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暗黒の疾風  作者: 秋本そら
Ⅲ 誘拐依頼 「飴玉」
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訪れて、去って

 唐突に部屋の扉が叩かれ、朱里の意識はパソコンの画面から現実に引き戻される。

「——誰?」

 朱里が問うと、まだまだ幼い声が響いた。

二階堂(にかいどう)弘也(ひろや)です」

「開いてるから入って」

 扉が開き、ひとりの男の子が入ってくる。

 丸く金色の縁のメガネをかけた、賢そうな少年。

 彼は、約二ヶ月半前からこの組織に所属し始めた下級構成員だ。そして、この任務に少なからず関わりを持った、そんな構成員であった。

「何か用?」

「いえ、原田さんを探しに来たんです。原田さんなら如月さんのところにいるって聞いたので」

 その言葉を聞いた翔は、目を丸くし、慌てて椅子から飛び上がる。

「あっ! ごめんごめん。じゃ、僕はここで失礼しますね」

「うん。またね」

 軽く頭を下げた翔に、朱里は軽く手を振って別れを告げる。そして、翔を探しに来た弘也に朱里は。

「——しょっちゅう翔は私の所に放浪しにくるからね、見当たらないなと思ったらここに来なよ」

「分かりました。それでは、お騒がせしました!」

 弘也は可愛らしく笑って、そして翔と共にいなくなった。

 ばたり、と扉が閉じられる。

 朱里以外誰もいない部屋。そんな中、朱里は一人で呟いた。

「——あの子は情報班に配属されたのか。

 ……そういや、新入構成員が入って来たのって二ヶ月半前くらいになるのかな? だいぶ経ったなぁ」

 朱里はかなり冷めている珈琲を口に含む。そしてふと瞬きをし、目が乾燥していることに気付いたため、ポケットの中から目薬を取り出してそれをぽたりと両目にさした。

「——やっぱ効くねぇ、この目薬。

 ……さ、やりますか」

 そう呟いて、朱里はパソコンに再び向かい合う。

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登場人物が分からなくなった場合はこちらをご覧ください 第2部分 登場人物 物語に出てくる組織についての説明を見たい方はこちらをご覧ください 第3部分 組織紹介
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