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ビー・ア・ヒーラー  作者: LPQ
8/8

レアエネミーは大抵出ても倒せない

「…何でこの子までいるのかな?」

翌日、ユナと会って一発目の台詞がこれ。俺の隣にはミラの姿。

「いやぁ、明日ユナと始まりの森に行くって言ったら付いていくっていうから、人数多い方が効率いいし連れてきた。」

「いやー私も丁度お金がなくてですねー、いやーグッドタイミングですねー。」

「…チッ」

ん?何だろう、最近ユナの舌付近から音が聞こえるなぁ。あれかな、歯に何か挟まってんのかな。

「まあそういうわけだ。あ、そうそう、ギルドのもう一人のやつも誘おうとしたんだけど今日はログインしてないみたいでな。てなわけで3人で行くぞ。」

「…わかった。早く行こっ!」

ユナが俺の腕を取って走り出す。いやぁ、相変わらずパーソナルスペースが狭いことですな、当たってますよ立派な双丘が。しかし敢えて何も言いません。俺は何も気づいてません、はい。

俺もつられて走り出そうとしたところ、反対側の腕にミラがしがみつく。ああ、ごめんな、急に走ったりして。置いてかないから離しても大丈夫ですよ。特に君の場合は発展途上なのかな?当たってないのでただただ痛いです。だから俺の両脇で睨み合うのはやめてください、両手に華どころか棘状態です。特にユナさん、力強いです。折角のスイカが台無しです。腕が結構リアルな感じでもげそうです。

あ、でもこれアレだよね。大岡裁きで見たことあるよこの状況。子供を引っ張り合って手を離した方が本当の親っていうやつ。これは先に手を離した方が俺に気があったりしてなぁ。なんつって。

おかしい。始まりの森の入り口についたのに二人とも全く手を離す様子がない。大岡さん、この二人は俺を大切に思ってないみたいです。ショック。

「取り敢えずこのままじゃ戦えないので二人とも手を離してください。」

俺は悲愴感を漂わせながら二人に告げる。よかった。離して貰えた。若干腕の感覚麻痺してるけど流石に序盤の敵は余裕ですよ。ね、俺の恋人ゴブリンちゃん。最初は何時間も格闘してたけど今じゃチュートリアル並みですわ。でも今の目当ては君じゃないんだよ、ごめんな。

はい、着きました3Fです。川です。ヤゴです。でかいです。気持ち悪いです。苦戦した記憶があるので尚更嫌です。

しかしそんなヤゴも魔法使える勢の手にかかれば一瞬でご臨終。高レベラーのユナは勿論、あのとき潜られて苦戦したミラでさえ潜る前にKOするという無双ぶり。

え、俺?

ポコン

こんな感じ。体力全然削れてません。だから座って見てます。いや、いいんですよ、今回は経験値が欲しいんじゃなくて素材とお金が欲しいんですもん。何で二人があんなにやる気出してるのかは知らんけど便乗するしかないよねっ!

そんな感じでほのぼのと二人の勇姿を見てたんだけど、険悪ムードの二人だもの、やっぱり小競り合いが生じたみたい。

きっかけはミラがユナに魔法を誤爆したこと。俺にも誤爆したことあったし、わざとではないんだろうけどやっぱり喧嘩になりましたね。メンドクサイ。

「何すんのよ!危ないじゃない!」

「すみません、わざとじゃないですー。」

「あんたねぇ、私が先に約束してたのに後から勝手に着いてきてあまつさえ邪魔までするなんてどういう了見なの?」

「だから謝ったじゃないですか。それにシロさんの話だとあなたこそシロさんの素材集めに勝手に着いてきただけじゃないですか。」

「そ、それは私がこのゲームに誘った身だし手伝うのは当然でしょ?」

「でしたら私もギルドの仲間ですし、付いていっても問題ないですよね?それとも二人きりでデートでもしたかったんですか?」

「ち、違うわよ!」


…うむ、戦闘音であんまり会話は聞こえないけど何か楽しそうだな。それと、いつ言おうか迷ってたんだけどそんなにヤゴの抜け殻要らないです。全身ヤゴ装備って何か嫌なんだけど。

しかし、暇だなー。見てるだけってのもなんだしその辺のゴブリン達と戯れますかね。ああ、始めたての頃は物凄く時間かかってたのに今じゃ攻撃バフもあるし、一撃ですね。神官でこんなサクサク倒してると気持ちいいね、人生2回目のゴブリンハイ突入しちゃったよ。

ポコン

ポコン

ポコン

うーむ、いい感じに倒してますなぁ、音は相変わらずマヌケだけど。

ポコン

ポコン

ポコッ...おや?

