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こねこのチビのおくりもの~ストレイキャット・ツリータワーをつくろう!@Cluster World~  作者: 日向 るきあ
第七章 チビ猫、タワーをつくりこむ~そして、おひろめへ!
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39日目:チビ猫、短距離ワープを実装する

 翌朝ひらいたヒロさんレポートには、すこし、気になることがかかれていました。


『今さらで、もうしわけない気もするんだけれど……

 ワールドでひさびさに、まどからぴょんしてみたら、たまにへんな絵がでるのに気づきました。

 たまにだし、出てもいっしゅんで、写真はとれないんだけれど、ちょっと、いやかなり、こわかったかも……。

 たぶん『仕様』で、しかたないものなのかも、だけれど。

 できたら、対策をかんがえてみたら、いいかもです』


 さっそく、ワールドにはいって『まどからぴょん』してみると、なんどめかに、ひとのかお? のようなものがいっしゅん、みえました。


「ぬーん……たぶん、カメラがアバターのあたまのなかにはいりこんじゃうことがあるんだろうにゃ。

 このちっこい窓にとびこませるってのもそもそも、かなり無理スジの挙動だったしにゃあ……。」


 ばけねこさんはきようにうでをくんで、うなります。


「やっぱり、ここのまど、おっきくしなきゃ、だめかな……?」


 チビはちょっぴり、ざんねんそう。

 しかし、ばけねこさんにはアイデアがあるようです。


「それだとせっかくの『ぴょん』感がなくなっちまうにゃ。

 だからここはいっそ、まどんとこじたいをショートカットしちまえばどうかにゃ?

 ひっさつ・テレポーテーションにゃ!」

「『わーぷぽーたる』!」

「正解にゃ!

 チビはあいかわらず、よくしらべてるにゃあ。感心にゃ!」


 うてばひびくようにかえってくるこたえに、ばけねこさんは感心します。


「えへへ!

 いつかね、もいっこ『かくしとびら』つけてね、かくしべやとかもつくりたいかなあ、っておもって、しらべてたの!

 たのしくってきらきらな、ちかのカジノとか。

 SFでさいきょーな、ひみつきちとか……

 たのしくうたっておどれるライブステージとか、つくれたらいいかもなって!

 あとね、ひなたでゆっくりおひるねできる『おやすみどころ』や、こころもからだも全かいふく! なぽっかぽかのおんせんとかも!」


 ばけねこさんもあれから、『チビのあこがれのおんなのこ』がでているしょうせつを、よんでいました。

 だから、わかるのです。

 それらが、かのじょの仲間たちをも思っての、モチーフなのであると。


「そうだにゃあ。

 ……いつか、つくれるといいにゃ。

 そんときゃまた、おてつだいするからにゃ。ぜったい、こえかけてくれにゃ?」

「よろしくおねがいします!!」


 チビはむじゃきなひとみで、やさしいゆめをおおきくひろげます。

 そんなチビのあたまをやさしくなでながら、ばけねこさんはこころのなかで、ある決意をかためたのでした。



 ばけねこさんのきもちを、しっているのかいないのか。

 チビはいそいそと、ふたたびパソコンにむかいます。

 そうしてスパパッとつくりあげたのは、プレイヤーがとびこむと、あらかじめつくっておいといたオブジェクトのとこにワープできる『ワープポータル』です。

挿絵(By みてみん)


 さっそくゲームモードでためしてみますが、なかなかやっかいな問題があきらかになりました。

 これまでも、たまにあったことですが、思ってもないばしょで、大ジャンプがでてしまうことがあります。

 まどのそとの『ふみだい』にとびのるあたり、そしてふみだいのうえでも、ごくたまにですが、出てしまうことがあって……

 そうなると、ワープポータルにとびこむことが、とてもむずかしくなってしまいます。


 ただ、まどにとびこむだけなら、なんとかなっていたはずなのに。

 まったく、ふしぎなこともあるものです。


 それでも、これはおおきなもんだいです。

『うんどうしんけい』ばっちりな、チビやばけねこさんですら、てこずるのですから……


「ヒロさんにはぜったいむりだにゃ……」

「ぜったいにむりだよね……」


 ねこたちはうなずきあいます。

 これはきょうじゅうに、なんとかしないと!

 あいする『ごしゅじん』に、いらないくろうは、かけたくありません。


「さてチビよ、ここは、どうするにゃ?」

「あのね、『もんだいをきりわける』!

 このもんだいは、ふたつにわかれるとおもう。

 小ジャンプエリアが、ときどきうまくはたらいてないのが、ひとつめのもんだい。

 それと、ワープポータルが、そもそもばしょてきにはいりづらいのが、もういっこのもんだい、だとおもうの。

 だから、それぞれをなおしてってみる!」

「よっしゃ!

