七日目:チビ猫、近所の化け猫さんを頼る
チビはかきあがった絵をほれぼれながめて、思いえがいた空想をなぞってみます。
ここからぴょんってのぼって、ここは天井のあなをくぐってぴょん。
うちがわの階段をのぼったさきに、三階のおへやがあって。
屋上には、どういこうかな。ひみつのハンモックのしまは、ちゃんとかくしておかなくっちゃ。ということは、ブランコはちょっと、ななめにしたほうがいいのかな?
こくびをかしげて、絵をよこっちょからながめてみますけど、もちろん横からのけしきはみれません。
うーん、うーん。
これはちゃんと、よこからの図もつくらなくっちゃ!
もちろんよこからみるなら、うしろからもみれなくちゃだし、まうえからみおろしてみた絵も、あちこちがずれちゃわないためには必要です。
チビは、きんじょに住んでるばけねこさんが、『ぶっつけほんばん』でゲームのたてものをつくって、しっぱいしちゃったとこをちゃんと覚えています。
そのあと、「チビ、『せっけいず』はだいじだにゃ……」としみじみいっていたことも。
すなおなチビは、先人(猫?)の『きょうくん』をむげにすることなく、つぎなるお絵かきにとりかかりました。
といっても、ここからのお絵かきはちょっとこれまでとちがいます。
いまかいた絵を、エクセルというソフトでつくった『方眼紙』のうえに、うつしていくのです。
これなら、なんとなくでずれちゃったりとかしないですみます。
チビは、ちいさなおててで根気強く、ぽちぽち、ぽちぽち。
くろうのかいあって、なかなかにりっぱな図ができました。
これで、だいじょうぶかな?
チビはしんちょうなこねこです。なんどもなんども、ためつすがめつしてみますが、いまいち、『これだ!』という確信がもてません。
すると、なんというタイミングでしょう。
さっきおもいうかべたばかりの、ばけねこさんがやってきました。
ばけねこさんはチビのようすを見て、ふしぎそうにくびをかしげます。
「どうしたのにゃチビ? なんかなやみごとでもあるのにゃ?」
チビはいちぶしじゅうをはなします。
うんうんとうなずいたばけねこさんは、こんなことをいってきました。
「それじゃあ、試しにつくってあげよかにゃ?
まあ、マイクラでざっくりしたとこ、だけにゃけど……
ななめや、内側からとかも見てみれたら、チビも自信が持てるんじゃないかにゃ?」
「いいの?! おねがいしますっ!!」
なんたって、あこがれの女の子へのプレゼント、ちょっとでもすてきにしたいのです。
チビはすぐさま、ぺこりとあたまを下げるのでした。
絵をよこから見ようとしてみるあるある。
次回、ひな『にゃああああ!!』?!
作者・日向の身に一体なにがおきた?! お楽しみに!!