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普段通りの二人

ラストの内容を削除しました、深い意味は無いので特に気にしないでください

「「ごちそうさまでした」」


 うん、やっぱり母さんのカレーは最高に美味しかったな、横に座っている万里紗も満足した様子で余韻に浸っている


「はいお粗末様でした、万里紗ちゃんどうだった?ちゃんと美味しく作れてた?」


 その言葉に万里紗は大きく首を縦に振った、言葉より雄弁なその態度は母さんを満足させるには十分だったようだ



 それから三人で片づけを済ませて丁度落ち着こうとしたとき、突然風呂が沸いた音が聞こえてきた


「あれ?母さん風呂なんて準備してたの?」

「あーそうなの、今日は早くお風呂を済ませておきたかったからいれておいたのよ」

「なるほどね、じゃあ早速冷めないうちに入ってきたら?」

「そうさせてもらおう……「ちゃちゃちゃらららーん」あら?こんな時間に電話だわ」


 またいいタイミングで電話がかかってくるものだ、まぁでもそれもすぐに終わるだろうから風呂が冷める心配はしなくていいかな


 というわけで母さんが風呂から出るまで万里紗と何かしていようか


「千、それじゃリベンジしたいからさっきのゲームをやろうか」


 万里紗も俺と同じ事を考えていたのか、先ほどのリベンジマッチを望んでくる

 全く懲りないやつだ、またぼこぼこにしてやるとしよう


 というわけで立ち上がり俺の部屋に向かおうとした俺と万里紗だったが、いきなり電話をしていたはずの母さんの声に呼び止められた


「ちょっと待ってくださいね……千里!!ちょっと電話が長くなりそうだから、どっちか先に入ってていいよ」


 あらら思った以上にめんどくさい電話だったようだ、まぁなら仕方ないゲームは後にして先に風呂を済ませてしまおうか


 ……あーでもそうだな部屋に行って着替えを取ってくるのは時間掛かるし面倒だな……よし、ならこうしよう


「万里紗先に入っていいぞ、着替えは持って行ってやるから」


 先に万里紗を入らせて、俺は自分と万里紗の二人分の着替えを部屋から取ってくるとしよう

 万里紗も俺と同じことを考えていたようで


「ん、わかった、じゃあ先に入ってくるから着替えお願い……種類はなんでもいいよ」

「わかってるわかってる」


 なんでもいいとは言ってるが今日の万里紗気分的にあれでいいだろ

 万里紗が風呂に入ったのを確認し、そんなことを考えながら俺はまだまだ続きそうな電話をしている母さんに二階に上がるとジェスチャーをしてから二階に上がった


 そして自分の部屋から俺の着替え一式と万里紗の着替え一式を取り出し持っていく準備を終え、それからは万里紗が風呂から出てくるまでの間ゲームのトレーニングをしておく、万が一この後万里紗と対戦した時に負けたら嫌だからな、訓練は欠かさない

 ……万里紗が風呂に入っている時間は大体15分前後だから、後10分ぐらいしたら持って行ったらいいだろう



 ………………よしこんなもんかな、いい時間だしそろそろ持っていくとしよう、それでもしまだ母さんが電話を終えていなかったら万里紗と交代で風呂に入るとしようか


 1階に降りて母さんの状況を確認してみたがまだ電話は続いているようだ

 なので電話しているそのそばを通りお風呂場へと向かう


 音を聞くにまだ万里紗はお風呂に入っているようだ、ちょっと早かったかなと思いつつ脱衣所の扉を開けて着替えを置き、それからリビングで出てくるのを待とうとした


 がしかし脱衣所から出る前に丁度万里紗が風呂から出てきてしまった


 脱衣所で鉢合わせる俺と万里紗、風呂に入っていたため勿論万里紗は裸だ

 ……普通の女子ならこんな風に不意に男子に裸を見られてしまったら恥ずかしさで思わず叫んでしまうだろうな

 けどそんなことは俺と万里紗に限ってはあり得ない


「あ、着替え持ってきてくれたんだありがと」

「おう出たんだな、あ、それと脱いだ服はまた洗濯しておくからな」

「ありがと、また適当に置いといて」


 そんな会話をしながらも、さも当然のように裸を隠すことなく風呂場から出てきて俺の目の前で体を拭き始める万里紗


 勿論万里紗に恥ずかしいという気持ちは無いし、それは俺も同じことだ、例え今と逆の立場であっても今の万里紗と同じ反応を取る自信がある


 え?なんで二人とも平気なのかって?

 ……だって考えてもみてくれよ小さいころからずーーーと一緒に居てそれこそ二人で風呂に入る機会なんていくらでもあったからな、小学生になってからもよく一緒に入ってたし、最近こそ一緒に入ることは無くなったけど今更裸を見られたぐらいじゃ二人とも何とも思わんよ


 それに何で俺の部屋に万里紗の着替えが沢山置いてあるのかって話だけど、さっき万里紗が洗濯した服を適当に置いといてって言ってたことが理由なんだ


 昔からよく二人の家のどっちかでお泊りをしていたから、相手の家で風呂に入る機会も多かったのよ、でその時着ていた服を一緒に洗濯してくれるんだけど、またどうせすぐに泊まりに来るからってことで段々洗濯した服を持ち帰らずにそのまま相手の家で預かってもらうようになっていったのよ

 だからそれが何年も続いた結果俺の服と万里紗の服が相手の家に沢山常備されるようになったってわけ


 ……流石に変じゃないかだって?

