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暗黒の疾風  作者: 秋本そら
Ⅱ 援助依頼「善と悪は紙一重」
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電話の一報

「暗黒の疾風」とは何か?

一言で答えるならば、それは「裏社会に名を轟かせる何でも屋」だろうか。

暗黒の疾風は、殺人、詐欺、盗みなど、本当に様々なことをする。

ある時は、こんなことだって……。

 その日、朱里は久々に表社会へと出かけていた。

 きつめの化粧。陽に当たって艶めくお下げの髪。裾の長いおしとやかなワンピース。大人なパンプス。

 本当の自分とも、仕事の自分とも違う彼女は、その時、秋月(あきづき)紅絹(もみ)と名乗っていた。


 やってきたのは、行きつけの書店。

「いらっしゃいませ——あ、秋月様。お久しぶりですね」

 入り口近くのレジにいた青年が、朱里に声をかけてくる。お久しぶりです、と朱里は一言返し、久々に訪れた書店を見回す。

 そこはチェーン店ではあるが、小ぶりでいかにも地元の本屋さん、という感じの場所だ。そのため、朱里は店員とすぐに仲良くなった。

 あちらこちらに、手書きのポップ。そしてフリーペーパー。サイン色紙やサイン本もある。

 本好きにはたまらない、小さな宝石箱。

 そう例えるのがぴったりな書店だった。

 朱里はこの書店をなかなか気に入っているため、いつも本の予約はこの書店と決めていた。それが大好きな書店を絶やさぬ第一歩だったりする、と朱里は知っていた。


 手書きのポップがそこここにある本棚を、まるでそれこそ宝物を見つめる女の子のように見つめる朱里。その目の輝きも、その心臓の高鳴りも、全て宝石を見るそれと同じだ。いや、下手したらそれ以上かもしれない。

 欲しい本を見つけるたびにその目は輝き、気になる本を見つけるたびにその胸は高鳴り——。

 ——iPhoneが、高らかに美しい着信音を鳴らす。

「なんで今……」

 朱里は苦い顔をして、店を出てから電話に出る。

「——なあに?」

 人目のない裏通りへと向かいながら、電話の向こうの声を聞いた。

「——分かった、今行く」

 朱里は電話を切るなり、人目がないことを確認してからワンピースを脱ぐ。

 するとそこに現れたのは、首まで隠れるぴっちりとした黒いセーターに、真っ黒なストレッチタイプのスキニージーンズ。いつ何があってもいいように、いつでも下にはこの二点を着込んでいるのだ。

 手に持ったカバンに先ほどまで来ていたワンピースを入れ、真っ黒なスニーカーを取り出すとパンプスと履き替えた。パンプスも勿論鞄の中へと仕舞われる。

「——さて。『暗黒の疾風』、出番ですよ?」

 気持ちを切り替えるべくそう呟くと、朱里はすぐに裏通りを駆け出した。


『——こちらはコードネーム『司令塔』。マッドサイエンティスト協会からの依頼で、彼らの敵対組織Live's Beautyを殲滅中だ。しかし雲行きが怪しい。そこで『暗黒の疾風』に助力を仰ぎたい。場所はメイルズビル』

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登場人物が分からなくなった場合はこちらをご覧ください 第2部分 登場人物 物語に出てくる組織についての説明を見たい方はこちらをご覧ください 第3部分 組織紹介
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