第二話 消えちまった街灯
続きです
とりあえず、近くにあったコンビニでタバコと缶コーヒーを買ってパトロールという夜のお散歩に出た。
今日は蒸し暑い
「今日は暑いな? 杉田くんよ」
「ええ、そうですね 東郷さん」
そんなこんな話ながら歩いてると、電柱の奥に水溜まりが見えた
「今日ってよ 雨なんざ降ってねえよな?」
「はい、それどころか三日以上降ってません 梅雨とは思えないほどに」
呑気な冗談かましやがって、気付いてねえのかと思ったが杉田も水溜まりから目を離していない どころか、優しそうな目付きから鋭い目付きに変わっている
「近づいてみるぞ」
「後ろは任せてください」
とりあえず、電柱の目の前まできた
そして、電柱の横から水溜まりに近づく
暗くてよく見えねえが、なんにもないただの水溜まりだ
「東郷さん」
俺は水溜まりに顔を近づける
「東郷さん!」
杉田が息を荒げながら俺の名前を呼んだ
「なんだよ 杉田?」
杉田が指を指していたのでそっちを見た
杉田は塀の上を指していた 歳もとって夜はよく見えねえが、その光景だけはよく見えた
「杉田、こういう現場初めてか? まあ、初めてだよな 警官になったばっかりだもんな そういう俺も初めてだ」
懐中電灯を取り出し光を塀の上に当てた
壊れかけの街灯が壊れ、闇と静寂が辺りを包み、それが嫌というほどその光景を引き立ててくれてる
塀の上には男の遺体がぶら下がっていた
「平和が終わっちまったな...」
続きます