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26日目+α:ふるい『知り合い』、新しい仲間/日向、ついにネタばらしをする

やっぱり今朝になってしまいましたorz

取り急ぎ投稿いたします!

「あの、えっと……チビ?

 それに、ミーさん?」


 ごしゅじんは、ききおぼえのある名前をくちにします。

 ばけねこさんは、とっさにとぼけます。


「ひとちがいですにゃっ!」

「……………………えっと、ミーコさん。だよね?」

「オーマイニャー…………」


 ばけねこさんは観念したようすで、おかおをおおいました。



 チビがばけねこさんとふたり、こっそりとしまづくりをしていた、まさにそのとき。

 なんと、チビのごしゅじんが、かえってきました!


 ふだんなら、耳のいいねこたちのこと。

 ごしゅじんの足音が近づいてきた時点で、気づくことができたでしょう。

 でも、今日はふたりとも、全力むちゅうのいっしょうけんめいでした。


 そんなわけで、現場をおさえられたねこたちは、ごしゅじんのまえで神妙におすわりしています。

 もっとも、この場でいちばん神妙なのは、ごしゅじんでしょう。

 いままでチビがみたこともないほどまじめな顔で、『せいざ』をしています。


「えっと、ミー……コさん。

 いままで、どうして……」

「あー………………

 その。まあ……フツーに生きてたにゃ。……

 あ、ああ、近所でダチ公とルームシェアしていたから、しんぱいはないにゃっ?」


 ばけねこさんは、あちこちと視線をさまよわせつつごにょごにょ。

 さいごは、ちょっとはやくちでつけくわえます。

 このふたりには、むかし、なにかあったんだ。

 チビはそう、直感します。


「それなら、……うん。よかった。…………

 えっと。それで、ふたりは、なにやってたの?」


 チビは、ばけねこさんをみます。

 ばけねこさんは、うん、とひとつうなずきます。

 そして、チビにかわって、これまでのいきさつをかいつまんで、説明したのでした。



 チビが自分と同じように、にんげんのことばのわかる、ねこだったこと。

 ごしゅじんのパソコンをつかって、ウェブ小説をよんで、そこにでてくるおんなのこを、すきになったこと。


 いつか世界をこえて、その子にとどくかもしれないと……

『いちるのきぼう』をこめて、VRの世界で、おくりものをつくることにしたこと。


 彼女と、彼女の仲間たちが。

 いずれは、おなじように『いばしょ』をもとめるみんなが、わらってすごせる場所をつくりたくて。

 ひともあそべる、キャットタワー――みずとみどりの、ツリータワーを。

 こころやすらぐ、いこいのばしょを、つくることにしたことを。



 ごしゅじんは、やさしくなみだもろいひとです。

 ばけねこさんの話がおわらないうちから、もうぽろぽろ、ぽろぽろとなみだをこぼしはじめます。


「そういう……ことなら、……言って、くれれば、よかったのに……!!」

「いや言えるかニャ。」


 ばけねこさんは半目でツッコみます。

 でも、そうすると『ごしゅじん』は、笑顔になりました。

 チビがちょっととまどってると、こういってなでなで、フォローしてくれます。


「ごめんねチビ。泣いちゃって。

 でもだいじょうぶ、かなしいんじゃないから。

 チビがいいこだなーって……

 ミーさんがやさしいなーって、かんどうしちゃっただけだから!」


 チビがおもわず『ミー!』と鳴き声をあげると、ごしゅじんはチビをてのひらにのせて、すてきなえがおで、こういってくれました。


「チビのおくりものづくり、ぜひとも、協力させて。

 ことしのクリスマス。きっとすてきなワールド、公開しよう!」


 なんて、うれしいことでしょう!

 だいすきなごしゅじんが、だいすきなあのこへの、おくりものづくりをおうえんしてくれるなんて!

 チビはもう、うれしくて、うれしくて、またしても『はねるけだま』になってしまいます。

 そのいっぽうで、ばけねこさんはにやーりとわらって、こういいます。


「そうだにゃー。ヒロさんはげーむへたっぴだから、『だれでもあそべるタワー』をつくるにゃ~ちょーどいいテストプレイヤーになるにゃー!」

「えええっ?! いやまあ、否定はしないけど~……」


『ごしゅじん』はトホホがおになりつつも、そのじつすごくうれしそう。

 そんなごしゅじんにばけねこさんは、てきぱきと『指令』をとばします。


「まあ、いいにゃ。

 ヒロさんがしごとにいってるあいだ、ワガハイがチビとふたりでさぎょうをしておくにゃ。

 で、チェックしてほしいとこをまとめてかいとくから、ヒロさんはテストプレーしてそのけっかをレスっといてくれにゃ!」

「わ、わかった!

 ………………」


 いい返事をかえした『ごしゅじん』ですが、そのあと、きゅうに『キョドり』はじめます。

 ばけねこさんもじゃっかんキョドりつつ、ちょっとちいさめの声でこう告げます。


「……チビはたぶんそのフォルダはみてないにゃ」

「あえっと、うん。そ、そうだね。……」


 なんだかびみょーなふんいきでやりとりしたふたり。

 これは、……もしかして?

 なんてチビがちょっぴりドキドキしていると、『ごしゅじん』はうれしいことをいってくれました。


「あのさ。

 せっかくだし、チビのためのユーザーフォルダ、つくろうか?

 ほら、このフォルダ、いろいろ昔のものもはいってるから、ごっちゃになっちゃうかもだし」

「え、いいの (かニャ)?!」


 ねこたちは声をあわせます。

 チビは、じぶんを『いちにんまえ』とみとめてくれての、そのはからいに感動して。

 ばけねこさんは、そのさきにかくされた、『ごしゅじん』のふとっぱらサプライズにおどろいて。


「もちろん!

 ただし、チビはまだこねこなんだから、あんまりむりしないこと。

 だいじょぶ、これだけきれいなタワーなら、この時点でもう、りっぱにプレゼントになるはずだからさ!

 ミーさん、そこのところはよろしくね?」

「おう、まかせておくにゃっ!」


 かくしてここに、こねこのチビと、ばけねこさんこと『ミーコさん』……

 そして『ごしゅじん』こと『ヒロさん』の、ツリータワー制作チームがけっせいされたのでした!



~日向によるネタばらしコーナー!~


 以前の写真で出していたユーザーフォルダ名『HIROMI』。

 その由来は、ごしゅじん (『ヒロ』さん)とばけねこさん (『ミー』ことミーコさん)の名前をくっつけたものでした!

 ふたりの過去については、おいおいあきらかにしていきます。

 そのへんについても、どうかお楽しみに!!


びみょーな雰囲気のばけねこさんとごしゅじんです。


次回、新章突入。

10/19投稿『インターミッション:チビ猫と、はじめてのテストプレイ・レポート』を、どうぞお楽しみに!


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