」

「なるほど。ところで諜報員には魔族を充てるのですか?」


「いや、人間を洗脳(教育)させて派遣する」

「そうですか。ありがとうございます」


「うまくいけばこの世界は我々の者よ!」


デーモンがそう言うと他の魔王たちは笑い始める。





貿易についてはすべてテール王国を介して世界中に送られていく。そこで小さな船だと輸送量が少なく効率が悪い。そこで日本は資源と引き換えに港を作ることをテール王国に提案した。


テール王国はこれを了承し、早速建設が始まった。

労働者は現地の人を使う。テール王国では小麦の種をまくのは11月の下旬。

ショベルカーなどの操縦は日本人が行うが運搬や組み立てなどの単純な作業は現地の労働者に任せる。

農民たちは金を稼ぐチャンスと見てどんどん志望が来た。



魔王軍の諜報員は洗脳教育を受け、冒険者や商人に成りすまして日本の悪いうわさを広め始めた。

日本について疑問を抱いている国であるデンベル、オーベルゲンではすぐに噂が広まった。


また、日本尊重派であるロカタリ教国では日本はロカタリ教とは違う宗教を崇拝しているだったり、ロカタリ教の信者を侮辱していただったりのうわさを広めさせた。日本尊重派であった政府も日本のうわさを耳にした教皇によって日本敵対派へと傾くことになる。


ロカタリ教の影響力は恐ろしく、その影響力、信者数は地球でいうキリスト教に匹敵する。

ロカタリ教はほぼすべての人間が崇拝しており、ロカタリ教国が日本敵対派に傾いたことでほぼすべての国が敵対派へと回ったのである。


その影響で日本国は大使館を置くことができず外交は大使館があるアシニア、テール王国を経由して行われた



そのことを知った日本国はアシニア、テール王国まで敵に回るとまずいと考えたのか、2か国に対し、無償の道路整備・技術支援などを行った。その成果もあってか、2か国の国民は噂が回ってきてもそれを嘘だと言って聞き入れようとはしなかった。


そして年明けの1月

アシニア、テール、日本で三国安全保障条約が締結された。

2か国は日本との友好関係上、近隣国との関係が悪化し孤立化していた。ちょうどいいところに日本から同盟の申し出があったのだ。

2か国は直ぐに受託し、この三国同盟は世界に存在感を示したのである。




2月 オーベルゲン アンジェ

突如としてオーベルゲン上空にドラゴンが飛来。

大勢の犠牲を払いながらもオーベルゲンはドラゴンの討伐に成功する。


この影響で民間人1万人が死亡したとみられ、アンジェの街は壊滅状態となる。

他の国々は金銭的な支援をオーベルゲンに行った。


日本国内でもこの知らせを聞き、支援をするべきだとの声が上がった。

しかし、オーベルゲンと日本国の関係はあまり良いものではなくダメもとで支援を申し入れたところ許可が出たのだ。


そして2月10日

自衛隊がオーベルゲンに派遣されることになる。

輸送艦おおすみに保存食や寝袋などを詰め、輸送トラック、高機動車、魔物対策として74式戦車2両、96式装輪装甲車4両の編成で派遣される。また、護衛にはDD-152やまぎり、DD-153ゆうぎりの2隻がつく。


自衛隊員の家族や集まった人々に手を振られながら支援隊は日本を出発するのであった。



一方で魔王軍がこの間、陽動以外何もしていなかったというわけではない

「おぉ、これは便利だな」


リスカラの幹部であるヘイゲルが声を上げる


彼が乗っているのは自転車だ。勿論、魔王軍にも人間部隊がある。扱いは雑で奴隷のような扱いではあるが。これを使えば偵察を素早く行え、荷物の輸送、人間部隊の移動が速くなるほか、馬と違い餌がかからないのでとても素晴らしいものであった。


リスカラはさっそく自転車を大量に発注し、軍に取り入れたのであった。










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