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ビー・ア・ヒーラー  作者: LPQ
6/8

前門のドラゴン、後門のミラ

ふええ、小説書いてる暇がない。頭の中で話が出来ていても文章にするの難しすぎw

「でかいな…。」

俺たちの前に現れたのはドラゴン。少年時代は誰しも憧れ、強くかっこいいモンスターの代表格といってもいい。

まあでも2つ目のダンジョンに出てくるあたり、そこまで強くないんだろうけど。いや、慢心はダメだ。だって最初のカニですら苦労したのにボスとなればさらに強いはず。だか俺にはカニとの戦いの際には持っていなかったスキルを持っている。そう、アタックアップだ。

とはいえ俺は紙装甲、ミラの初級魔法一撃で瀕死になるくらいだ。ボスモンスターの攻撃を受けてしまえばひとたまりもない。まあ死に戻りしてもろくなアイテムドロップしてないしいいんだけどさ。

「じゃあミラ、援護は任せた。俺は全身全霊であいつを殴る!」

「神官の台詞とは思えませんね…。」

やれやれといった感じで杖を構えるミラ。

同じ杖でもかたや殴るため。かたや正しく魔法を使うため。ごめんな、俺の杖。しかし、ようやく正しい使い方をさせるときが来たのだ。

「行くぜ、アタックアップ!」

俺の攻撃力が倍になる。

「さらにアタックアップアタックアップ!」

…シーン

おや?攻撃力が変わらない。おかしいな、MPは足りてるはずなんだが。もしかしてこれって重ね掛け出来ない感じ?

ああ、確かにエリクサーでMP回復すれば無限に攻撃力あがっちまうもんな。てかそんな場合じゃない。俺は一撃で決めるつもりで飛び出したけど重ね掛け出来ないなら紙装甲の俺大ピンチ。

「ほあぁぁぁ!」

ドラゴンが爪でこちらを薙いでくる。それを紙一重でかわして引き返す俺。

「え、ええ!?あれだけかっこよく飛び出していったのに何で戻って来てるんですか!?」

「仕方ないじゃん!思ってたのと違うんだよぉ!」

だが逃げてるだけではどうしようもない。俺は覚悟を決めてドラゴンに突撃する。大丈夫だ、ユナが言っていた通り、俺はゲームが下手なわけではない。こんな2つ目のダンジョンで手こずる訳にはいかない。そうだ、1つ目のダンジョンだってノーダメージだったじゃないか。あのときは単純に火力不足だったけど今回は火力だけはある!

「うぉぉぉぉ!」

ドラゴンの攻撃を避けつつ頭に飛び乗る。そしてひたすら杖を降り下ろす!

ぽこぽこぽこぽこ…

「…」

攻撃力に応じて効果音を変えてくれると嬉しいんだがなぁ…

まあダメージはちゃんと通ってるみたいだ。ええぞええぞ。

しかしドラゴンも黙ってやられるばかりではない。必死に頭を降って俺を振り落とそうとする。

「危ねっ。」

バランスを崩した俺はドラゴンの頭から放り出される。そして空中で眼前に迫るドラゴンの爪による一閃。

やべえ、空中だからよけらんねえぞ!すると、背後から声が響く。

「ウォーター!」

ドラゴンの爪に向かって放たれたミラの魔法は見事に命中する。

俺に。

「ごふぅ!?」

そのまま吹っ飛ばされる俺。お陰で爪は回避できたがHPがばっこり減る。これあれじゃね?素直にドラゴンの攻撃受けた方がダメージ低かったんでない?

