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転移した日本国の隣国は魔王領でした  作者: 洗濯一郎
第一章 人族との友好
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ナナヨン!

明けましておめでとうございます!

74式戦車は2023年(多分)に廃止になり、一部がモスボールされているが異世界に転生してからは保管庫から引っ張り出され何かと活躍している。


10式戦車は日本の最新技術が詰まっているので容易に外に出すことはできなかった。(魔王軍との合同軍事演習は除く)



アシニア王国

軍部及び現アシニア王は日本の陸上自衛隊に興味があった。

鉄の艦船を作れるほどの技術を持った国の陸軍はどのようなものか


現国王は「なんとしてでも見たい!」と外務担当大臣に懇願するのだが、相手は別の世界から来た超がつくほどの軍事大国。「そんな簡単に陸軍を連れてこれるはずがない」と王を説得したのだが、今度は軍部が騒ぎ始めた。「陛下の為になんとかしろ!」である。外務担当大臣はお前らも見たいだけだろと突っ込みを入れたくなるが、そんなことしたら軍人らに酷い目に遭わされてしまうので一か八かで日本国に連絡を取ってみた。



「えーと、理由を教えてくれませんか?」

「日本国とアシニア王国の友好や連携を他国に示すために観閲式に日本を参加してもらいたくて・・・」


そんな適当な理由を考えていったのだが、日本国は快く承諾してくれた



そして国王も参加する観閲式が開かれることになる。


自衛隊は74式戦車2両と30人ほどを送り込んだ。


テール空港まで輸送機で輸送してそこからアシニア王国の王都まで向かう。


王都は国境から街を1個挟んだ程度なので半日もかからないほどであった。





アシニア王国では王都で日本国も参加する観閲式があるとのことで王国中から人が集まっていた。

勿論集まっているのはアシニア王国民だけではない。デンベル中央国やロカタリ教国、他国の諜報員もほとんど見ることのできない日本軍を見ようと集まってきていた。




アシニア王国王都中央口


「日本の軍隊ってどんな感じなんだろな」

「鉄の船を動かすぐらいだから金属の車体を引いた馬車なんかが来そうだな」


談笑し合う門番

彼らは鉄の鎧を被り、帯剣している。

現在は王都にやってくる商人や冒険者の身分確認なんかを行っている


ガラガラガラ・・・


「なんだこの音は?」

「さぁ?地響きもするな」


すると並んでいた人々の列の後ろ側から声が聞こえた

「道を開けろー!」


ある一人の商人が騒いでいるようだった


「魔物が出たか?」

「そうかもって・・・え?」


道を開けた人々の奥に見えるのは緑色の何か


そのてっぺんには人がいるように見える


そして道が開くと、ガラガラと音を立ててやってくる


「ご苦労様です。我々日本国陸上自衛隊の者です。このまま通行してもかまいませんか?」

「あ、あぁ通って構わない」

「それと、案内の者はいますか?」

「あぁ、すぐに来ますので入ったところの馬留場にて待機をお願いします」

「分かりました。ありがとうございます」


「あれが日本国とやらか」「流石は外来族。汚い服装だな」「恐怖だ」「魔法が使えんと聞いたぞ」



自衛隊を見て感想を発する人々のその横を2両の74式戦車、2両のトラック、2両の高機動車が進んでいく。



「風のようだな」

「えぇ、あんなのと戦いたくありませんよ」

「俺もだ」




中央口からは王城まで一直線に大きな道が続いている。

大きさは4車線道路ぐらいでかなり大きな道だ。


出店が並んでおり人の往来が激しい。

馬留場は中央口から少し進んだところにあった。


自衛隊員たちは異様な恰好をしているため、すぐに注目を集めた。


日本国の軍隊が到着しているという噂を聞いたのかどんどん人が集まり、自衛隊員たちは外に出ることができなくなった。



「石井隊長、案内の人来ませんね」

「・・・そうだな。流石にこの規模でみんなに見られると緊張してしまう。早くしてほしいな」

