23日目:チビ猫、奥の手を授かる
きのうは、ごしゅじんが思いもかけず、はやくかえってきました。
チビとしては、それはそれでうれしいことです。
やさしいごしゅじんに、おいしいごはんをもらい、おみやげのおもちゃであそんでもらうと、チビはしあわせいっぱい。
いつのまにかこてんとねむってしまい、めがさめたらもう、朝ごはんのじかんでした。
ごはんをたべて、みづくろいをして。
いっしょにみじたくをしていたごしゅじんが『いってくるね』とでてゆくのを『いってらっしゃい』と見送って……
しばらくするとばけねこさんが、ねこ用ドアをくぐってやってきます。
「いらっしゃい!
あのねあのね、きのうあたらしいおもちゃもらったの。
ばけねこさんも、あそぶ?」
チビはてまわしよくも、そのおもちゃとともに、ばけねこさんをむかえます。
こんなの、あそばないわけにいきません!
ふたりはしばらく、きらきらモールのついたおもちゃで、むちゅうになってあそびました。
「……ハッ?!
いかんいかん、ばけねこさんとしたことがすっかりむちゅうになってしまったにゃ。
チビ、そろそろはじめようかにゃ」
さきにわれにかえったのは、ばけねこさんです。
チビはちょっとなごりおしい気もしていましたが、またあとであそべばいいやと気持ちをきりかえ、おもちゃをしまいます。
つくえのうえにあがったら、ぽちっとPCのでんげんを入れて、さあ、お直しのつづきです!
本日まず着手するのは、『ハコのおへや』のななめうえにかおをだす、小さなデッキ。
屋上への『ぴょん』用デッキです。
といってもここは、ベベルをかけてまるくしただけ。
それだけでいがいと、イメージどおり。
チビはひとつ、うん、とうなずきます。
つぎにチビがいどんだのは、三階の月がたデッキまわりです。
ユニティでみてみてハッキリしたのですが、『もとデッキ』のいくつかのぶぶんが、うらがえし(このばあい、下をオモテにしたい)になってしまっていました。
まずは、そこをなおします。
『面の向き』を表示させると、こっちに対しておもてむきのところは青く、うらがえしのところは赤く光ります。
月がたデッキの支持部は、したからしか見えないつくりにするので……
チビは一枚だけある青い板を選択して、メッシュ>ノーマル>反転とメニューをすすめます。
すると青かった板は、ほかの面とおんなじ、赤いいろに変わりました。
ここまでの作業で、チビもだいぶ、ブレンダーになれてきていました。
おかげでまえには目にはいらなかったところも、見えるようになっています。
そのためチビは、三階月がたデッキをもうすこし、手直ししてみたくなりました。
月がたデッキの高さを数値でしっかりあわせると、三日月のようなかたちを『スケール』ですこーしぎゅっとしてなおし……
タワー本体とのつなぎめがしぜんになるよう、ちょっぴり回転をかけると、なっとくのできに。
これにあわせて、もとデッキ=月がたデッキの支持部のかたちもつくりなおします。
いちど本体から『分割』し、『支え』の部分としてくっつけなおします。
月がたデッキのカーブにあうように、ていねいにかたちをなおして……
視点を真下からにかえて、LoopToolsのフラット化>ビューをつかってまっ平らにしたら、月がたデッキよりもちょっと下において、ひとまずこれでよし。
あとは、厚みつけのあとにしましょう。
それからチビは、まどとドアをひとつずつ、つくりなおしていきました。
これらの大きさがかなりちがった原因は、『まどのうえにアーチをつけたとき、そのたかさはドア全体のたかさにふくまれる』とかんちがいしていたためとわかりました。
これも『せっけいず』をつくって、タワーにかさねてみなければきっと、わからなかったこと。
チビはばけねこさんの教えに、こころのなかで、かんしゃします。
かべごとはがしては、かべをつくりなおして、まどやドアをつけなおします。
まどとドアのただしい寸法を、BuildingToolsにもういちど、おぼえなおしてもらって(『プリセットついか』で、おんなじ名前を入れてうわがきすれば、OKです)……
さいごに、かべといっしょにはがれてしまった天井やゆかをはりなおして、ひとまず手直しはおしまい。
ここからは、きのうのウォークスルーより、いっぽまえへの前進です。
ドアやまどをくりぬき、かべにもあつみをつけて、よりタワーのつくりを本格的なものに、ちかづけていくのです!
