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10.私、怒っています。


主人公視点です。

早めに書き上げていたのですが、直しても直しても手直しする所が見つかりまして・・・

何度書き直したのか・・・

今週はボケボケなことばかりしています、はひいっ!

文がオカシイ所があっても、見逃してやって下さい・・・




何故こんなことになっているのでしょう。

目の前にはナイフを持つ男子生徒達

そんな彼らに囲まれ脅えているヒロイン

そこに現れた部外者の私

部外者の!!!!私!!!!

ええっと・・・

どんな状況なんですか、これ?






私の名前は、アリステラ・ディ・ティエラ

異世界転生したかと思っていたら、乙女ゲームの世界に転生していた女子です。

ここ最近、避けていたハズのヒロインと毎日お茶会をする仲になっております。

正直・・・



と、思わずにはいられません。


いえ、原因はわかっているのです。

全て!!!!

私の食い意地が張っているせいなのです!!!!

でも!でも!!

ヒロインの手作りお菓子は、とってもとっても美味しいんですもの!

私を誘惑して離さないんですものーーー!



ヒロインが昨日のお茶会に持ってきてくれたレアチーズケーキは絶品でした。

昨日・・・ヒロインは白い大きな箱を抱え、私の部屋を訪れました。

箱が大きく、落としてしまったら中身が大変な事になるので、校舎には持ってこられなかったそうです。

大きな箱から出てきたのは、真っ白い雪のようなレアチーズケーキ

そのケーキを切り分け、それぞれのお皿に乗せて、お茶と共に頂きます。

まずはケーキを一口。

口に含んだ途端、私はあまりの美味しさに・・・相好を崩しました。

ええ、それはもう、だらしなく表情を崩しまくりました。

人様に見せられる状態ではないレベルです。

でも仕方がないのです!

濃厚なクリームチーズは、一口食べるごとに口の中で溶けてなくなっていきました。

とても素晴らしい食感だったのです!!!!

私は一口一口、口どけを楽しみながら大切に食べていたのですが、お皿の上のケーキはあっという間に無くなってしまいました。

空のお皿を見つめながら悲しんでいると、ヒロインが笑顔で、もう一切れ取り分けてくれたのです。

しかも大きめに!

優しい・・・

ヒロイン優しい・・・

ケーキは甘さ控えめだった為、いくらでも食べられました。

さらにあの後、もう一切れおかわりさせて頂きましたもの。

美味でした・・・

昨日のレアチーズケーキは本当に美味でした。

人を魅了して離さない魅惑のケーキに、私はトロトロになってしまいました。


昨日のおやつを思い出していると、自然と口から唾液が溢れ出てきます。

思い出すだけでこれとは・・・!

条件反射に等しい反応になっていることが恐ろしい。

けれど、今日はどんなおやつを持ってきてくれるのだろうと考えるだけで、とてもワクワクします。

放課後が楽しみで待ちきれません。

ニコニコ笑顔で授業を受けながら、頭の中は今日のおやつのことでいっぱいです。

いけない、いけない。

授業に集中しなければ!





放課後になりましたー!

おやつの時間です!

スキップしそうになるのを抑え、淑女らしくお淑やかに歩きます。

急ぎたい気持ちが大きいので、速足ですけれど!


ヒロインとの待ち合わせ場所に急いでいると、床にキラリと光ものが落ちていました。


「・・・なにかしら?」


近づいて拾ってみます。

するとそれは可愛らしい包み紙でラッピングされたお菓子でした。

甘い良い香りがします。

これはチョコレートかしら?


「あら・・・」


顔を上げると、廊下の先までお菓子が点々と落ちています。


「あらあら・・・」


私は廊下に落ちているお菓子を、一つずつ拾っていきます。

決して食い意地が張っているから拾っているのではありません!

あわよくば、落とし主からお礼としてお菓子を分けてもらえるのではないかと・・・

思っていたりは・・・

しません・・・よ?