殴ったはずの1匹のゴブリンが目の前にピンピンして立ってるんですが。

「あれ?こいつ一撃で死なないぞ?当たりどころが悪かったか?...ってあれ?HP全然減ってなくね?」

よく見ると、周りと色がなんか違う。もしや...

「ってあぁ!逃げるなよ!」

やっぱりか!あいつははぐれ〇タルみたいな奴に違いない。倒したらさぞや経県値が美味しいんでしょうね。...ていうかさ。逃げられなかったとしても倒せないじゃんあれ。固いもん。正直ヤゴの比じゃない。ユナレベルじゃないと無理なんじゃないかと思う。

だかしかし。

そんなことで諦める俺ではない。パーティーを組んで後ろからただ回復してるだけの神官と違って俺はソロで地道にゴブリンを殴ってきたんだ。普通の人なら心が折れるような敵のHPの減り方でもひたすら時間をかけて孤独に負けず戦ってきたこの俺が諦めるわけ,,,!

,,,

無理。速すぎ。俺はステータスを攻撃にしか振っていない。要するに素早さなんかも初期値だ。そりゃあ追い付けませんや。まあいいや、どうせ追い付けても倒せないんだ、諦めましょ。人間諦めが肝心ですわ。

さて、二人のところに戻りますかね。


「,,,あれ?何か凄い爆音が聞こえる。なんだなんだ?」

帰ってみるとそこには死屍累々の敵とその真ん中に魔法剣士と魔導師。いや、狩りすぎだよお前ら。

「あ、お帰りなさい。今ですねぇ、そこのおっぱいオバケと討伐数で対決してたんですよ。」

「誰がおっぱいオバケよ、このまな板娘!叩っ切るわよ!」

「あらら、レベル差を利用して暴力ですか?シロさーん、タスケテクダサイー。」

…何だろう、何かあれだけ嫌ってたはずのヤゴにとても同情してしまう。女って怖い。

「それで、どこに行ってたの?」

「ああ、ちょっとゴブリン倒してレベル上げをしようとしててな。そういえば色違いのやつも見かけたぞ。やたら固かったけど。」

するとユナの表情が変わる。

「それゴブリンキングだよ!わぁ、本当に会えるんだね。私も話でしか聞いたことないんだけど、凄くレアなんだよ。」

え、キング?は○れメタルじゃないの?会った瞬間逃げるとかキング糞野郎だな。

「それでそれで?どうなったの?」

「秒で逃げられた。俺の素早さじゃ追い付けないわ」

「うーん、残念。でも運がいいね。私これだけやってて一度も会ったことないのに。」

それは単純に俺が普通の人よりもゴブリンと戦いまくってるだけだからだと思うぞ。

「取り敢えずそんだけ狩れば十分だろ。そろそろ戻るぞ。」

「はーい。」


はい、戻ってきました。取り敢えず報酬を確認。ヤゴの抜け殻が82個。意味わからん。どんだけ狩ってるんだこいつら。その内ヤゴのキングと遭遇するんじゃねえの?

「…まあこんだけあったら足りるだろ。悪かったな、手伝わせて。何かお礼しないとな。」

「い、いいよいいよ!私が勝手に着いて行ったんだし!」

「私は欲しいですね。ご褒美。」

「!?」

「おやおや、ミラは正直だなぁ、何がお望みかね?」

俺はややおどけて聞いてみたが予想外の返答が返ってきた。

「デート1回とかどうです?」

…はい?

「ごめん、何だって?」

「デートですよ、デ・エ・ト。何度も言わせないで下さいよ恥ずかしい。」

いや、そんなわざとらしく頬を染めるんじゃない。

「デデデデート!?何言ってるのよ!?」

わお、こっちの方も違った意味で顔が真っ赤になってますな。ああ、これが狙いか。こいつら何故か仲悪いもんな。てかそれに俺を巻き込むんじゃないよ全く。まあ、別にデートとか言いつつどうせその辺のダンジョン潜るだけなんだろうね。やることいつもと何も変わらないなこれ。まあお金をかけずにお礼できるなら俺もその方が楽だしまあいいか。

「まあそんなんでいいならいいよ。」

「私も!」

,,,いや対抗意識燃やさんでいいよ。特に君なんかリアルでも会ってるんだからそんなに意味ないような。まあ本人がそれを望むなら止めないけどさ。でもどうせダンジョン潜るなら皆で行った方が効率いいんだよなぁ。よし、決めた。

「それなら3人でどこか行くか。」

「…」

「…」

あれ、何この沈黙。俺何か間違ったこと言った?

「やっぱりデートは無しでいいです。」

「私も。」

あっれー?何か2人とも不機嫌になっちゃった。うーむ、女の子ってよくわからん。

忙しすぎて全然小説書く時間がぬぁい。

プロットは出来てるんだけどねー。次は1年後とかの更新になったりして

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