三日目:チビ猫、建物クラフトを練習してみる
次の日、チビはいそいそと『チビのしま』にやってきました。
さっそく、れんしゅうスタートです。
つくってみるのは、自分のおうち、自分のおへや。
とはいえ、こねこのチビのおうちを、そのまま作ることはむずかしいです。
なぜって、こねこ用のベッドもごはんのお皿も、魔法のバッグのなかにはないようですから。
だからチビはがんばって人間のおうちを、それもとびきりすてきなものを、つくってみることにしました。
この島でのチビは、すごうでの魔法使いです。
ふしぎな魔法のバッグから、いろんな家具をとりだしては、ぽちぽちぺたぺたと、おいてゆくことができるのです。
人間の姿でもぜったいにもちあげられないようなおっきなかべでも、くるりっとまわしたり、ずらしたり。
さらには『コピペ』や、ぱっと消してしまうことさえできるのです!
すごいすごい! チビはもう『だいこうふん』。
にゃふにゃふ、ぴょんぴょんと、あっちにこっちにかけまわります。
玄関、ものおき。階段。水回り。
とびらやまど、かべ、家具をどんどん、おいていきます。
いえの外には、小さな草木もうえてみました。
おきたいものをえらんで、視点をあわせて、ぽちっ。
コピーしてとなりに、ぽちっ。
あっ、へんなむきにおいちゃった。いったんけしてやりなおし。
たまにはくるっと向きをかえたり、いろいろためしてみます。
島はそんなに大きくありませんでした。
それもそのはず、ここには『おけるものの数の上限』があるのです。
けれど、チビがつくってみた『すてきなおうち』は、ずいぶんとりっぱな大きいもので、つくっていくうち、小さな島いっぱいのはばになってしまいました。
そうっとしたをのぞきこめば、どこまでもつづく無限の青。
もしもおっこちてしまったなら、きっとひとたまりもないことでしょう。
用心しいしい、おうちのかべを作っていたチビですが……しまった!
なんとつるりと足をすべらせて、島のはじっこからおちてしまったのです!
けれどそのとき、やさしいふしぎが起こりました。
なぞの光に包まれたチビは、いっしゅんでおうちの玄関先にもどってきていたのです。
ああ、たすかった!
ほーっと大きく息をついたチビは、ちょっと島を広げてみることにしました。
白い石だたみの地面を、ぺたぺた『コピペ』していきます。
いっこずつ、しんちょうに、あわてずに。
島のぐるりをちょっぴり広げると、やりとげた感につつまれます。
けれど同時に、またしてもおなかがへってきました。
ふりかえっておうちをみると、まだまだ『みちなかば』。
でも、ちゃんとおうちだとわかります。
これならきっと、だいじょうぶ。
あしたまたきて、のこりをつくろう!
チビはまんぞくげにのびをすると、おやつをたべに帰っていったのでした。
ほんとに空がきれいなんですよね……癒されます。
次回『間奏~日向は苦闘のすえにみつけた方法を書き記す<Clusterワールドクラフト編>』。
この回はマジに初心者お役立ち回と自負できます!
どうぞ、お楽しみに!