「ここで問題でも起こしたら大変ですよ」



「おい、こんな弱そうなやつらが日本の兵士か?」

「へへっ、おい、お前俺より弱いんじゃねぇのか!」


「言ったそばから・・・」



喧嘩を吹っ掛けられた自衛官は大のベテラン。

チンピラの喧嘩を何食わぬ顔で受け流す


「Aランク冒険者パーティーのストーンズだ!」

「おぉ、すげぇ」

「どっちが強いんだろうな」

「やれやれ!」


石井が各自に指示を出す

「チンピラたちは帯剣している。警戒せよ。なお反撃は許可しない」



「無視してんじゃねぇよ。怖えのか?」


チンピラは4人

うち1人はゴリラみたいな大男

もう一人はサルみたいな男

後の2人は自衛隊員と変わらない体型だ



「危ないですので下がってください」

他の自衛隊員が声をかける。


「なめてんじゃねーぞ!」

「この国では他国の軍に喧嘩を吹っ掛けるのが普通なんですか?」


「おい、お前らみたいな魔法が使えない奴らが調子に乗ってんじゃねぇぞ」


ゴリラみたいな男が隊員の胸倉を掴む


「チッ」


石井が74式戦車から降り、向かう


胸倉を掴まれた隊員は大男の手首を掴み捻る

大男が隊員から腕を放した


「おい貴様!何をしているのだ」


人ごみの中から現れたのは鉄の鎧をきたアシニア王国の兵士らであった。


「申し訳ございません。本日案内役をいたしますアシニア王国軍参謀のクイテーノです」

「陸上自衛隊の石井です。よろしくお願いします」

「すみません。混雑してて遅れてしまいました」

「いえ、大丈夫ですよ」




自衛隊員らはアシニア王国兵士の先導の下兵士の詰め所へと向かう



「寝泊まりする場所は用意しておりますので乗り物などはここに留めておいて大丈夫です」

「ありがとうございます」



彼ら自衛隊員が案内された宿はとても立派なものだった。

ベルを鳴らせばワインが無料で提供され、専属メイドも付く。

貴族御用達ホテルである


彼らは和牛ほどではないが美味しい肉のステーキを食べ、眠りにつくのであった



翌日


今回は自衛隊員がアシニア王国の訓練を体験する。


自衛隊員たちからすれば訓練はキツイものではなかった。


ただ走って丸太を担ぐの繰り返し。

剣の訓練については隊員は参加はしなかった。


3日目

今回はアシニア王国兵士が自衛隊の訓練を行う番だ。


自衛隊員の朝は早い。

起床ラッパが鳴り響くと自衛隊員は反射的に起きたのに対してアシニア兵士は二度寝する人も多かった。

ちなみに事前に起床ラッパのことは伝えており、遅刻も10分までなら許すと寛大な措置を取ったのにもかかわらず、20分遅れでやって来た奴がいる


勿論隊長である石井は遅刻した者らに理由を聞いていく。

そして聞き終わると「連帯責任。全員腕立て伏せ100回はじめ!」


アシニア兵士は腕立て伏せなんてものを知らないので困惑するが周りを見て段々とできるようになっていく。

そして石井はスピードが遅い兵士や声が出てない兵士に喝を入れていく。


その様子を見てクイテーノは感心する

「あのような鍛え方があるとは」


そして腕立て伏せが終わる

「それでは今から訓練を行う。まずはランニングだ。全員声と足をそろえて走れ」

「はぁ?さっきのは訓練じゃないのか?」

アシニア兵士らが愚痴を吐く


「しゃべるな。ふざけた奴がいたので腕立て伏せ100回!」

「おい!もうやったじゃないか!」

「もう100回追加してほしいのか?」


石井は文句を言う兵士の前に行きそう言う

「い、いえ問題ありません」


訓練が終わると彼らはヘトヘトであった。




観閲式当日

陸上自衛隊は一番最後の登場だった


その一糸乱れぬ行進は見る者たちを興奮させた。

そして74式戦車。


その迫力で見ている者の一部は腰が抜けるほどであった。



その後は日本国は魔導兵器を持っているとか鉄の魔物を飼っているとかそんなうわさが絶えなかったが無事に観閲式は成功し、軍部・現アシニア王ともに満足するのであった。


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