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市立天野川中学校のお漏らしさんたち  作者: あゆてる
部活動紹介編
10/25

音暖香の計算ミス

 この物語は女子中学生のお漏らし、トイレ我慢をテーマにした物語です。苦手な方はお控えください。


 今回は部活動紹介編2回目です!まだ部活動紹介はあまり関係ないですが……。今回は音暖香ちゃんのウンチ我慢をテーマになってます。前回腹痛が便意に変わった音暖香はどうなるのか?!

 先ほどから少し時間は流れ、中学生になって五〇分になった授業も残すところ後五分となった。つい一か月前ならこの時点で授業は終了していだが、今はそうではない。

 ただでさえこの五〇分授業に入学したての音暖香は慣れていないのでより一層授業が長く感じられる。

 音暖香は腹痛から急に普通の便意に変わった感覚に一人耐えていた。

(お腹痛いのよりは楽だけど……。これならなんとか授業終わるまで我慢できそう。)

 音暖香の頭の中では授業が終わってからすぐに二日前に学校探検で先生に案内されたあまり誰も使わない保健室前のトイレに駆け込んで、誰にもバレずにうんこを排泄しようと計画されていた。

 この感じで行けば余裕で間に合うであろう計画であった。だが、そこには音暖香が予想していない大きな落とし穴があったのだ。

 授業の残り時間も少なくなり、最後の振り返りを書く時間になった。音暖香はあまり頭に入っていなかった授業内容を頑張って思い出し、振り返りを書いた。

———キーンコーンカーンコーン———

授業終了の合図が鳴り、号令がかかる。

「起立。気をつけ。礼。」

『ありがとうございました。』

 号令が終わり音暖香はトイレに向けて足を動かし始めた。

(トイレまで少し遠いけど、多分大丈夫。)

 そう、音暖香が今から排便しようとしているトイレは、保健室前のトイレだ。普段使っている一年生用トイレではない。

 なぜなら、女子とはいえどうんこをするとなれば、皆が使うトイレでするのは恥ずかしい。

ましてや今の音暖香の便は数日間体内で熟成されたもの。排泄の際にどんな下品な排泄音をトイレに響かせるかわからない上に、その際に音暖香の肛門から発せられる匂いは激臭だ。

皆の使っているトイレで排泄時に下品な音を響かせれば誰かに冷やかされるかもしれないし、からかわれるかもしれない。

 男子の世界では女子は学校でうんこをしても大丈夫だと思われているようだが、実際はそうではなかった。中学生にもなれば冷やかしたり、からかったりすることはないと思うが、皆が使うトイレで排便しないというのは暗黙の了解であった。

 たとえ誰も文句を言わなかったとしても年頃の少女にはただその行為をみんなの使うトイレで行うだけでも耐えがたい恥ずかしさがあるのだ。

 そして音暖香が使おうとしているトイレは保健室前トイレ。一年生の教室があるここが生徒棟の三階。保健室前トイレは管理棟一階である。

 今から音暖香は三階分の階段を降りて、渡り廊下を通り管理棟の一番奥にある保健室前トイレまで行かなければならないのだ。

 二階にも渡り廊下はあるが、数年前から使用禁止になっているため、わざわざ一階まで降りなければならないのだ。

(皆に我慢してるのがバレないように早歩きで急ごう。)

 走って移動するのはトイレの我慢がばれそうだと考え早歩きでトイレを目指す音暖香。

———ブッ!ブブ———

 休み時間で少し騒がしくなっているため、あまり気にせずオナラを出す。そして教室から出ようとした時だった。不意に後ろから誰かに話しかけられた。

「音暖香。どこ行くの?」

 声の主は咲だった。

 長い付き合いで音暖香のことをよく理解してくれている咲と水萌にさえ音暖香は未だにうんこに行きたい時は恥ずかしくて素直にトイレに行きたいと言うことができない。

「え?いや、別に。」

 曖昧な答えを返してしまった。すると水萌も来た。そして水萌が話し出す。

「二人ともなにしてるの?次体育だから早く着替えないと間に合わないよ!」

「え?!そうだったっけ!?」

 音暖香が驚いたように言った。そう、音暖香は計算ミスをしていたのだった。

 次の授業は体育。一〇分休憩の中で着替えて体育館に行かなくてはならない。まだ着替えなれていない制服。そして体育館への移動と、トイレ、それに大きい方に行っている暇はなかったのだ。

 すでに休み時間は二分ほど過ぎ、残りは八分になっている。

 それに体育の授業は今回が初めてで、どんな先生かわからない。もしも怖い先生だったら、授業開始に遅れてしまったらきっと大変なことになってしまう。

「そうだったね。音暖香、着替えよう。」

 咲にそう言われて着替えざるを得ない状況になる。

 音暖香の思いもよらぬ計算ミスでトイレのタイミングを逃してしまった。

 春になって少し経つといえ、まだ肌寒い今日この頃。音暖香は刺繍で名字が縫ってある学校指定の白いジャージ素材の半袖と、こちらも同じくジャージ素材の黒いハーフパンツを着て寒そうに渡り廊下を歩いている。もちろん咲と水面、そして夏実も一緒だ。

 寒さが音暖香の便意を加速させる。

「はじめての体育だねぇ。」

「先生どんな人だろう?」

「怖くなかったらいいね。」

「怖かったら最悪なんだけど~。」

 三人がそんな会話をしている。音暖香は会話に参加したいが、そんな余裕はなかった。

(今まではどんなに頑張ってもおならしか出なかったのに、なんでこういう時にうんこ行きたくなるの~、最悪だよ~)

 音暖香は自分の体のわがままに心の中で文句を言っている。



 体育館に着くとすでに体育科の先生がいた。この先生は人をめちゃくちゃに褒めちぎることで有名だった。ぜんぜん怖くない先生だ。

 授業が始まった。初回の今日は集団行動だった。誰もが経験したことのある、あまり面白くない授業だった。

 音暖香が限界を感じ始めたのは、休め、気をつけ、礼、行進、返事の大きさなど一通りの集団行動が終わった頃だった。時間は後二〇分で授業終了というぐらいだ。

 少し休憩をとり、その後に全て通して今日は終わりということになった。

 休憩が終わり、全体起立の号令がかかる。ここからが音暖香の正念場だ。

集団行動できついのは気をつけ、休めなどじっとしていないといけない動作だ。排便欲求を我慢しているこの状況で動かずにじっとしているのはとてもしんどいことだ。

 数日間ため込まれ硬く密度の増した便が小さな体から一刻も早く解放されようと、肛門をこじ開けようとしてくる。そして、音暖香の体もこの苦しみから早く解放されるべく、音暖香に排泄の欲求をより一層強く訴える。

(あと一回通せばもう終わりだ。あと少しでウンチ行ける!頑張れ!頑張るんだ音暖香!)

 音暖香は気合を入れてお尻をしっかり閉める。

 そしていよいよ最後の通しが始まった。まずは気をつけ。

(きついよぅ。早く!早くして!)

 音暖香の足はプルプル震えている。顔だけは頑張って平然を装っているが、後ろに列をなしている生徒から見れば様子が生かしいのは目に見えてわかった。

 そして行進が始まった。ここまで来れば音暖香の勝利みたいなもので、何事もなく四時間の体育を乗り切ったのだった。

 しかし、音暖香はまたしても計算ミスをしていたのだ。

 最後まで読んでくださりありがとうございます。

 次回はいよいよ音暖香ちゃんトイレに行けるのか!?お楽しみに!

 リクエストなといただいております。書いてほしいテーマ、シチュエーションなどあればご自由に感想にお書きください。よろしくお願いします。

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