表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おでん大戦  作者: 相馬 景
1/1

───グツグツに煮え立った黄金の汁の中、どれほどに我等が悶えようともそれは、誰かの喜びでしかないのだ───トーマス・ハン・ペン







七回目の世界の終焉を迎えた後、かつてのYATAIは完全に崩壊し、街並みは無惨に世紀末感溢れる廃墟と化していた。


その最中、世界の均等を保つと言われる"ニジル"が干上がろうとしていた。

この世の全ての創世主であるODENは、一滴の希望をひび割れた大地に落とした。

それは紛れもなく、最後の、希望だった。





「おいお前!待ちやがれ!!」

「何だよ。めちゃめちゃ急いでんだけどさ」

豆腐の角の崩れを押さえながら、袖の切りっぱなしのGジャン、切りっぱなしのホットパンツを履いた荒くれ者風の輩がチクワの腕を掴んでいた。

「お前、俺様の顎にぶつかっといて逃げられると思うなよ!」

腕にめり込む指を見ながら小さいため息を一つ。

「そんなに怒ると、お焦げ化しちゃうよ?」

胸ポケットに忍ばせていた山吹色のカプセルを男に投げつける。

瞬間的に弾けた中身は洋がらしの粉末だ。

「ギッヤーぁぁぁぁあぁぁあぁ!!!黄色く染まるーああぁぁぁあぁぁ!!!」

「帰ってにがりにでも浸かっときな」

覚えとけ、と叫ぶのも息絶え絶えに男は身を翻し走り去った。

やれやれ、めんどくせーな。本当に急いでたらどうすんだよ。ボソボソ呟きながら買い忘れていた干し肉屋へ向かう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