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ヨヅキ、運営に発見される〜弱体化の危機?〜

ここは大人気VRMMO、questWorldonlineのゲームのシステムを管理する場所。今ここでは現在開催中のイベントを監視していた。


「このエリアも異常なしか。この分だとゲーム終了まで何事もなさそうだな。」

「おい、それフラグだぞ。」

「ハハ、そうだな。」


部屋に笑い声が響く。そんな軽口が叩けるほど、イベントは順調だった。


あるプレイヤーを発見するまでは。


「お、プレイヤーがゴーストナイトと遭遇したぞ。これで6人目だな。」

「そろそろダメージを与えることができるプレイヤーも出てくるか?」

因みに今まで遭遇したプレイヤーは全員10秒以内にゲームオーバーとなった。


「さーて。今回こそ30秒耐えてくれよ。見てて面白くないからな。」


運営は意外と性格が悪い様だ。

そして逃げようとするプレイヤーを見て、

「ハハ、逃げようとしても無駄さ。ゴーストナイトと扉のある空間で遭遇した場合、自動的に扉にロックがかかる仕様になっているからな。」などと言う。


ファンタジー小説に出てくる小物の犯罪者みたいなことを言っているが、れっきとした運営の言葉だ。


「このプレイヤーのステータスは?」

「ちょっと待て……は?」


そのプレイヤーのステータスを見ようとした職員の動きが止まる。


「?どうした?そんなにヤバいステータスだったのか?」

「や、ヤバいなんてもんじゃない。なんだこれ、バグか?」

ステータスを見た職員は信じられない様なものを見た様な表情をしている。


「どうしたんだよ……は?」


そのステータス画面を覗き込んだ別の職員も全く同じ反応をしてしまう。


「STRとAGI200超えだと!?」

「いや、MPは500だぞ!?おかしいだろ!」

「てか特殊スキルまで持ってるぞ!?」

ギャアギャアと騒がしい2人を見て周りの職員は何事だとステータス画面を覗く。そしてみんな同じ反応をするのだった。


そして職員達は気づいてしまう。


「お、おい。コイツ、《ステータス低下(大)》状態じゃないか?」


そのプレイヤーのステータスが半減状態なことに。


「「「「………………。」」」」


もう無の領域に辿り着いたのか黙っている。因みにこの頃にはもうゴーストナイトは倒されていた。


そして30秒後、意識を取り戻したみんなはこのプレイヤー…ヨヅキについて調べている。そして、吸血鬼と暗殺者のステータスについて見直さなければならないことを悟った。


「しっかしコイツはなんでこんなバケモンステータスなんだ?」

職員の1人が単純な疑問を口にする。

「あぁ、暗殺者は暗殺の成功率が低いことでボーナスとして暗殺に成功した時の経験値が高くなってるんだよ。そして吸血鬼…だけじゃなく魔物に分類される種族全般は人間に属するプレイヤーを倒した時、経験値が高くなっているからさ。両方とも初期ステータスも高いしね。」


ヨヅキのチートレベルアップの理由はこれであった。


「……なぁ、もしこのプレイヤーが高いステータスや特殊スキルを獲得できることを狙ってこの組み合わせを選んでこんなプレイをしてるんだったら、これで弱体化のさせるのは可哀想じゃないか?」


今の話を聞いて他の職員達もそう考えていた。

しかしヨヅキがやばい力を持ったプレイヤーだと言うことも事実。

「はぁ。わざわざこんな奇抜なプレイをうちのゲームでしなくて良いのに。」


元々このゲームは王道プレイが出来ることを売りにしていた。まぁそれをする人が増えすぎて今困っている訳だが。

それでわざわざヨヅキの様なプレイをこのゲームでする人はいなかったと言う訳だ。まぁヨヅキは運営の偉い人(お父さん)に言われてこの様なプレイをしているのだから仕方がない。


「ま、期待の新人が現れたって考えるようにしよう。それに、最近は王道プレイヤーが多すぎて俺たちだって困ってただろ?めちゃくちゃ設定細かく考えたスキルや武器が全く使われないことだってよくあっただろ?それが少しでも解消出来るな俺は良いと思うがな。」


その場にいた職員達のまとめ役の言葉でみんな「確かに」と言う顔を浮かべている。


こうして、ヨヅキの弱体化は防げたのだった。

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