「ご、ごめんなさい!わざとじゃないんです!」

いや、うん、そうなんだろうけどさ、本当に君は俺に恨みないんだよね?ちょっと心配。

「いや、大丈夫。生きてるし。」

そう、生きてさえいれば問題なし。神官ですからHP回復などお手のもの。前にも言ったけど俺の貧弱なHPには俺の貧弱な回復量でも事足りる。

「さて…と。」

俺はHPを全快させてドラゴンに対峙する。そして、駆け出す。

「うおおお!」

ドラゴンの爪による攻撃をジグザグに避けてドラゴンの懐に入り込み杖を降り上げる。その目の前を水弾が通過。俺、振り上げた体制のままマトリックスの体制…維持できず後ろ向きに転倒。

「…ミラ?」

「違うんですよ!ジグザグに走るから!動きが分からなくてですねえ!」

何か凄く必死。まあうん、嘘を言ってる顔じゃないし責めるつもりもない。そもそもお互い元々ソロプレイヤーだったんだ。そんな一朝一夕で連携なんか身に付かない。

必死で弁解するミラを見て俺は思わず笑みがこぼれる。

「なぁミラ、オンラインゲームって楽しいな。」

「え、何ですか急に。も、もしかして怒ってます?ごめんなさい、ごめんなさい!」

俺は違うよと笑いながらドラゴンに向き直る。

「よーし、ガンガン行こうぜ!」

「え、あ、はい。」

その後、何度か危ない目に遭ったものの(主に誤爆)何とかドラゴンを討伐することに成功した。

「いやぁ…序盤のボスなのに達成感が物凄いわ。」

「あの、それもしかして私に対する皮肉ですか?」

頬を膨らませるミラ。

「いや、俺も射線に入ったのが悪いんだから今回の件はこれで終わり。やっぱりソロで慣れてる人間がいきなり連携組めるわけないって。だからもっと経験積まなきゃな。」

「そう…ですね。」

こちらをチラチラ見ながら頷くミラ。

「あ、あの、もしよろしければ次のダンジョンも私とパーティー組みませんか?ほら、経験積まなきゃですし。」

「ん?ああ、いいけど。」

驚いた。向こうからしたら俺はお荷物だと思ってたんだが。もしかして誤爆を装って俺をいたぶるのが楽しいんだろうか。

「ええっと…何かとても酷いことを考えられているような気がするんですが。」

「は、ははっ、やだなーそんなわけないじゃないかー。そうそう、報酬はナニカナー。」

ちゃちゃっと話をそらして俺は報酬を確認する。

『火山ダンジョンクリアおめでとうございます!こちらがクリア報酬です!』

「………カニ味噌って。」

俺は天を仰ぐ。いや、まだ叫ばんぞ!ヤゴの抜け殻と同じでもしかしたら使えるアイテムかもしれん!


ダンジョンから帰ってきた俺は早速広場でユナに報告する。

「外れね。」

ユナによる容赦ない一言。

ですよね!逆に使える方が驚きですわこんなの。

「それより、後ろの子は誰?」

ユナがこちらを怪訝そうに見る。

「ん?ああ、ミラって言ってダンジョン攻略を手伝ってくれたんだ。」

「ど、どうも。ミラと言います。ええと、私もシロさんに死にかけていたところを助けて頂きまして、何とかお返しができればと。」

「ふーん、そう。よろしくね、ミラさん。」

笑顔でミラに挨拶するユナ。でもなんだろう、目が笑ってない気がする。

「よろしくです。あの、シロさん、こちらは?」

「リアフレのユナだ。このゲームを始めたのもこいつに誘われたのが始まりだな。」

するとミラの顔が少し曇る。

「…りあふれ…ですか。もしかして、付き合ってたりなんて?」

ああ、この子もしかしてリア充爆発しろってタイプの子かな?ソロプレイヤーだったしこれが原因でパーティー組めなくなったら今後のダンジョン攻略に響く。

「あははっ、ないない。ただのゲーム仲間だよ。」

俺は笑顔で否定する。

するとミラはほっとしたように胸を撫で下ろす。よかった。爆発しないで済みそうだ。

それでユナはいつまでその目が笑ってない顔を続ける気なのだろうか。さっきまでミラを見てたのに今度は俺に視線が向いてるし。え、何?俺何も間違ったこと言ってないよね?あまり長い時間この視線にさらされるのは危険だ、Mに目覚めてしまう。

