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転移した日本国の隣国は魔王領でした  作者: 洗濯一郎
第一章 人族との友好
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魔族との接触

「うん?」

リスカラはある白い船に目が行く

それは海上保安庁の巡視船であった。


巡視船には万が一に備え、共通語で複数の録音テープを積んでいた。


「こちらは日本国海上保安庁です。貴船は直ちに引き返しなさい。我々に敵対する意思はない。繰り返す・・・」



録音テープを流し続けると、リスカラはそれを聞いて撤退を命令する




リスカラの頭の中には?が浮かんでいた。


果たしてあの国が何を考えているのか想像がつかない。

とりあえず本格的に軍備を整え、攻める必要が出てきたのかもしれない






日本国政府は海上紛争解決のために一か八かをかけて魔王の国とやらに外交官を送ることを決定した。

外交官は死ぬ可能性がありながらも立候補した2人の外交官を送ることに決定。

テール王国の協力の下、世界共通語を覚えさせた。



9月25日

DD151あさぎりに2人の外交官である大野と橋本が乗船する。

護衛としてFFM-6あがのが一緒に航行する。




9月27日


「大変ですリスカラ様!」

「何事か⁉」

リスカラの下に従者が慌てて入ってくる


「ニホン国という人間の国から使者がやってきました」

「あの国か・・・」


港は大騒ぎである。見たこともない形をした巨大な鉄の船2隻が港に入港した。

それも人間の国のである


「この屋敷に案内しろ」



護衛艦あさぎり

「護衛艦あさぎり船員一同、あなた方が無事に帰還できることを祈っております」

「はっ、あなた方も気を付けてください。もし何かがあれば我々を置いて帰還してもかまいません」


2人の外交官が馬車に案内される。

街にはゴブリンやオークがおり、ゲームの世界のようであった。




「失礼します」



入ってきた人間をみてリスカラは驚愕する。

見たこともない服を着た2人組、その服は洗練されており無駄がない

「私はこの辺りを治める魔王リスカラだ」

「我々は日本国より派遣されました外務省の大野と橋本です」


「早速ですが、どのようなご用件で?」

「我々はあなた方と国交を結びたいと思っておりまして」


魔王は大魔王に従う形になるが基本的に国の方針は自由である。

なので日本と国交を結ぶことは可能であるが、魔族は人間を毛嫌いしている。もし魔王が人間の国と国交を結んだならば大魔王やほかの魔王たちに殺されてしまうだろう


「それはできません」

「そうですか」

「魔王と人間は敵対国だ。それを御存じで?」

「えぇ、我々があなた方の国と国交を結びたい理由は我々の国はこの星の国ではないからです」

「・・・どういうこと?」


後ろで部下たちが「へへ、魔王様。こんなふざけた奴今すぐ殺しましょう」と騒ぐ


「我が国は転移し、この星にやってきました。転移した理由は不明なのですが。そして我々はあなた方と敵対はしたくないのです」


「分かりました。返答にはしばらくの時間を要します。それまで部下が屋敷にお連れしますのでそこでゆっくりしてください」

「ありがとうございます」




リスカラは転移魔法陣を使い、デーモンの下へ行く。

そしてデーモンに一連の出来事を話す

「そうか」

「私はあの国と国交を結びたいと考えております」

「何故だ」

「あの国は人間の国で唯一我々に敵意を持たない。そして我々の先を進んだ技術を保有している。友好的に接し、技術を引き出せば人間の国を攻めるのに有利になると考えています」

「だが、船を見ただけであろう?彼らに技術を見せてもらえるように言ってみろ」

「分かりました」



翌日、リスカラは外交官の2人に対し、日本の技術を見せるように言う。


昨日と同じ会議室に2人は来た。


しかし昨日と違うことがある。

「・・・なぜデーモン様が?」

「お前の言うとおりに行くなら魔族の国にとって目標達成へと近づくことになる。お前がニホンとやらと国交を結ぶかどうかは我が決める」


「お待たせしました。それでは我々の技術をご紹介いたします」


大野は持ってきたノートパソコンを起動させ、日本国の映像を流す


「「なっ」」

2人の声が被る。

「え、絵が動いているのか」

はい。ノートパソコンと言いまして、本国と連絡を取ることが可能です。

他にも日本のビデオを見せる



デーモンはビデオを見終わるとニヤニヤしていた。




「我々と国交を結びたいなら約束してほしい」

「どうぞ」


「我々魔族を攻撃しないことを約束してくれますか?」

「えぇ、わが国は危害を加えられない限り攻撃は致しません」

「それと、あのような技術を我々にも提供が可能ですか?」

「輸入と言う形なら可能かと思います」

「そうですか、それでは国交締結の準備をしましょう」



そして魔王の国であるリスカラと日本国は正式に国交を締結し、貿易が始まった。

世界連盟がこれを気付かないはずもなく


「この件は本当なのかね?」

「えぇ、もちろんです。わが国はあくまでも外の者、魔王の国と戦争をする気はありませんし、中立を保つつもりです」

「魔王側に付いたら容赦はしないぞ」

「えぇ」




魔王の国からは食料品を輸入し、こちらは衣服や鉄などの加工品を輸出していった。




日本国は魔王の国と人間の国の緩衝国としての地位を確立するのであった


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