はじめてのPK〜○◯◯◯襲来〜
洞窟でBOSSを倒してから3日後の夜。
私は街の近くの初心者フィールドで【隠密】を使って隠れていた。
何故かって?
プレイヤーを倒すためさ!
そう。これから私はプレイヤー・キラー、つまりPKをしようと初心者を待ち伏せしていたのだ。
いや、もうね、敵対種族の吸血鬼に、PK職業の暗殺者、選んじゃったからには極めようかな、と。開き直っちゃったわけですよ。
もうこれからはプレイヤー側とは完全敵対ですわ。
お、そうこうしているうちに1人目の獲物が来ましたよ。
何気にこのゲームでプレイヤー見るの初めてかもしれない。ちょっと感動。
よし。まずは【赤の魔眼】で相手の強さを見てみよう。
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ステータス
タロウスケ LV10
種族 獣人:犬
職業 剣士
HP 60/60
MP 20/20
STR 45
VIT 40
AGI 35
DEX 20
INT 40
職業スキル
【剣技LV3】
【剣術LV3】
【スラッシュ】
種族スキル
【威嚇】
【咆哮】
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ふむふむ。レベルは私よりも高いけど、ステータスは私の方が高いね!
では、タロウスケくんよ、私のキラーソードの餌食となってくれ!
5メートルまで接近してきているタロウスケくんに向かって全力で走り出す。
ふふふ、夜の全力を出した私のAGTは、100を超えるのです!
あ、気づかれそう。早くしないと。
よし、せーのっ!
ザシュ!
タロウスケくんの首を一瞬ではねる。
「やったか!?」
フラグを立ててみる。ふむ、効果はなさそうだ。
あ、レベルアップした。ここら辺にいるウィング・ウルフを狩り尽くしても3しか上がらなかったのに、いきなりあがったよ。プレイヤーは経験値が高いのかな?
私は洞窟を出てからの3日間、ここら辺にいる中級モンスター、ウィング・ウルフを狩りまくっていたのだ。夜に。
ウィング・ウルフって、私が戦ったあのボスモンスターのノーマルなやつだよね。中級モンスターのボスだったんだ……。
まあ、何はともあれレベルが10になったよ!やったね!
今回、初のPKだったけど、結構簡単だった。なにせ、町から出てきて警戒してない時に不意打ちで一発だもんね。
さーて、今日はここまでにするか。
ログアウト、と……。
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一瞬意識が途切れて、目を開けると現実に戻っていた。
「うーん、楽しかった!」
さて、お風呂にでも入るか!
ドドドドド……
ん?なんだ?
ガチャ!
「お姉ちゃんずるい!私もやりたかったのに!」
あー…。面倒なのがきた。
「な、なんのこと?ずるいって…。」
「誤魔化しても無駄なんだからね!お父さんから全部聞いたし!そこにゴーグルあるし!」
はぁ。なんで言っちゃうかな。お父さん。
「そう怒らないでよ、悠莉」
「無理!ずっとやりたかったのに、私が修学旅行に行ってる間にお姉ちゃんだけ抜け駆けはひどいよー!」
「あーわかったわかった!私もお父さんに交渉してあげるから!」
そう、目の前で怒っている妹、悠莉にいった。