「あら、ここにも」


お菓子は手で持ちきれなくなってきたので、MYお菓子袋に入れていきます。

けれど、何故こんなにお菓子が落ちているのでしょう?


疑問に思いながらも、一つ一つお菓子を拾っていきます。

すると、使用されていない筈の部屋の前にも、お菓子が転がっていました。

部屋の扉の前まで向かいお菓子を拾うと、室内から声が聞こえてきます。

お菓子は部屋の前に落ちていたし、もしかするとお菓子の持ち主は室内にいるのではないかと思い、扉を開けました。



『ガチャリ』



・・・すると、そこにはーーーーーー






複数の男子生徒が手に手にナイフを持ち、ヒロインを取り囲んでいるという衝撃的な光景が広がっていたのです・・・





ん・・・?

なんぞ?

この状況はいったいなんぞ・・・?

理解が追い付きません・・・

何故ヒロインは男子生徒からナイフを向けられているのでしょう・・・

みなさんヤンデレなのですか?

いえ・・・そんなゲームではなかった筈です。

あ、ヒロイン泣いちゃっていますね。

まあこの状況では仕方がありません。

普通の女の子なら怖くてたまらない筈です。

ナイフを持った男性から、にじり寄られるなんて、トラウマものですものね。


私には、この修羅場の原因はわかりません。

けれど、人にナイフを向けるということは、殺意があるということです。

もし脅しなのだとしても、その人が死んでも構わないと思っているから人に刃物を向けられる。

それは・・・とても許せるような行為ではありません。


私はこの光景を見て静かに怒っていました。

自分も襲われるかもしれない状況

けれど、恐怖は全くありません。

ただただ、泣いている女の子を助けてあげなくてはと考えーーー

それを実行に移します。

私は室内に踏み込むと、落ち着いた声でゆっくり、ナイフを持った男子生徒達に語りかけました。


「皆さん・・・寄ってたかって、か弱い婦女子相手に何をしていますの?」


男子生徒達は、突然の乱入者に驚き、固まって動きません。

どうしたら良いのか判断が出来ないようです。


そんな固まる男性達の中、ヒロインだけは涙をいっぱいに溜めた瞳を見開き、私を直視してきました。


「アリス・・・ちゃん?」


擦れた声で、私の名前を呼ぶ声は震えていて・・・


「ア、アリスちゃん・・・なの?本当に・・・?アリ・・・アリスちゃん・・・」


何度も私の名前を繰り返します。

私がここにいることを確認するように・・・

何度も・・・

何度も・・・

助けが来たことが信じられないようです。

私は安心させるように、ヒロインに話しかけました。


「ええ、貴方の友人・・のアリステラが来ましたよ」


最初は反応しなかったヒロインが、『友人』という言葉に徐々に表情を変化させていきます。

友人・・・友人・・・と最初は何度もその言葉を繰り返していたけれど、言葉の意味を理解した途端、ボロボロと嬉しそうに泣き出しました。


「ありすぢゃあああん!ありすちゃんが!!友達認定してくれたああ!」


おっと、ヒロイン大号泣です!

