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転移した日本国の隣国は魔王領でした  作者: 洗濯一郎
第一章 人族との友好
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国交締結

人間の国と魔王の国、海を挟んだ向こう側に位置していた。

元々は魔王の国にも人間の国がったのだが、魔王が誕生しあっという間に大陸を占領。

そして海を挟み魔王の国と人間の国でにらみ合い状態になった。


一応テール王国が位置する大陸のほかに何個か別の大陸も存在する。


テール王国が海軍の船長から接触した話を聞いた時、すぐさま世界連盟に招集をかけた。

また、テール王国は直ぐに日本へ外交官を派遣させた。



世界連盟会議

世界連盟では魔王の国に対する対策や、国家間の揉め事などを解決する活動を行っており、この星のほぼすべての国が加盟している


魔王の国から一番近い国であるテール王国が招集をかけたという事は一大事だという事で、欠席する国も多い緊急招集にてすべての国の担当官が出席した。



「それでテール王国の担当官よ、何があったのかね?」

ある国の担当官が質問する

「テール海に国が出現しました」

「・・・すまない、もう一度言ってくれるかな?」

「テール海に国が出現しました」

「どういうことだ?」

会場がざわめく


「詳しく説明いたしますと、軍がいつもより近い位置に陸地が見えることを発見し、警戒していたところニホンと名乗る国と接触しました。彼らによるとこの星の国ではないという事です。ニホン国には我々への敵対意思はなく現在外交官を派遣しております」


「質問いいか?」

「どうぞ」

「その国は魔王の国とはかかわりがないのだな?」

「現在調査中ですが、接触時に魔族はいなかったという事で一旦かかわりがないとみております」

「それではそのまま調査を続け、人間側であればそのまま国交を結び連盟に加盟させるようにしてくれ」

「はい。そのつもりであります」





仙台市

仙台にはテール王国の外交官2人が到着していた。

宮城県庁に外交官の2人を案内し、外務省の者を待つ。


テール王国の外交官2人は地方都市でありながらも王都より繁盛している仙台の街に衝撃を受けていた。

「首都はこの街よりすごいのでしょうね」

「えぇ、見たこともない素材でできた建物にガラスがふんだんに使われているなんて」


この星ではガラスは貴重品であり、王宮にしかガラスは用いられない


「お待たせいたしました」

「はいっ!」


「そんなに緊張しなくていいですよ」

「はぁ」

「本日は国交の締結についてでしたね」

「えぇ、テール王国はあなた方日本国との国交締結を望んでいます」

「その件については我々も問題ありません。我々が望むのはあなた方の国との貿易です」

「貿易ですか」

「えぇ、我々の国の食糧自給率はかなり低い段階にあり、一刻も早く食料の供給が必要なのです」

「そうですか、我々も食料の輸出については問題ありませんが、どのような食料をお望みですか?」


その後の話し合いでテール王国は小麦が収穫されていることが分かり無事に国交締結は終了した。


「テール王国からもう一つお伝えしたいことがあります」

「なんでしょうか」

「あなた方の西にある大陸は魔王の国。我々人間にとって敵なのです。我々人間は魔王の国における対策や国家間の問題を解決するために世界連盟と言う国際機関を設立しています。世界連盟もあなた方日本国の加盟を望んでおり、加盟していただければ魔族対策条約により世界連盟軍をあなた方の国に駐留させることができます。どうでしょう。一度検討していただけませんか?」

「分かりました。この件は上の者に聞かないと分かりませんので後日返答でよろしいでしょうか」

「はい、構いません」




8月27日

国会にて世界連盟加盟が承認されたものの、魔族対策条約は地球でいう国連軍的なものであり、憲法九条の平和主義的観点から魔族対策条約の締結は承認されなかった。


8月28日にテール王国の外交官にこの件が伝えられ、日本国は世界連盟加盟に向けて動き出すことになる




魔王の国デーモン帝国


デーモン帝国は魔王による大陸統一後、大魔王を中心とする5つの魔王に分けられて国が統治されていた。年に数回ある魔王会議にて西を統治する魔王リスカラが大魔王デーモンにテール海に島ができていることを告げた。


