ヨハン共和国
「う、う~ん」
ネーマは何時もより寝心地のいいベットの感触を感じる
寝ぼけながらも外の景色を見て記憶がよみがえる
戦争 エネモさん 緑の怪物
すぐさまベットから起き上がる
しかし手は拘束され、目の前には緑とそれに近い色が混じった気持ち悪い服を着た女性がこちらを見ていた
彼女は私を見ると慌てて私の下に駆け寄り枕元に置いてあった何かを押す
すると白い服を着た人や黒い服を着た人らがやってくる
そして50代ぐらいの人が話しかける
「ごめんね~少し足をの傷を見せてね」
そして毛布をめくる
そこには包帯を巻かれた私の足があった
「あの、私は?」
「君は今捕虜扱いだね。怪我してるから今は病院で面倒を見てる。今からあの人があなたに質問するからちゃんと答えてね」
「今お話があった通り、私があなたに質問を行います。あなたには黙秘権がありますが、それを行使すれば母国に帰れないという事を頭に入れておいてください」
「はい」
「まず、あなたのお名前と役職を」
彼女は答えるか迷ったが嘘をつかず正直に話す
「ロカタリ教国使徒のネーマです」
彼は動揺せず質問を続ける
「使徒という事ですがロカタリ教国ではかなり上の地位で?」
「多分」
「そうですか。我々に敵意は?」
「ありません。手を出せば勿論反撃はします」
「そうですか」
「あの、私からも質問いいですか?」
「どうぞ」
「私はいつまでここに居なければ?それとこの鎖を解いて欲しいのですが」
「戦争が終われば帰国できます。手錠は今外しましょう」
「それとお腹が空いたのですが」
「直ぐに用意します」
■
「デーモン様も堕ちたな」
「えぇ、ニホンとやらはロカタリ教国と戦争中のようです」
「で、作戦は?」
「北部の島に上陸し、そこから敵の首都があるトウキョウという街がある島まで南下します」
「賛同する魔王はいたか?」
「えぇ、イルアスは表向きには中立の立場を取りますが、兵士や物資を派遣するようで」
「やっぱイルアスか。奴は最初からニホンに対して敵対的だと噂で聞いたからな」
「モース様の作戦は必ず成功するでしょう」
「もちろんだ」
彼は悪い笑みを浮かべながら自分が大魔王になる未来を想像していた
■
ヨハン共和国会議室
「大統領、ベリオが陥落しました。ベリオと周辺村民が避難のために港のある首都に押し寄せています」
「ベリオの状況を確認できるか?」
「避難民によると城門が突然破壊され兵士らは一瞬でやられたとか。それに獣人らが自分の祖国である獣人国に帰国しようと港に押し寄せています」
「やばいな・・・」
そんな中会議室に知らせが入る
「首都沖に敵艦隊が出現しました!我が国の海上戦力はゼロに等しいため対処できません!」
「ワイバーンを飛ばせ!空からなら反撃できまい!」
大統領が力を入れて指示を飛ばす
第4護衛艦隊群・第17機動護衛艦隊
『HQより全艦艇へ、作戦を開始する。あらゆる戦力を持って敵の戦力を削れ。しかし民間人にはできるだけ危害を加えないように』
127mm砲を装備した護衛艦が先行する
ジリリリリリ・・・
「艦砲射撃開始!」
号令と共に次々と港に向けて砲弾が放たれる
第17機動護衛艦隊・アーレイバーク級03
「艦長、CICより上空に飛行物体出現と」
「分かった。かがに報告。撃墜かどうかはかがの返答次第だ」
「サー」
DDHかが
「どうします?」
「何かあってからじゃ遅い。撃ち落とせ」
「はっ」
アーレイバーク級03
「艦長、撃墜許可出ました!」
「ブリッジからCICへ飛行物体の撃墜を許可」
「CIC了解」
「ESSM発射!」
艦対空ミサイルであるESSMが発射される。
他の米艦船も同様にESSMを発射していく
「ESSMがきちんと誘導するかわからん。CIWSも準備しとけ」
「はっ!」
■
「うん?」
いきなりワイバーンが暴れ始めた
「なんだよ、言う事を聞け!」
その直後、前方から光がやってくる
「なっ・・・」
騎士が声を発する前にミサイルはワイバーンに直撃
「な、なんだ⁉」
撃ち落とされる様子を見ていた他のワイバーン騎士はその様子を見て震えあがる
そしてワイバーン部隊はその後ミサイルの攻撃を受け壊滅状態となる
■
「艦長、主砲範囲内です。まだ数匹残っております」
「了解した。撃て」
ドン!
アーレイバーク級から次々と砲弾が発射され撃ち落とされていく
ワイバーンは首都上空を飛行していたため上空から首都にワイバーンと騎士の死体が降り注ぐ惨事が発生した。
「作戦終了、一時撤退」
ヨハン共和国の港はすべての船が破壊され港はもはや再起不能へと陥った
そこに第2師団が首都に侵入する
「戦車中隊、攻撃開始!」
城壁は一瞬で吹き飛ばされ、そこに自衛隊員が突入していく
10式戦車を先頭に大通りを駆け抜けていく
「な、なんだあれは・・・」
即席バリケードを作り、議会周辺を防御していたヨハン軍は驚く
その瞬間、10式戦車が発砲する
「ぐわっ!」
バリケードは破壊され、10式戦車が最大速度で駆け抜けようとする
「止めろーっ!この先には避難民もいるんだ!」
隊長のそんな叫びは10式戦車のエンジン音にかき消され10式戦車に立ち向かおうと魔法を放ったり剣で攻撃したりするが全く効果が無く、兵士らは逃亡を始めた。
そして議会の前に到着。
勝機はないと悟ったのか大統領は敗北を宣言し投降した
■
12月2日
「秋田大臣、これを・・・」
「ん、なんだこれ」
「魔王の大陸より150隻ほどの船団がこちらに向けて航行しているとみられます」
「なんでだ?」
「分かりません」
「至急外務省に連絡。日本海側に展開している護衛艦に連絡しろ」
「はっ」
■
「急用とはどうしたのかしら」
「それがですね、この大陸から150隻ほどの船団が日本に向かってきているのを確認致しまして」
「ほーう、どうやって見つけたのだ?」
「秘密です」
「で、我々にどうしろと?」
「あなた方魔王軍が我々に敵意が無いことを確認したいのです」
「”私は”あなた方に敵意はないわよ」
「となると別の魔王が攻めてきている可能性が?」
「えぇ、否定はできない。一応デーモン様は日本国と敵対的行動をとらない方針だからただの移動と信じたい」
「分かりました。今日のところはこれで」
■
「デーモン様、ニホン国より気になる報告が」
「どうした?」
「ニホン国の情報によると魔王大陸より船団が日本国に向かってきているとのこと」
「ほう、我は他の魔王にそのような命令は出しておらぬが」
「もしかしたら謀反かもしれません」
「となればニホンに恩を売るチャンスだ。念のため準備を」
「はっ」
日本に更なる災難が降りかかるかも?