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紅薔薇に秘めた想い  作者: 白百合三咲
第1部 戦火に咲いた乙女の初恋
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 時を越えた麗人の願い

ついにクライマックス。

琴葉ちゃんは登場しませんが琴葉ちゃんの夫が誰か分かるかもしれません。

私は列車を降りると改札を出て駅の建物の外へ出た。もう3月下旬だというのに横浜とは違い冬の寒さが残りあちらこちらにまだ雪が降っている。私はスーツケースからスプリングコートとマフラーを取り出し身に着ける。タクシーを拾おうと駅の前の大通りを歩いた。


「アノ、すみません。」

突然片言の日本語で話しかけられる。振り向くとそこには10才くらいの少女がいた。

「アノ、このあたりに日本の軍人さんのお墓あるって聞いたんです。」

「軍人さん?」

少女の曾祖母は戦争中中国の農村で暮らしていた。だけど反日のゲリラを匿った疑いで日本軍に村の大人達は殺されてしまったらしい。弟と二人だけになって困っていたところを1人の日本軍人に助けられたのだ。その人は面倒見が良く曾祖母に勉強を教えてくれそのおかげで大学に通うことができたのだ。少女は3カ月前に北京から松本に引っ越してきて曾祖母を助けた軍人のお墓があると聞いて行ってみようと思ったのだ。

「ねえ、その軍人さんの名前って分かる?」

「確か川島さんって言ってた。中国の王朝の王女様で日本と中国のために男の格好して日本軍に身を置いてたって。」


(やっぱり芳子さんのことだ。)

「私もね、今からその人のお墓参りに行くところなの。私のおばあちゃんも生前川島さんと仲良しだったんだよ。良かったら一緒に行きましょう。」

ちょうどその時タクシーが到着して、私達は乗り込んだ。

少女はどこが悲しげな表情になった。

「どうしたの?」

私が訪ねると少女が口を開く

「私中国の学校で川島さんは悪い人だって習ったの。漢奸って言って戦争中に中国人なのに日本人の味方をしたって。それで1948年3月25日、ちょうど70年前の今日死刑になったって。でも川島さん曾おばあちゃんのこと助けてくれたんだよ。だから悪い人じゃないよね?」


(歴史は芳子様を正当に評価していなかった。)

生前おばあちゃんの言ってたことが頭を過った。


「そうだよ。芳子さんは悪い人じゃないよ。だって日本人と中国人が仲良くなるために頑張ってたんだから。」

「日本人と中国人って私とお姉ちゃんみたいに?」

(えっ?!)

「私の名前はシュウチョ。4月から松本小の5年生になる。お姉ちゃんは?」

「私は笹川葵。4月からはフェリス女学院大学1年生よ。宜しくね。」

「葵ちゃん、いつまでこっちいる?」

「2泊3日の予定だから明後日まではいるよ。」

「じゃあ私といっぱい遊ぼう。私が松本市案内してあげる。」

「うん、いいよ。遊ぼう。」



私はおばあちゃんの日記の空いてるページを開いて書き足した。

「天国のおばあちゃんへ 

今日芳子さんのお墓参りに行ってきました。そこでシュウチョちゃんと言う中国人の友達ができました。彼女の曾祖母も芳子さんに助けられたと話してくれました。来年もシュウチョちゃんと2人で来れたらいいなって思いました。おばあちゃんどうか天国で芳子さんと一緒に見守っていて下さい。」

芳子様の逮捕から処刑はざっくりと流してしまいましたが、もしスピンオフとか書ければじっくり触れたいなと思います。


琴葉ちゃんと芳子様がどうなったかはもう少しお待ち下さい。

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