31日目:チビ猫、小ジャンプエリアを設定する
さいしょは、『そこにきたときだけ、ジャンプ力があがるばしょ』名づけて『ぴょんスポット』を、タワーとそのまわりにつけるつもりでした。
けれど、それだとねこのように、ぴょんぴょん自由にタワーを楽しむことができなくなっちゃう。
そうかんがえるようになったチビは、『ワールドにはいったひとはみんな、ジャンプりょくが大きくなるように』しました。
けれどそうするとこんど、ぎゃくのこまりごとが出てきました。
ブランコのそばのまどから、ぴょんと出入りすることがむずかしくなってしまったのです。
いえ、できないことはないのですけど、ハコのおへやのデッキのうらに、あたまをぶつけちゃってるかんじがします。
だからぎゃくに、そのまわりだけ、ジャンプ力が小さくなるようにしたらどうだろう、とばけねこさんがおもいつき……
チビも「できるはず!」と、のりきになりました。
さっそく、その晩ヒロさんにそうだん。
『それ、いいとおもうよ!』とGOをもらって、よくじつトライしてみることになりました。
まずは、どこからどこまでを『小ジャンプエリア』にしなくちゃなのか、そこを考えました。
「まず、ふみだいとまどのまわり。
ぴょんってでるとき、立つあたりはかくじつにいれて……
でも、うまいひととかは、いりぐちとかからもうぴょーんって、やっちゃうかな?」
「それもはや、なかにはいったイミなくにゃいかにゃ……おっ。
でき、なく……ない、にゃ……あ゛ー!!」
ゲームモードでためしてみた、ばけねこさんがあ゛ーとさけびだしました。
いったいなにがおきたのでしょうか。
まず、げんかんのドアを開け、まどが見えるあたりまで、いっぽにほ、入っていったばけねこさんは、一気にソファーを飛びこえて、まどからぴょん、とびだします。
そこまでは、よかったのです。
すぐにそのまま、一階のなかにもどってきて、おへやのなかでぴょんぴょん、とびはねていたときに、じけんはおきました。
どうしたはずみか二階のらせん階段あたりにはまって、にっちもさっちもいかなくなってしまったのです。
チビはいそいで、ゲームモードをおわらせます。
「こ、これはヤバいニャ……げきヤバニャ……
も、もういちどやってみていいかニャ?!」
なにかがばけねこさんの『こころのきんせん』にふれたよう。
だいこうふんでぴょんぴょんしていたかとおもうと、こんどはうまいこと、ソファーの背もたれからおおきくジャンプ、そのまま二階のへやに飛び出しました。
「え、ええええ?! なんで? なんで??」
ばけねこさんのみせた『はなれわざ』に、チビのおめめもキラキラです。
「たぶんだけどにゃ。……
二階の床はたしか、ペラペラの平面で、したから見るとスケスケだったよにゃ?
で、あたりはんていとしてついてるのは、メッシュコライダーにゃ。
この場合、『うらがわ』である下からとつげきすると、コライダーがはたらかず、すりぬけられる。
でも、そこでちょっと左右に動いてやると、うまいことひっかかって二階に来れる。
……と、こういうことじゃないかにゃ?
また、一階の天井にもコライダーがついてないから、こうしたことができるというわけなのにゃ。
こいつはおもしろいから、うらわざとしてとっとこうにゃ!」
「そうだね! そうする!
それじゃあ、ソファーまでのみちは、『のーまるじゃんぷえりあ』にしとこうかな……」
「うんにゃ。
いったんソファーのってからはねるんにゃから、ゆかはぜんぶ『小ジャンプエリア』でだいじょぶだにゃ!」
「にゅう、そうなると……
ぎゃくに、まどわくとか、ふみだいのうえなんかは、ちゃんと『小ジャンプエリア』にしとかなきゃだね!」
「だにゃ。
おお、二階のゆかも『小ジャンプエリア』だにゃ。屋上はそのまんまでいいにゃ」
チビがたのみのつなにしているのは、こんかいも公式ページの記事です。
ただし、ひとつだけではなく、ふたつくらいをくみあわせて、やってみます。
そもそも『このツリータワーワールドにはいったときに、どんなおきゃくさまでも全員、ジャンプりょく五倍』のギミックをいれてありますが……
こんなかんじです。
それとはちがうかたちで、『ほんたいの島の大地をふんだら、ジャンプりょくをにんげんなみに』『はなれたら、五倍』のしくみをまず、つけてみました。
まずプレイヤー用の設定を、からのゲームオブジェクトに。
島側はこう設定しました。(※これだとできません!)
けれどゲームモードをONにして、ためしてみると……
「………………なんかおかしくないかにゃ……」
「うん…………」
たしかに、ジャンプ力は「しょきじょうたい」になったかんじ。
けれど、なんとなく、なにかがへんです。
ぶらんこのまどからそとにでてみようとしたときに、それははっきりとしました。
まどが、みょうに高いのです。
もちろん、ジャンプしてみても、ぜんぜんとどきません!
