八日目:チビ猫、計画を練る
突如すい星のごとくあらわれた『近所のばけねこ先輩』!
その助けをかりてチビは、これまでのことをまとめ、ここからの計画をハッキリとしたものにします。
とはいえ、どちらもくわしいことまではわかりません。
それでも、力を合わせてざっくりとした計画をつくってみるのです。
ばけねこさんは『いちにち時間をくれにゃ』と言ってかえっていきました。
そして翌日。ちょっとへろへろしながらも、ふたたびチビのうちにやってました。
タブレットから『マインクラフト』を起動して、みせてくれたツリータワーに、チビは感動しきりです。
いちばんむずかしくって、一番苦労して、いちばんこった『正面大階段』も、ちゃんと曲線を描いて流れています。
チビがかきこめなかった屋上『こずえの間』や、螺旋階段の大窓、さらには、ほかのおへやのインテリアまで、つくってくれています。
もちろん、かくしとびらを抜けていく『ないしょのうらにわ』、ハンモックのしまはしっかり、他から見えないようにカバーしてあるのです。
中にはいってみると、意外と小さいかんじがしないでもないですが、そこはまあ、いいとします。
ここでいちばんたいせつなのは、『ちゃんとなかにはいれるか、うごきまわれるか』そして『チビがなっとくできるか』です。
チビはふたつともにまんぞくまんぞくでしたので、まずはこのかたちでやってみることになりました。
中祝いをかねて、ふたりはいっしょにおやつをいただきました。
そうして、『これまで』と『ここから』のみちのりを、いちど整理してみることにしました。
第一段階は、VRデビュー。
第二段階は、ツリータワーのかたちをきめます。
第三段階は、試作。まさかの先輩がマイクラでじゃじゃっとやってくれました。
ここまでが、いままでなしとげたこと。
ここからが、『今後の計画』です。
「チビは、『ゆにてぃー』とか『ぶれんだー』はくわしいのかにゃ?」
ばけねこさんがいいますが、もちろんチビはふるふるとくびをふります。
「うーん……
実はワガハイもあまり知らないのにゃ。
だからとりあえず、クリスマスまでの四か月を四つに割って、一か月くらいに一段階ずつ、すすめるかんじで……こういうのはどうにゃ?」
第四段階(10月半ばまで)ゆにてぃーでざっくりタワーをつくってみる
第五段階(11月半ばまで)こまかくつくりこみたいとこを、ぶれんだーでつくってもってくる
第六段階(12月半ばまで)さいしゅうちょうせい
第七段階(12/25)おひろめ
「まあ、ぎゃくにこのスケジュールでできる『くおりてぃー』のものをつくるってことでにゃ。
あんまりのんびりしていると、おとなのねこどころか、老ねこになっちゃうからにゃ……」
そういうばけねこさんの目が、なぜかちょっぴりとおいです。
チビはちいさなおててで、ばけねこさんのせなかをやさしくポフポフしてあげました。
ともあれこうして段取りをつけてしまえば、こころもいっそう弾みます。
クリスマスまで、四か月。
何もかもはじめてづくしではありますが、それでも一か月にひとつは進めていこう。
そう、チビは決意をあらたにするのでした。
次回、『間奏~日向、記憶が飛んでいるが記録が残っているので良しとする』。
驚きと喜びとここからの展望です。
ひきつづき、どうぞよろしくお付き合いください^^