デーモンはこのことを好機とみなし、リスカラにその島に植民するように命令を下したのであった。


魔王リスカラは女性の魔王である。ザキュバスと言うのが正解だろうか。しかし、ザキュバスの中では珍しく煽情的な衣装をまとっていなかった。


日本でいう9月1日にリスカラの部下50名の魔族兵士が日本に向けて出港することになる。




9月2日午後4時秋田県沖

護衛艦ゆうだちは西側から向かってくる木造船2隻を発見した。

即座に木造船2隻へ接近するとともに近くの護衛艦へ応援要請を出した。



「おい、なんだあの船は⁉」

船員の一人が護衛艦ゆうだちを指さす


「あの船俺たちよりも速えーぞ」

「総員戦闘準備!」


護衛艦ゆうだちは木造船の右舷方向に航行しスピーカーで停船を促すように伝える。


しかし、日本語は通じず木造船はそのまま航行する。

仕方なく隊員が甲板に出て、体の動きで止まるように指示する。



「おい、人間だぞ」

「おいおい、殺してもいいか?」



「おい、あの船の船員人間じゃねぇぞ!」

護衛艦ゆうだちの見張り員が声を上げる。


「総員退避!何があるかわからん。離れるぞ!」


護衛艦ちくまも合流したころであった。


護衛艦ゆうだちは突如として木造船から攻撃を受ける。


「左舷前方被弾!」

「被害状況を確認せよ」


「司令部に報告!」


攻撃を受けたのはまだEEZ上であり、日本政府は隣国との関係を悪化させたくなかったことから反撃を行わないように命令した。


「おい、このままじゃ日本に上陸しちまうぞ!」

艦内の船員が声を上げる



防衛省統合幕僚監部

「第21普通科連隊に出動準備を行うよう知らせてくださいそれと空自の北部航空方面隊にも出動準備を」

「はっ」



首相官邸

「現状は?」

「はい、午後4時ごろに護衛艦ゆうだちが木造船2隻を発見。多言語で呼びかけましたが反応はなく、追跡中に攻撃を受け被弾。大した損害はなかったため応援に来た護衛艦ちくまと共に現在遠方から監視中です」


「木造船の国籍はわかるか?」


「いえ、しかし人間ではないほかの生命体が乗っていると報告が上がっています。また、攻撃方法は火の弾だったそうで」

「そうか、引き続き警戒。領海に近づいたら威嚇射撃、領海内に侵入したら攻撃を許可する」

「海自と陸自は共同して木造船の到着箇所を予測しており沿岸防衛が可能とみています」

「分かった」



午後7時

「やつらまだついてきますぜ」

「仕方がない、ここからじゃ届かない」


しかし、海保船の登場によって状況が一変する。


外務省はテール王国の外交官に状況を説明し、日本語はこの星の共通語ではないため通じないという意見をもらい、外交官から音声データと文字を書いてもらい、秋田海上保安部あそ型巡視船でわ(PL42)が出港。

領海に入る手前のところで電光掲示板と音声を使って警告した。



「船長、なんか光っている船から何かが聞こえますぜ」

「あん?」

『こちらは日本国の海上警備隊です。今すぐ引き返しなさい』

という内容だった。

「どうしやすか船長」

「あっちは三隻だ。だがこちらは魔族。1人1隻の力がある。このまま進むぞ」



『護衛艦ゆうだち・ちくまへ連絡。巡視船でわは只今より不審船へ威嚇射撃を行う』



「どうやら木造船は応じなかったようですな」

「えぇ、こちらも艦砲射撃の準備を」

「了解です」

『巡視船でわへ連絡。護衛艦ゆうだちは貴船を援護する』


『助かる』


巡視船でわより70口径40mm機関砲が木造船前方に放たれる。


そして汽笛を鳴らし、出来る限りの威嚇を行う


しかし巡視船でわに向けて攻撃が放たれる。幸い、その攻撃は巡視船でわに直撃することはなかった。


そして2隻は領海に侵入。


護衛艦ゆうだちの62口径76ミリ速射砲によって先頭を走っていた木造船1隻が爆発する。




「船長、前を走っていた船がやられました!」

「おい!どういうことだ」

「い、今のうちに撤退しましょう。今は状況を伝えることが最優先です!」


残ったもう1隻の木造船は進路を180°変更し、領海、EEZから離脱していった。


沈めた1隻の生存者を救助しようと護衛艦が近寄ったのだが、攻撃してきたため、高性能20mm機関砲を使い、木っ端微塵にして海の底に沈めた。



政府の対応としては無事に木造船は方向転換して去っていったと発表し、自衛隊による攻撃をなかったことにしたのであった。




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