「よっしゃ、チビよ……」
「うん!『ばっくあっぷはだいじ』だよね!」
「おうにゃ。
いちどあなあけたり壁あつくしちまうと、お直しがめんどいからにゃー。
ここでバックアップしとくのが得策なのにゃ。
チビはちゃんとわかってるみたいで、えらいのにゃ!」
かしこい後輩に、ばけねこさんはニコニコ。
いいこいいこと、あたまをなでてあげます。
チビもえへへとてれながら、一度保存してブレンダーを閉じ、「ツリータワー.blend」ファイルをコピペし、バックアップをつくります。
ふたたびファイルをひらいたチビは、まどとドアのぶぶんの面をさくじょして、タワーにあなをあけます。
それから、かべにあつみをつけました。
『面を押し出し』であつくしてしまうと、いざってときになおしにくいですし、そもそも、むずかしいです。
そのため、モディファイア『ソリッド化』で、ハコのおへややあちこちのデッキ、らせんかいだんやタワー本体に、あつみをつけていきました。
そこまでおわったら、ファイルを保存して閉じ、ユニティをきどう。
そして、まえにいれた『ツリータワー』をおしみつつ削除したら、まえとおなじ要領でインポート。
タワーをしまに設置して、あたり判定をつけ、ゲームモードをONにして、さあ、再びのとつにゅうです!
そのけっかは、はんぶんうれしく、はんぶんしょんぼりするものでした。
まず、これまで入れなかった一階や、ハコのおへやにはいることができました。
左上……一階右の窓 右上……ハコのおへやの大窓からの眺望
下……なんとかハンモックにのってみたところの眺め
ハコのおへやの入口。右上は外から、左下は中から。
しかし、二階正面窓から、なかにはいることはできなかったのです。
二階正面バルコニーにたつと、二階のまどのあたまは、視界に入らないくらい、したになってしまいます。
これは、大もんだいです。
というのも、チビは多少からだの大きい子でもツリータワーを楽しめるよう、でいりぐちはおおきめに作ったつもりだったのです。
ここでチビはふと、考えこんでしまいます。
このまどを、げんかんのようにおおきくすれば、からだの大きい子もはいれるようになるけど……
それよりもっと、大きい子があそびにきたら?
そのフロアよりも大きい子は、ざんねんだけど、さすがにおそとで遊んでもらうことに、せざるをえません。
でもフロアよりちいさくて、ドアよりおおきい子は、どうしてあげたらいいんだろう?
うーんうーんとなやんでいると、ばけねこさんが助け舟を出してくれました。
「にゃあ、チビよ。
ここについてだけいえば、まど用のデッキと階段第三部分が、せっけいずよりもうえになってるようだにゃ。
そこをなおして、まどを玄関なみにデカくすれば、一階とかにはいれる客人は二階にもはいれるようになるはずだにゃ。
でも、チビが『ほんとに』なやんでるのは、そこじゃないんだにゃ?」
「……うん。
もっともっとおおきいこがきたら、はいれないなって……そしたら、がっかりしないかなって……」
しょんぼりとおみみをたらしてこたえるチビを、ばけねこさんはやさしくなでてあげました。
そうして、びっくりするような『ひさく』をさずけてくれたのです!
「チビはほんとうにやさしいこだにゃ。
そうだにゃ……。
ばけねこさんが前におじゃました『おうち系』ワールドは、ドアや窓のあるとこには当たり判定をつけず、すりぬけられるようにしてあったにゃ」
「!!!」
チビはぽんっととびあがりました。
窓枠の処理が雑ですね^^;
この状態だと21日目の『……self-intersecting and has been discarded.』のエラーがでますが、とりあえずゲームモードでウォークスルーはできます。
もちろんこの後直しましたorz
次回10/5投稿分は『間奏~日向、『かべごとぶっぱがす』を説明する。』
どうぞ、お楽しみに!