線引き屋
どこからが友人なのかなと、ふと思う。
どこまでが知人で、どの線を越えたら
友人なのだろう。
友人から親友へ昇格する基準も、よく分からない。
線引きというものは、意外と苦労する。
美しい線引きがあれば、免れていた危機も数多くあったはずだ。
綺麗な線引きをしてくれる人がほしい。
毎回、ここを通る度に気になってはいた。
毎回、入るか入らないかの葛藤があった。
そして今日、入りたいの線を気持ちが飛び越えた。
「いらっしゃいませ、線引き屋です。はい、聞きたい線引き何?」
「あっ、早速始まる感じなんですね」
「そうだよ。あやふやな境界線が世の中には溢れ返っているからね」
意外にさっぱりしていて驚いた。
さっぱりとあっさりの線引きも分からないのに、さっぱりという言葉を使ってしまっていた。
「知人と友人と親友の境界線を教えて欲しいんですけど」
「ああ。2人きりで30分以上話したら、知人が友人になって。一番大事な場面で、お互いに誘う候補に挙がる人が親友になるんじゃないかな」
「あ、ありがとうございました」
線引き屋とは、僅か数分しか話をしていない。
だから、まだ知人止まりか。