 ばけねこさんもそれがいいとおもうにゃ。

 小ジャンプエリアはどーも、ふたつのコライダーのさかいめあたりがアヤシイにゃ。

 だから、もっとカタチをたんじゅんにして、数をへらしたほうがいいかもだにゃ。

 ポータルはもっとてまえに出して、でっかくすればはいりやすいにゃ!」

「うん!」


 そうして、しこうさくごがはじまりました。



挿絵(By みてみん)

この時点での『小ジャンプ発動用コライダー』はこうなってます。


 ほんたいのしまについていたコライダーは、はじっこのよっつをせいりしました。


 まずは、ぶらんこのしたあたりと、そこよりすこし奥がわをカバーしていたもの。

 これをなくすかわりに、本体の島のほとんどをカバーしている、大きなコライダーの高さをさらに低くして、ぐっと水上にまでひろげました。


 このとき、まどのそとのふみだいのおおきさも、かえました。

 おもいきってぐっと低く、いまちょうせつしたエリアにおさまるくらいに。

 じつはこの高さなら、わざわざとびのらなくともふみだいにあがれて……

 そこでジャンプするとちょうど、まどの高さになるときづいたためです。

挿絵(By みてみん)


 なくしたコライダーのうち、のこるふたつは……

 正面大階段第二部分と、ハコのおへやデッキをつなぐあたりのもの。

 タワーとかいだんのあいだにできた、さんかくのすきまから、デッキやかいだんにとびのることができるよう、あえてこまかくわけてたところです。


 ここをかえちゃうということは、さんかくのすきまからの『ぴょん』はあきらめなくてはならないでしょうか?

 だいじょうぶ、いまの小ジャンプエリアの高さは、こねこのせなかの高さぐらいです。

 ふみだいをいっこおいてしまえば、よゆうでつきぬけることができます。

 ぴょんスポット、きせずしてのふっかつです!

挿絵(By みてみん)


 これができるとなれば、表側にはりだしたデッキの下をカバーするコライダーたちも、ふたつからひとつにできちゃいます。

 これで、ほんたいのしまについたコライダーは、合計ふたつにまでせいとんできました。

挿絵(By みてみん)


 けれどやっぱり、ここもなんとか『一本化』したいところ。

 どうためしても、ふたつのコライダーのさかいめでは、大ジャンプが出てしまうことがありまるのです。


 てんじょうが低いところで、うっかりおもいっきりジャンプして、ごんっとあたまをぶつけることも、人生 (にゃん生)けいけんのひとつではあります。

 けれどやっぱりチビは、気になります。

 じいっとがめんをみつめて、うーんうーんうーんとうなっていたチビは、とつじょハッ! と (それも、二本足で!)たちあがりました。


「これだ……これだ――!!」


 そうして、回転ツールをぽちり。

 コライダーのついてる親オブジェクトを、ぐぐっとななめにかいてんさせたのです。

 すると、なんということでしょう。

 正面大階段、そしてハコのおへやのデッキ。

 それらが、メインのおおきなコライダーひとつで、ほぼかんぺきにカバーしてしまえたのです!


「マジかにゃ!! キセキにゃ!!」

「うんっ!! うんっ!!」


 すみっちょがちょっぴり、でたりはいったりしていますが、このていどなら、もんだいないでしょう。

 かなりふかめにくいこんでいるところには、とりあえずふみだいをおきます。

 いわやみずのうえに、ふみだい、というのも、なかなかシュールなながめですが……

 あとでなにか、よさそうなものにおきかえましょう。

挿絵(By みてみん)



 ともあれ、これならもう、もんだいはありません。

 おやくごめんになった、ちいさな小ジャンプエリアようコライダーたちに、おわかれをつげます。

 まどわくのうえと、そとのふみだいの小ジャンプエリアは、ねんのため非アクティブ状態にしておきます。


 いっぽうで、タワーうちがわのふみだいのうえの『小ジャンプエリア』には、ジャンプ力『ひとなみ』のかわりに、『0.5ばい』にして、よりワープポータルにとびこみやすくします。

挿絵(By みてみん)

作業しやすくするため、かべは非表示になってます。


 さて、ここまできたらこころおきなく、ワープポータルかいぞうです。

 大きさをどんとおおきくして、おくばしょも、まどわくの内がわから、外がわへ。

 全体として、まどわくをおおいかくすように、かえました。

挿絵(By みてみん)


 ゲームモードでためしてみたら、みぎもひだりも、うまくうごきます。

 メッシュコライダーのチェックをはずして、とうめいにして、さあ、ワールドアップロードです!


 けっかは、一発で大成功。

 するり、ぽんっと、まどのなかやそとにたやすく『ぴょん』することができるようになったのでした。

 もちろん、『なんかこわい絵』もでません。


 いいけっかもでたし、ころあいもいいので、きょうはここまで。

 さっきおいた『かりのふみだい』は、あしたどうにかしましょう。

 それとできれば、このタワーさいだいのスペクタクル『ほしぞらをみれるギミック』もじつげんしたいところです。


 チビの思いえがいた、やさしいゆめのツリータワー。

 そのかんせいは、きづけばもうすぐ、そこまできていました。


次回は『間奏~日向、つるつるをもさもさにもどすためのふんとう』

12/11投稿予定です!

あまり役に立たない自信がある、初心者あるあるを性懲りもなくお送りいたします。

おひまでしたら、のぞいてやってくださいませ♪

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