精神的なダメージは大丈夫そうだと判断し、私はヒロインを囲む男子生徒達を睨み付けました。

彼らがヒロインを傷つける前に、行動をおこさなければ。

すぐさまそう判断した私は、お菓子を切り分ける時に使うケーキナイフを2本取り出し、両手に握りしめました。

そして軽く、トトンッとその場でステップを踏みます。

息を吸って・・・

吐いて・・・

再び息を吸うと、私は男子生徒達に向かい、弾丸の如く飛び出しました。



男子生徒は誰一人動きません。

いえ、反応できないでいるのです。

先程彼らの表情を見た時に、わかりました。

自分の意思で動いていない・・・と。

それが彼らがナイフを持った有利な状況の中、動かない理由

そして、もう一つの理由は・・・

ただ単に私のスピードに追い付けないのです。



私は猛スピードで男子生徒に迫ります。

2本のケーキナイフをそれぞれ左右で操り、彼らの手元に狙いを定めながら、目にも止まらぬ速さでその刃を振るいます。

そしてケーキナイフの動きが止まった次の瞬間、男子生徒達の手からナイフが弾き飛んでいきました。


武器を奪った後は、彼らの動きを封じます。

ケーキナイフは危ないので、仕舞いますよ。

相手は良家のお坊っちゃま方です。

あまり怪我をさせるわけにはいきません。

一人の足を払い、みぞおちに蹴りを入れ、悶絶させ。

一人の男子生徒の顎を狙い、掌打を尽き、意識を奪う。

私は次々と男子生徒の意識を刈り取っていきます。

一人二人と倒れる中、流れるような動きは止まりません。

まるでダンスを踊っているように、身体を回転させながら、次々と男子生徒達を倒していきます。

そして1分も掛からず、私の武闘は終わりを告げたのでした。


最後に立っていた男子生徒が床に倒れると、私は広がったスカートをフワリと波打たせ、地に足をつけます。

これくらいでは息も乱れません。


「さ、片付きましたわ。ルリカ、怪我はしていない?」


床に座り込んでいるヒロインに声を掛けると、今度はヒロインが固まっています。


「ルリカ・・・?」


ポカーンと口を開けているヒロインの姿は、少し間が抜けていて可愛らしいです。

何か信じられないものを見た!って顔をしていますが。


「アリス・・・ちゃん?」


ヒロインが、私の名を呟きます。


「ええ、そうよ」

「アリスちゃん・・・だよね?」

「ええ、私よ」

「本当に・・・アリスちゃん?」


まるで壊れた玩具のように私の名前を繰り返すヒロインに、少し呆れながら手を貸して起き上がらせます。


「もう!さっきから何度も私だと言っているではありませんか・・・」

「・・・すごい・・・」

「え?」

「アリスちゃんすごいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」


起き上がったヒロインは、勢いのまま飛びついてきました。

私の方が背が高いので、思いきり胸にダイブされます。

またしても胸かっ!

ヒロインはハイテンションで、はしゃいでいます。


「なにあれ、なにあれ!ずっと見てたけど、アリスちゃんの動きよくわかんなかった!」

「剣と格闘術を学んでいますので」

「えーーーー!でも!空中でクルッと回ってたよ?!何か・・・何かこう!良くわからない動きをしていたよ?!」

「格闘術の一種です」


私は婚約者のリューと共に、幼少期よりずっと、剣と格闘の稽古をつけてもらっています。

もしも何かが起こった時の為にと。

もしもとは・・・

まあ、誘拐されたり襲われたりした時のことですが・・・

ものの見事に役にたちましたね。

絶対に令嬢の習う習い事ではないのですが、稽古していて良かったと心から思いました。

まあ・・・稽古自体も私に合っているので、とても楽しく学ばせて頂いておりますが。

けれど、やっぱり私の動きはおかしいのですか・・・

なんとなく私も感じていました。

私の戦い方が少し普通じゃないということは。

私の相手を出来る方が年々減り、今では片手で数えられる程になっていますもの・・・

その片手の中には、我が国の騎士団長様もいらっしゃいます。

彼からはよく、お前の動き方は突拍子がなさすぎる!と言われます。

他の方々からも異口同音の苦言が。

私の稽古のお相手をして下さっているのは、皆、筋肉隆々の男性ばかりです。

そんな男性方を倒してしまう、私・・・

うん。

同年代の男子生徒は相手になりませんね。


「アリスちゃんすごいーーー!」


ヒロインが褒めちぎってきます。

なんだか恥ずかしくなってきましたよ!




いかがでしたでしょうか。

実は強かった主人公です。

皆様戦う女の子は、お好きですか?お嫌いですか?

ちなみに、私は戦う女の子大好きです(笑)



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