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6

 それから、リリーさんが目を覚ました女の子――デイジーに話を聞くと、自分は新米冒険者で、例の腕輪は王都に到着した日にたまたま入った店で話をした店主から、激励を込めてオマケとして貰ったものだったと言っていたらしい。

 店主は呪いに関しては何も知らず、リリーさんから話を聞いて顔を蒼くしひたすらデイジーに謝ったそうだ。

 そこでめでたしめでたしで終われば良かったのだが、流石にあれだけの騒ぎを起こしてしまったのだからそうはいかなかったらしい。

 原因となったその商店は王都での営業を禁止され、デイジーは要注意人物として魔法の使用の制限と、国からの監視がつくことになった。



「あの時も言ったけど、あの事件を解決したのはアッシュであって僕じゃないよ」

「それ、アッシュも同じこと言ってたわ」

「えぇー……」

「それに実際、デイジーを止めたのが貴方であることは間違いないのでしょう?」

「僕はアッシュが攻撃されたからそれを受けただけだよ?」

「けどデイジーを止められたわ」

「あのさ、デイジーを止められるのと、デイジーの周りのトラブルを止められるのは違うと思うんだけど」

「デイジーが止められるなら大抵のことは何とかなるわよ」

「えぇ―……」

「ねぇお願い、アスター」

「アスターさん……」


 お願いと言いつつ彼女たちの中ではもう決定事項なのだろう。全くこちらの話に耳を傾けないリリーさんに、僕はもう抵抗するのも面倒くさくなった。


「分かったよ。ここにいる間だけだからね」

「! 助かるわ、アスター」

「ありがとうございます、アスターさん!」

「報酬は出るんだよね?」

「勿論よ」

「わ、私も生活費は渡します! 家事も頑張ります!」

「え?」


 デイジーが何を言っているのか分からなくて僕は聞き返したんだけど、デイジーは首を傾げて同じことを繰り返しただけだった。聞こえなかったわけじゃないんだよ。


「何で生活費と家事?」

「何言ってるのよ? 護衛なんだから一緒に住んでもらうに決まってるでしょう?」

「リリーさんが何言ってるのかな? 普通人間の男女は恋人とか夫婦以外は一緒に住まないんでしょう?」

「私、アスターさんなら、構わないです……」

「デイジーも何を言ってるのかな?」


 相変わらずデイジーの考えることはよく分からない。まあ僕はオスだけど人間じゃないからセーフってことなのかな。


「まあやるって言っちゃったし。いつまでか分からないけど、よろしくね、デイジー」

「はい! よろしくお願いします!」


 こうして僕は護衛としてデイジーと一緒に暮らすことになった。


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