願望
きっと何も起きない。
ゲームや映画なんかで救世主になったり殺人鬼になったり出来るけど実際にはそんなことはなくて、くだらなくて、つまらなくて、死ぬほど退屈な時間を埋めるための暇つぶしに過ぎないんだ、人生は。
それでもあたしだって人間だから腹は減るし、食べたら排泄しなきゃいけない。
恋だって勉強だってしなきゃいけない。
でも凄いことなんて何も起きない。
当たり前のように日々は過ぎていって、当たり前のように死んでいくんだ。
あいだみつおは生きているだけで幸せだと言うけど、あたしは世紀末も終わってしまった21世紀の日本に住んでいるんだ、生きているだけで幸せなんて思えない。
美味しいものだって食べたいし、もっと綺麗になりたいし、お金だって欲しい。
お小遣いが足りなくなったら援交でもすればいい、スリルが欲しくなったら万引きでもすればいい、でもそんなんじゃダメだ。全然足りない。
あの日、ビン・ラディンがいかにも世紀末的な面白いことをやっていたけど、ふつうに戦争が起きただけであたしには何の関係もなかった。
日本で起きると誰かが言っていたテロも全然起きる気配ナシ。そもそも世紀末、もう終わってるし。
ビン・ラディンも早く都庁に飛行機ぶつけてくれないかな。できればあたしが十代のうちにさ。
だってあの世界貿易センタービルが崩壊する瞬間、あたしは泣いたよ。
行ったこともないアメリカで起きたことなのに感情移入しちゃって泣いた。
ビルから飛び降りる人の映像だけで泣いてしまった。
ビルが崩壊しちゃうくらいの熱さに耐えられなくなって飛び降りたと後で知って、また泣いた。
あたしにはなんの関係もない、会ったことも、見たことも、声すら聞いたこともない人達が死んでいったのになぜか感情移入して号泣した。
でもこれは高校生が自分とはなんの関係もないクラスメイトが死んで泣くのと何も変わらない。
いや、たぶん卒業式で泣くのだって大して変わらないんだろう。ただ脊髄反射で泣いているだけで必要性のない涙だ。
けれど泣いたほうがなんか気持ちいいし、自分とは全く関係ないことでも関係あるようなフりができる。だから泣いたんだろうと思う。
でもでも、もし都庁に飛行機がぶつかって、それがテロリストの仕業だったりしたらすんごいスペクタクルというか、お祭みたいで面白そうじゃん。
思想とか難しい理屈はアタマのいい人に任せて、死んだ人に同情して泣いたり、必死の救出劇に感動してみたりすんの。
たしかに自分でもアタマの悪い妄想かなぁ、とは思うよ。でもリアリティないほうが感動できるじゃん。
タイトルは某アニメの最終回から。
更新ペースはかなり遅いと思いますが、ヨロシク。
駄文を読んでくださった方に感謝します。




