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「うちのポストに、ケーキバイキングのチラシが入ってたんです」


 お礼と称して連れてきてもらった食事中にそう言ってデイジーが見せてくれたのは、明らかに素人が作った胡散臭いチラシだった。

 どう胡散臭いかと言うと、全てが胡散臭い。まず色からして胡散臭い。ケーキバイキングのチラシなのに紫と緑と青を基調とした、なんとも食欲がなくなりそうな配色。さらに全く美味しそうに見えないケーキのイラストに、気持ち悪いウサギのようなキャラクターに吹き出しがついていて「おいしいよ」と書いてある。

 何より全て手書きである。字も汚い。


「このチラシを信じたの?」


 僕のなんとも言えない表情に、デイジーは無言でサッと顔を背けた。

 流石にいつもデイジーの味方をするリリーさんも何も言わない。


「結局あの男たちは何だったの?」

「魔力研究をしてる研究者ね。法律の穴をついた違法研究ばっかりしてた嫌な奴らよ。やっと尻尾を出してくれて助かったわ」

「デイジー、お手柄だね」

「嬉しくないです」


 研究者かぁ。道理で魔法しか使ってこなかったわけだ。

 前回みたいな国家転覆を狙った集団だとどんな手でも使ってくるから今回は運が良かったな。


「まぁ、何事もなくて良かったよ」

「アスターさん……」

「結構貴方のせいで満身創痍みたいだったけど」


 僕がいい感じに終わらせようとしたのに、感動するデイジーに対してリリーさんは微妙な声を上げる。

 なんだよなんだよ、文句があるならこんな弱小じゃなくてもっと強い冒険者に頼めばいいだろ。

 僕は弱いなりに精一杯やったんだよ。



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