「あれ、あれれ?」
「ぬーん。おかしいにゃ……」
ゲームモードがONになっているあいだの変更は、OFFになるとさっぱりときえてなくなります。
つまり、いくらでもいろんなことをためして、正解をさぐることができるのです。
さっそくふたりはこうたいで、ああでもないこうでもないといじってみては、ぴょんぴょん、ぴょんぴょん。
ちょっとくたびれかけたそのときやっと、どうしてなのかがわかりました。
ユニティでは、オブジェクトに『当たり判定』をつけたら、さらにそこに、べんりな『お役立ちきのう』をつけたせるようになっています。
だれかがこの『当たり判定』にあたったら、『だれかきたよー!』とこっそり合図を出してくれるよう、おねがいできるのです。
(この合図をうけとったなかまたちが、『よっしゃー!』ときめられた動きをしてくれるから、いろんなイベントがおこせるのですが、それはいちど、おいておきましょう)
でも、このおねがいをしてしまうと……
これまでみたく、だれかやなにかをガシッとうけとめてもらうことは、できなくなってしまう。
そのように、決まっているので、そこは、しかたないのです。
「どうしよう……『ジャンプりょくかえて!』のおねがいは、だしてほしいし……」
「かといって、島に立てなきゃ『ほんまつてんとう』だにゃあ……」
あちらをたてれば、こちらがたたず、とはこのことでしょうか。
ねこたちは、うーんとうなってしまいます。
さきにわりきったのは、ばけねこさんです。
「よし! こーいうときは検索にゃ!
たとえすぐにゃーみつからなくても、しらべりゃだいたい出てくるものにゃ!」
「はいっ!」
そうして、チビはパソコンで。ばけねこさんはスマホでけんさくすることしばし。
今回みつけたのは、チビでした。
「すごい! すごいよばけねこさん! これ!」
「にゃ、……にゃんですとっ?!」
そのページに記されていたほうほうは、びっくりするようなもの。
つまり『合図をだしてもらうお願い』つきの、当たり判定と……
そこに立つための、つまりお願いぬきの、ふつうの当たり判定。
ふたつを、おなじひとつの、オブジェクトにつけてしまうというものでした。
ばけねこさんはびっくりぎょうてん、うしろにぱたんとひっくりかえってしまいます。
「ねっ、すごいでしょっ?」
「おうにゃ! すっげえにゃ! もはや天才の所業としか言いようがないにゃ!!
さっそくやってみるにゃ!!」
「うん!!」
ばけねこさんがとびおきると、チビはさっそく島ほんたいにメッシュコライダーをもういっこ、つけたします。
けれど、なぜか、うまくいきません。
「どうしてだろう……」
「うーむ。
サイトの写真だと、ボックスコライダーをつかっているにゃ?
トリガーってこた、ただの『判定エリア』だからごつんとぶちあたったりしないんだし、いっそそっちは、ボックスコライダーつかっちまったらどうにゃ?」
「うーん……やってみる!」
するとこんどは、島のうえに立つことも、そのときにだけ、ジャンプ力をもとにもどすことも、みごとにうまくいくようになりました。
どうせならということで、ふみだいやまどわく、ソファーのこしかけやひじかけなんかも、そのエリアにいれてしまいます。
ゲームモードでぴょんぴょんしてみたら、いいかんじ!
さっそくおなじしくみを、のこりのばしょにもつけていきます。
まずは、二階の床にボックスコライダーをつけます。
そうしたらいちど、ほんたいのしまにもどって、コンポーネントの右上の『…』をおして、『コンポーネントをコピー』。
二階の床のてきとうなコンポーネントの『…』をおして、『新規のコンポーネントとしてペースト』で、『はいるとジャンプ力ひとなみ』『出るとジャンプ力五倍』をコピペします。
コライダーは正常にコピペできないようです……。
つぎに、はじまりの飛び石あたりにも、これをつけます。
というのも、飛び石だわーい! とぴょんすると、ジャンプが大きすぎてやりづらいのです。
ここはとりあえず、こんなかんじで大丈夫でしょう。
つくりこむなら、ハコのおへやの下あたりにもエリア設定したいところですし、ぎゃくに、いくつかの枝の上には立ってみたいものです。
ただ、まだこのタワーが「ひととおり、できた」といえるには、やらなきゃならないことが、いくつかあります。
ですのでそのあたりは、そのあと。できたら、つくりこむところにしましょう。
そんなわけで、きょうのさぎょうは、ここまでです。
ばけねこさんがはりきってレポートをまとめるおとをききながら、いつしかチビは、とろとろ夢の中へとおりていくのでした。
次回は『間奏~日向、Mesh colliderによる当たり検出をあきらめる→むしろラクになった件』
11/9投稿予定です!
どうぞ、お楽しみに!