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転移した日本国の隣国は魔王領でした  作者: 洗濯一郎
第一章 人族との友好
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不穏な空気

ロカタリ教国

「それで日本の陸軍はどうであったか」

「はっ、非常に練度が高く兵士は魔法の杖のようなものを持っておりました」

「ほう。あの国は魔法が使えないのではなかったのか?」

「どうでしょう。恐らくテールかアシニア王国のどちらかの技術支援を受けて獲得したのではないかと私は予想します」

「他には?」

「それと地を這う魔導兵器も保有していました」

「そうか、だがわが国には()()があるからな」

「えぇ、御心配には及びませんとも」

「ご苦労。引き続き諜報を続けてくれ」



ロカタリ教国は昔、ケーベスト王国と言う名前であった。

ずーっと昔。ある冒険者が竜王から国を守り、その王国の姫と結婚したことから王様へと成り上がりその後ロカタリ王国として名を変えることになる。国王就任後にも率先して魔物討伐などを行い民を助けていたことから彼の死後、守り神として国内の各地で祀られ、それらをまとめてロカタリ王国となった。


ロカタリの息子であるカレー・ロカタリ(以後ロカタリ2世と呼ぶ)は自ら教皇と宣言し、ロカタリ教を設立。

各地で宣教し、いつの間にか大陸全土に広がっていた。


そして調子に乗ったロカタリ2世は他国へ改宗を要求し、従わなければ滅ぼすと言う戦略を取ってきた。


ロカタリ教の聖地でありロカタリ教国の首都である聖ロカタリ市には各地からたくさんの信仰者や進行している技術者がロカタリ教のために尽くそうと集まった。


そしてロカタリ教は開発した。ロカタリ巨人兵という高さが3~7mある人間を模した魔導兵器だ。


大きさによるが一番大きい7m級の巨人兵は目や手からビームを放てるという子供たちやロボットが出てくる系のアニメファンにはたまらないであろう仕様が詰まっているのだ。



そのような力を駆使し、世界をロカタリ教に染めていった。

そしてデンベル中央国とともに同盟を結び、世界連盟を設立している。


現在はロカタリ4世。そしてその配下には高度な魔法を使える魔術師が数人いる。彼らはこの世界では使徒と呼ばれている・・・



テール海

ここ最近、海上保安庁は海上警備任務が増えていた。

何故かというとデンベル中央国とロカタリ教国の艦船がよく通るようになったのだ。


通るだけならまだいいのだが、停泊したり日本の領海に侵入しようとして来ていた。

ちなみにこの世界にEEZと領海という仕組みはないのでテール王国と双方で合意し互いのEEZを決めておこうと話し合い新しいEEZが出来ている。



ほとんどの艦船が木造で海保船の機関砲でも大砲の射程外から攻撃できるので問題はなかった。



日本国安全保障会議

「では8月よりアシニア人とテール人のみ入国開始という事で」

「えぇ、監視の方は公安がやりますから」

「ところでテール海に出現している例の2か国どうします?」


「既に日本国の貨物船もテール王国へと航行しているわけですからね・・・」

「総理、抑止力として海上自衛隊の派遣もご検討を」

「分かった。被害が出てからでは遅いからな」




7月23日午前7時

銚子海上保安部所属巡視船かとり

「船長、2時の方向、船団です」

「了解」


巡視船かとりは2か国の艦艇の出現などにより現在警備中であった。


「あの船団、旗掲げてませんね」

「ここEEZ内か?」

「えぇ」

「要監視で」



「船団近づいてきますよ」

「回避行動。もしもの時に放水銃ね」

「了解です」


5隻ほどの船団が明らかにこちらに近づいてきていた。


海賊対策で5隻ほどの船団で航行するのはおかしなことではない。

おかしいのは旗を掲げていない事、こちらに近づいていることだ


「船長、回避しても近づいてきます!」

「了解、付近の巡視船に応援要請、心の準備しといて」

「了解です、ほかの船員にも知らせます」


突如ほかの隊員が大声を上げる

「ぶつかるぞ!」


ガン!


突如巡視船に衝撃が走る

「右舷側面!」

「損傷を確認、警告流せ!・・・ちっ、判断が遅れたな」


『こちらは日本国海上保安庁、これは警告である巡視船から離れよ!繰り返す・・・』


音声が巡視船から発される


「船長!やつら武器持ってます!海賊です」


『第三海上保安部、こちら巡視船かとり!海賊船と船体接触!ただいまより反撃する!』


「放水銃使え!」


放水銃から放水された水が船団のうちの1隻に直撃する。


「1隻離脱した」

「おい、乗り込まれるぞ!総員船内に避難!全扉を閉めろ!手の空いている者は急げ!」

うち1隻が無理やり巡視船にくっついてきた


「船長、小銃です」

1人が64式小銃を持ってくる

「お前使えるのか?」

「無理です!」

「使えるやつ連れてこい!」

「はっ!」



『横浜海上保安部の巡視船ぶこうから巡視船かとりへ、ただいま到着しました今から威嚇射撃始めます』


巡視船ぶこうが20mmバルカン砲を船団の手前に放つ


「前方ぶつかるぞーっ!」

バキバキバキと言う音の後に衝突した海賊船の船体が真っ二つに割れる




首相官邸

「総理!海上保安庁の巡視船と正体不明船との間で戦闘が発生しました!数人が巡視船に乗り込んだようですが、外から入れないようにしたとのことで今のところ無事です」

「そうか、大丈夫なのか?」

「一応応援の巡視船が向かっているようですが・・・」

「防衛省は?」

「既に情報は届いているかと」



防衛省

「海賊か・・・それは海上保安庁の対処範囲を超えているのでは?」

「一応相手は木造らしいですけど」

「海上警備行動を起こすにはなぁ・・・とりあえずP-3哨戒機を現場に派遣。状況が悪化したらすぐに報告してくれ」

「はっ!」



巡視船かとり

「・・・ただの衝突事故ってことで済ませられるかな。何も武器使ってないし」

「無理ですよ船長」

「あと、船外ですけど何人か乗り込んでますからね」

「こればかりは無理だ。自衛隊か警察に頼むしかないぞ」

「流石に日本国に入国させるのはまずいのでは?」


『巡視船かとりより第三海上保安部へ、船外にいる海賊はどうすればいいか?』

『第三海上保安部から巡視船かとりへ、横浜海上保安部に寄港してもらいたい』

『かとり了解』



巡視船はこの後何事もなく横浜海上保安部に到着。待っていた機動隊と海上保安庁隊員によって制圧され逮捕された。


この事件は公表され、逮捕された彼らの今後について注目が集まるのであった






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