「ええっと、うん、じゃあまあそういうことで!」

取り敢えずダッシュでその場を離れる。

「シロさん!?」

「あ、ちょっと!」


「…ふう。何とか脱出できたか。」

大聖堂にたどり着いた俺はアイテムショップで一息つく。

「どこからかな?」

「ほぁぁぁ!?」

思わず裏返った声を出しながら後ろを見ると黒いフードを被った女の子。

「メ、メロさん、脅かさないでくださいよ。」

「いやぁ、普通に声をかけただけなんだがなぁ…」

メロさんはやや呆れた顔をする。

「そうそう、そう言えば火山はクリアできたかな?」

「ああ、はい。お陰さまで。結構何度も死にかけましたけど、優秀なパートナーのお陰でなんとか。」

「ほほう、それはよかったねぇ。あそこはパーティーを組まんと結構しんどいからねえ。」

腕を組みながらうんうん頷くメロさん。

そうなのか、やはりボスに一人で向かったカオルはやはり相当な手練れなのだろう。

「ところで、君はギルドに入ってないみたいだねぇ。どうやってパーティーを組んだんだい?」

「ええっと、道中で死にかけてた子を助けて仲間になってもらいました。」

「そ、そうかい。まあ取り敢えずパーティーがいつでも組めるようにギルドには入っておいた方がいいぞ。いつでも死にかけている子がいるとは限らないしねぇ。」

「わかりました、考えてみます。」

ギルド…ねえ。ソロ気質の俺は考えたこともなかったな。明日あたり、ミラを連れてギルド関連窓口に行ってみますかね。

さすがに今戻ったら嫌な予感しかしないからね。


翌日、教室で不機嫌そうな優奈に事情を色々説明して何とかお昼を奢るだけで許してもらえた俺は放課後、家でVDを起動。さて、大聖堂にミラを連れて行きますかね。ええっと…うーむ、ミラはまだオンラインじゃないみたい。仕方ない、その辺で少し時間を潰しますかね。アイテムショップでうろうろしてるとメロさんに背後から脅かされそうなので別の場所にしようっと。

ということで俺はプレイヤー達の雑談所である酒場に向かうことにした。勿論未成年でも入れるので問題ない。酒は流石に買えないようだが。

「それにしても凄い活気だな…」

その辺の大学のサークル勧誘並みに話が飛び交っている。頭がパンクしそうだ。

俺が入り口でうろうろしていると屈強なおっさんが俺の肩に腕を回す。

「よう兄ちゃん、何入り口で突っ立ってんだよぉ?」

酒臭い。エロい姉ちゃんに絡まれるならまだしもこんなおっさんに絡まれるのはこの上なく不快でしかない。うん、無理。脱出しましょ。

「すいません、ちょっと用があるので!」

俺は酒場を飛び出して一息つく。

すると隣で同じようにため息の音が聞こえる。視線を移すとそこには黒髪の剣士。

「あれ、カオル?」

「ひぃ!?って何だ、君か。驚かさないでくれ。」

俺は普通に声をかけただけなんだがなぁ…。ああ、メロさんもこんな気持ちになったに違いない。

「すまない、実は酒場の中でいろんな人に絡まれてしまって逃げてきたんだよ。一息つこうと思ったらまた声がかかるから思わずね。」

ほほう、まあこの端正な顔立ちなら男も女もほっとかねえな。俺ですら絡まれたくらいだし、こいつの場合人だかりができそうだ。

「そうか、そりゃ大変だな。そうだ、そう言えば火山はどうだったんだ?」

「まあ結構ギリギリだったけど何とかクリアしたよ。もっとレベルを上げないと次のダンジョンは流石に難しいかな。」

うわぁ、メロさんもパーティー組まないと難しいって言ってたのにソロでクリア出来るとか…さすが剣士、人気なだけありますな。

「レベル上げるのに時間を掛けるくらいだったらパーティー組んだ方が効率いいと思うぞ。実は俺もパーティーメンバーを求めてギルドを探そうとしてるところなんだ。よかったら一緒にどうだ?」

「ギルドか…うーん、確かにソロだと時間かかるし、協力できるのは助かるね。今回の火山は本当に一人では難しかったからね。」

俺もミラがいなかったらやられてたしな、多分。お、ミラがオンラインになったみたい。丁度いい、大聖堂で待ち合わせることにしよう。

俺はミラに待ち合わせの旨をメールで送り、カオルにも了解を得て大聖堂に向かうことにした。

次の投稿は4月中に…出来るかなぁ

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