リリィのパワーアップ計画〜魔獣の理想〜
レベリング中。
「あ、あんなところにウィングウルフ。リリィ、倒しちゃって!」
私たちはパーティを組んで、ウィングウルフ狩りをしていた。
「いきなり!?私魔獣使だし武器ないから無理だよ!?」
リリィがそんなことを言い出す。
「だいじょーぶだいじょーぶ。私なんて初戦闘がウィングウルフのボスだったから。それも武器なしで。」
「……まじ?」
「まじまじ。ほら、脳天にガツンといっちゃって!」
「う〜。もうやってやらい!えーい!」
どーん!キラキラキラ……
リリィが叩いたウィングウルフがぶっ飛ばされ、光となって消える。
「あ、レベルが上がった!やったー!」
「おー、おめでとう。なかなか良かったんじゃない?」
私の初戦闘はボスだったけどね!
「お、あんな所にもウィングウルフ!リリィ、ゴー!」
「もー!えい!」
「あっちにも!」
「こっちにも!」
「うわああぁぁー!」
こうしてリリィはレベル10になり、大幅にパワーアップさせることができたのだった。
ちなみに私の今のレベルは15。たまに倒してたからね。
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「じゃあ次だよ次!魔獣を捕まえに行こう!」
「はいはい。」
強制ウィングウルフ討伐で疲れて不貞腐れたリリィがそんなことを言い出した。
魔獣の話になるとテンション高いんだから。
「リリィはどんな魔獣がいいの?」
「うーんとね。やっぱもふもふ?猫ちゃんとか。」
やっぱみんなそうだよね.
「でもみんなそうでしょ。まずはやっぱ戦闘力重視じゃないと。」
「いやいや、可愛さあっての戦闘力でしょ。私は強いだけのごつい魔獣はごめんですよ〜。」
そりゃあね。
「うーん。可愛くて、強くて、もふもふで、闇系の魔獣…まだ見つかってないかなぁ。」
「えー!!」
「まぁ、まだ見つかってないだけでいないと決まったわけではないから…。」
まぁ見つかる可能性は低いと思うなあ。
「敵認定されている私たちは行動範囲が狭まるから、探すんだったらかなりきついことになると思うよ。隠しダンジョンとか、隠しステージがないとそういう魔獣は出てこないとおもうなぁ。」
「……ふーん。ねぇお姉ちゃん。隠しダンジョンってどんなやつ?」
「んーとね、特殊条件を満たさないと出現しないやつとか、よくよく探せば入り口とかが見つかるやつ。全部の共通点としては、ダンジョンマークって言う魔物と剣が交差しているマークが扉に刻まれてるかな。」
「それって、こういうやつ?」
「そうそう、それそれ…って、え!?」
リリィの指差す方を見てみると、草がかかってばっかだった壁に、ダンジョンマークが出現していた。