ゴーストナイト戦〜ヨヅキ、いつのまにかパワーアップしてた〜
イベントモンスターが放出されたらしいけど数少ないからまぁ関係ないっしょとか思ってたら今目の前にいます。なぜに。
とりあいず攻撃を避けながらステータス確認。
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イベントモンスター ゴーストナイト
HP 100/100
MP 60/70
STR 100
VIT 200
AGI 40
DEX 10
INT 30
種族スキル
【呪圧】【剣術LV5】
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……うん。もう突っ込むのはやめよう。
とりあいず、こいつの攻撃を正面から受けたら一発でオワリなことがわかった。生存能力がえげつないことも。何あのVITとHP。
そして【呪圧】って言うスキル。どんなのか調べてみると……
《呪圧・・・敵と認定した相手に、『状態異常・呪い(中)』を5分間与え続けることができる》
めっちゃヤバいすきるじゃん。このスキルのせいでステータス下がってない?
てかこいつ今まで戦ってきたボスよりも強くない?STRもVITHPも高いなんて反則では?
ちょっと運営さん、何考えてこいつ実装したの?今度運営に聞いてみようかな。
……じゃなくて!
こうして考えている今も攻撃を避けている。余計なことを考える暇はない。
避けているばかりじゃダメだ。どうしよう、ここまできてやられたくないな。イベントの成績優秀者には景品があるらしいし、トッププレイヤーへの第一歩だし。
……よし。決めた!
ゴーストナイトは剣を振りかぶり、私を攻撃しようとしてくる。
「はああぁ!」
私は覚悟を決めてゴーストナイトの方へと走る。
そして……!
脇の下を潜って扉の方へと走った。
一言でわかりやすく簡単かつ一番状況を表すことができる言葉を使うならば、こう言うべきだろう。
逃げた☆
「いやいやいや無理!あんなんちょっと相性悪すぎてあり得ないから!」
私の基本戦闘スタイルは、『気づかれずに一撃で倒す』だ。一応、その他にも色んな戦闘スタイルに変更できるけど、基本のステータスが変わらないから相性が悪い相手はあまり変わらない。
あんなVITお化けはいっっっちばん相性が悪いやつ。ゴーストだけに。ここ笑うとこ。
さて、敵が逃げると相手も当然追いかけてくるだろう。でも私の方がAGIが高いから大丈夫!
でも、あれ?なんか走る速度に違和感が……。でももう扉はすぐそこ!いけるでしょ!
と、思っていた時期が私にもありました。
扉へとたどり着き、ドアを開けようとしたら、なんと開かなくなっていたのです。
え?まさかこの部屋に入ったらイベントモンスターが確定で出現して、倒すもしくはやられるまで出れないとか?
結構色んなゲームをプレイしていた私は即座に答えを導き出し、後ろに迫っているゴーストナイトの剣をギリギリで避けた。
え、ちょ、それはな、え、ま、ひど!
(注:只今語彙力がミジンコサイズになっております。ご了承ください。)
ふぅ。落ち着け。冷静に冷静に。よし。
まず、ステータスでコイツに勝っている部分を考えるんだ。
さっきプレイヤー切りまくってたから結構レベル上がってたと思うんだけど…。
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ステータス
ヨヅキ LV30
種族 吸血鬼
職業 暗殺者
HP 190/190
MP 500/500
STR 220
VIT 30
AGI 210(40)
DEX 170
INX 190
(上記全てに《ステータス減少(大)》の効果あり)
(AGIに《状態異常・呪い(中)》の効果あり)
職業スキル
【隠密】
【暗器収納】
【空中機動】
種族スキル
【吸血】
【ナイトフィールド】
【魔力上昇】
ユニークスキル
【赤の魔眼】
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…………?
なんだこの人外超えてもはや神みたいなステータスは。しかもこの状態で本来の2分の1のステータス。いつのまにこんなトッププレイヤーも逃げ出すような激ヤバステータスになってんの?
え、これコイツに余裕で勝てるんじゃね?
と、思ったのも束の間、私はあることに気づいた。
AGI、明らかに減ってない?前よりずっと低くなってるんだけど。さっき足が遅く感じたのはこのせいか。
まぁでも、私の勝率は一気に上昇した。いや別に何か変わったとかじゃないんだけど。私が自分のステータスに気づいただけなんだけど!
でも、私のSTRはあいつのVITを超えているから私の攻撃は確実に相手に効く。さっきまでの負け確のバトルとは違うのだ。
よし、あいつを私の経験値にしてやるのだ!
私はゴーストナイトに向かって走り出した。
ゴーストナイトも私の方へ走り出し、攻撃しようとしてくる。
それを【空中機動】を使って上に飛んで避け、落下の勢いのまま短剣を頭上に振り下ろす。
振り下ろした短剣は300人を超える人数を切ったためSTRがめちゃめちゃ高くなっている特別な短剣だ。普通なら弾かれる鎧も叩き斬ることができるほど。非常に良い!
叩き斬った鎧の隙間からゴーストナイトの本体である人魂のような形をしたものががふよふよと出てきた。
基本ゴースト系の魔物はどんなに大きくどんなに形が違っても体のどこかに本体がある。ゴースト系の魔物の弱点はその体の核とも言える本体を攻撃することだ。そこを攻撃すれば、1発で倒すことができる。
ただ、敵によっては本体が出てきてから暴れて攻撃する奴もいるらしいので、私は念のためゴーストナイトから距離を取り、漏れ出てきた本体に向かって投げナイフを投げる。
するとゴーストナイト(の本体)はなんの抵抗もなく投げナイフに当たり、鎧の部分と一緒に光となって消えていった。
「……あれ?コイツボス級に強いモンスターなんじゃなかったっけ?思ってたのと違うな。」
最初にお知らせを見て、実際のアナウンスを聞いてその強さに身構えていたからか、実際に戦って一瞬で勝ってしまうとなんだか呆気なく感じる。
「まぁいっか。弱いんだったらそれで良いし。経験値もかなり入っただろうし!よーし、イベントが終わるまでにプレイヤーを倒しまくるぞー!」
こうして死ぬかと覚悟していたゴーストナイトとの戦いは私の圧倒的勝利で終わったのだった。
気になるところがあったらじゃんじゃんコメントください!