 そう言われてもこれが俺らの普通なんだからなんとも言いようがないな


 閑話休題


「んじゃ俺も入って来るから、部屋でゲームでもしといてくれ」

「ん、楽しみに待ってる」


 しかしそうは言ったものの脱衣所はそんなに広いわけではないから万里紗が出るまで待った方がいいかと思う、けど万里紗が服を着てもその後濡れた髪をドライヤーで乾かすまでここから出ないことに気付いた

 いくら万里紗の髪の毛が短いからといって乾くのを待つのは流石に効率が悪いな……んーじゃあこうしよう


 なのでまだ服を着ている途中の万里紗の横で、俺はさっさと服を脱いで風呂に入ることにした


 勿論俺がいきなり服を脱いでも万里紗が動揺することは起きない



 風呂を済ましてリビングに行くと、母さんが疲れた顔で座っていた、流石に長電話だったのが堪えたみたいだ


 「あーもう二人とも出たのね……私もやっと入れるよ」

 「お疲れさん、何をそんなに話してたの?」

 「大したことじゃないよ、ただの世間話」


 なら早めにきればいいのにと思うが、そう簡単にいったら世話がないんだろうな


 「あ、そういえば万里紗ちゃん今日どうするの?泊まっていくの?」

 「さぁ聞いてないけど、多分泊まっていくんじゃない?」

 「ま、それなら部屋に泊めてあげてね、それと明日も学校だからあんまり遅くに寝ないようにね」

 「わかってるわかってる、ほどほどに寝るから心配しないで」


 そこまで話したところで母さんは風呂にはいってしまったので、俺は万里紗が待つ俺の部屋に行くことにした



 それからしばらくゲームを楽しんだ俺と万里紗だったが、流石に11時頃には疲れたので今日は終わることにした


 ちなみに戦績はまたしても俺の全勝だったが俺が負けそうな場面もあったしまた練習しなければいけないなぁ


 「くそう今日も勝てなかった、結構惜しいところまでいくことはあるんだけど……うーんわからんな」

 「多分あれだなー、上手くなってきてるんだけど、たまに雑になるからそこで逆転できちゃうんだよなー、でも確かに惜しかったところもあったよ」

 「残念、次こそ勝つから」


 ところでゲームの時間が終わったので今日はこれからどうするのかを万里紗に聞いてみる


 「そういや今日は泊まるのか?」

 「そのつもり、明日の朝に一回家に戻るかな」


 家と言ってもほんとにすぐ隣なので朝になってから自分の家に帰ることぐらい簡単である


 「じゃあそろそろ寝るとするか、ベッドがいいか布団がいいか選んでいいぞ」


 元々俺が寝る用のベットに加えて、万里紗が泊まりに来たとき用の布団もこの部屋にはある、だからその時の気分によってどっちがどっちを使うのかを決めている


 「んー今日は布団でいいかな」

 「はいよ了解、じゃあ俺はベッドで寝るわ」



 それから寝る支度を済ませ、部屋の電気を消したところで俺は思い出したことがあった


 「あ、そうそう万里紗、今日変わったことがあったんだよ」

 「なに?」


 今日校門であったことを万里紗に話す、いきなり腕を捕まれたことや、俺を脅そうとしてきたこと、そして俺と万里紗の関係を聞いたら逃げ出したことを


 その話を聞いて万里紗は少し考えた後質問してきた


 「その子の名前は分からないの?」

 「同じ学年ってことはわかるんだけど、それ以外は知らないな」

 「なにか特徴は?」

 「あー髪が首より少し長いぐらい伸びてたってことぐらいかな、他にはこれと言って特に」

 「なるほど……気にはなるけど問題にはならなそうだし今はいいや」

 「確かにそうだな、また進展があったら教えるよ」

 「そうして」



 会話も一段落ついたし、万里紗も何も喋らないからそろそろ寝ようかとうとうとし始めていたが、ふと万里紗が動く音がして眠気が一時的になくなった、なんだろうと思っていると俺の横まで来たようだ、そして次の瞬間


 「ん」


 ふわっとシャンプーのいい匂いがしたかと思うと、とん、と軽い音がなりそうなぐらい優しくキスをされた


 「万里紗?いきなりどうした?」


 別にキス自体に驚きはしないが、それでも何故このタイミングで?


 しかし万里紗はすぐに答えず、自分の布団に戻っていった

 そして寝転がって少し経ってから呟いた


 「なんとなく?」

 「……そうか」


 溜めて言う意味は無かったと思うが、まぁつまりなんとなくそういう気分になったってことだろう


 でもそれなら俺は何も言うまい、万里紗がやりたいようにやればいいのだから



 そこからは一言も話さず二人とも眠りについた

どうもロースです。

お読み頂いてありがとうございます。

というわけで二人の良くある日常です、甘いですねー

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では

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