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転移した日本国の隣国は魔王領でした  作者: 洗濯一郎
第一章 人族との友好
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転移

2024年8月。

真夏の暑い夏の中、突如として世界との通信が断絶した。

インターネットやGPSは一瞬のうちに使えなくなり公共交通機関がストップしてしまった。

在日米軍も同じで、台湾有事が始まったのか?と疑われた。


異変から一日たった日、気象庁は気温が異変前と比べて低下していると発表した。


日本政府は自衛隊出動を命令し、P-1哨戒機にて韓国の釜山まで近づくことを決定した。


「機長、そろそろ朝鮮半島が見えるはずです」

「海しか広がっていないが」

「もう釜山上空のはずですが」

「見えない。海だ」


すると副機長が陸地が近くに見えたことに気が付いた。

「機長、あそこに陸地があります」

「ほんとだ」

「司令部、陸地を発見した。朝鮮半島から東の方だ」


『近づけるか?』

「えぇ、近づいてみます」


「司令部、かなり遠いが陸地を見つけた。国際周波数で呼びかけているが応答がない」

「了解した。引き返せ」

「ラジャー」



海上保安庁も行動を開始しており、日本を中心にすべての方向へ巡視船を出港させていた。



そして宮城県から500㎞離れた場所に陸地があることが分かった。




2日目

政府は西と東に陸地があることが分かった。

西の陸地はロシア領の可能性があり上陸するにはリスクが大きすぎるため異変前まで確認できなかった東の陸地へと上陸することにした。


第6師団の第6偵察隊が輸送艦による輸送とDDG179まや、DD101むらさめの護衛の下、東の陸地に上陸した。


87式偵察警戒車2両と偵察バイク4両、82式指揮通信車1両で偵察を開始した。

東の陸地は平原となっており、見晴らしがよかった。


暫くして獣道のような道を発見した。

隊員が下りて道を確認しているとドドドドと地面が揺れる音が聞こえる

「しまった、火山によってできた島だったか!」と声を上げる


「馬鹿言え、それならこんなに緑があるはずがない」

「じゃあ何なんだよ」

「しっ・・・「何してるんだ!早く逃げるぞ」」


偵察隊が発見したのは大きな狼である


「あの音は狼が走っていた音だったか!」

彼らはバイクにまたがりスピードを出す。


「87式偵察警戒車、発砲します」

テテテテテ・・・と25mm機関砲が響く。

狼は何発か被弾すると血を吹き出して倒れた。


「ふぅ、あぶねぇな」と安堵する隊員の下に先ほどより大きな足音が聞こえる


「あれはダメだ!急げ撤退だ」

「至急!護衛艦まやへ、航空支援を要請する!」

「こちらまや了解した」


護衛艦まやからSH-60Kが発艦する

87式偵察警戒車は砲塔を後ろに向け、迫ってくる狼に対して発砲を続けていた。


先頭を走っていたバイクらはエアクッション艇に乗り始めていた。


SH-60Kは74式機関銃(7.62mm)を発砲

大きな爆音を立てながら上空を飛行するSH-60Kに怯えたのか狼らは撤退を始め、偵察隊は無事に撤退できた。



今回の派遣はほぼ失敗に終わった。

上陸することはできたものの、大型の動物に拒まれてしまった。

しかし、道を発見するなど人の痕跡を発見することができたことは大きい。




「総理、次の派遣はいつにしますか?」

「うーん」

「大型の生物の発見報告もありますし」

「ヘリコプターによる偵察というのもあります」

「大型の飛行生物もいるかもしれないので一旦取りやめだな」


3日目

日本政府はエネルギー不足のため節電を呼びかけ、石油ガソリンなどの販売を一時的に禁止した。

この対応にデモが発生するなど起きた。

政府はやむを得ず原子力発電を再開。インターネットも復旧を開始した。





テール王国

「ワイルドオオカミの殲滅はどうなったのか」

「えぇ、大量発生したワイルドオオカミの殲滅は無事完了しました」

「そうか」


「王様、海軍より報告です」

「なんだ?」

「西の海域上に陸地が見えたと」

「魔王領か?」

「それがどうやら違うそうで、陸地が出現したという方が正しいと思います」

「そうか、緊急会議を開くぞ。海軍は監視を続けろ」

「分かりました」




4日目

海上保安庁が正体不明船と接触した。


宮城沖

「な、なんだあの船は」

「おい、近づけ」

「総員、大砲を用意しとけ!」

テール王国海軍のフリゲート艦は8月22日の午後2時に海上保安庁の巡視船を視認した。

もちろん巡視船もテール王国海軍のフリゲート艦を視認


巡視船は電光掲示板をオンにし、拡声器を使用して停船を呼びかけた。


「船長!相手の船はテール語を使用して停船を呼びかけています」

「おいおい、どうすんだよ」「相手は大砲ないっぽいぞ、沈めちまおうぜ」

そんな声が広がる中、船長は停船するように船員に命令


巡視船はフリゲート艦に近づく


「あの船俺らの船と同じ大きさじゃねぇか」


武装した臨検部隊が外に出て呼びかける

「日本国海上保安庁の者です、今から臨検を開始します。船内を調べさせてください」

この言葉に船長は戸惑う。船長が知っている限りニホンと言う国は聞いたことがないからだ

そこで船長は相手の船長を呼び出すように言った


「はい、私がこの巡視船の船長です」

「私はテール王国海軍フリゲート艦の船長オーニだ」

「テール王国?聞いたことがありません」

「私もニホンと言う国は存じ上げない」


「オーニさん、少しお話よろしいですか?」

「ああ、もちろんさ」


巡視船の船長はここが地球ではないことを知る

急いで部下に報告するよう命令する


「すみませんが、ここは念のため船内を調べてもよろしいですか?」

「すまないがそれはできない」

「そうですか、諦めましょう。オーニさん、先ほどもお伝えした通り、我々の国は違う場所からこの星へ転移してしまったようなのです。我々の国の政府はこの星の国と国交を結びたいと考えております。このまま帰還いただきこの事をあなたの国の者に伝えていただけないでしょうか?」

「もちろん構わない。それと警告しておく、あなたの国の西にある大陸は人間を敵視する魔族の国、魔王国がある。絶対に近づこうとするな」

「警告ありがとうございます。それでは我々は撤収しようかと思います」

「あぁ、こっちも国に報告しなきゃならねぇ」

「それでは」



政府は緊急閣議を開いた

「海上保安庁から送られた写真によりますと、正体不明船は木造で帆船であるとのことです」

「大砲を積んでおり、日本語が通じたそうですが文字は違うものだそうです」

「それで、巡視船の船長は日本国に敵意がなく、国交を締結したいことを国に伝えるように要請したようです」

「そうか、ならいずれ向こうの国から外交官がくるだろうな」

「一応こちらも準備しておきましょう。それともう一つ気になることがあります」

「なんだ」


「朝鮮半島付近に派遣されたP-1哨戒機が見つけた陸地は人間を敵視する魔王の国があるとのこと」

「魔王ってあれか?あのめちゃくちゃ強くてようこそ勇者どもとか言う?」

「そうかは知りませんが多分そんな感じだと思います」

「海上自衛隊が厳戒態勢を敷いているので多分問題ないかと思いますが」



後日、テール王国の外交官が仙台に到着する




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