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似た者同士

「ん?何か俺変なことでも言ったか?」


 俺の言葉に何故か反応を示さない二人に対して不思議に思いながらも聞いてみる


 すると少しの間顔を見合わせていた二人だったが、いきなり二人の口から同じ言葉が漏れた


「「はぁぁ」」

「え?」


 なんで二人してそんなにがっかりしたような声を出すんだ?そこまで変なこと言ってたのか俺?


 すると母さんがいきなり万里紗の方に手を合わせて頭を下げた


「ほんとーにごめんね万里紗ちゃんこんなに駄目な息子で……嫌になったらほっぽり出していいからね」

「流石にこれは庇えません……でも今はこんな感じですけどやる時はしっかりやってくれる……はずなんで恐らく?多分?心配はしていませんよ?」

「おい」


 滅茶苦茶不安がってんじゃねぇか、どこが信用してるんだと、と心の中で万里紗に文句を言う


 しかし母さんにはそうは聞こえなかったようで


「あーほんとにありがとうね万里紗ちゃん、こんなに懐の大きい子が千里の奥さんになってくれて安心だわー、どうか末永くよろしくね」

「ん、まだ奥さんではないですけどこれからも変わらず面倒見ていきますので安心してください」


 ……誰が誰の面倒を見るんだ?とかなんでそこまで言われないといけないんだ?など質問は山ほどあるがとりあえず今はスルーする


「それよりさっきのため息の理由を教えてくれよ、俺はそんなおかしいこと言ったつもりないぞ」

「……千、まだ分かってなかったの?……流石に少しは空気読もうよ」

「そうよ、いきなりそんなこと言ったら誰だって困惑しちゃうよ、だから気を付けないと」


 そこまで言われてもあまりピンと来ない俺である

 何故なら


「でも二人とも知ってるじゃんか、俺が結婚できる18歳になったらとりあえず婚姻届けを出して籍だけ入れるって、去年決めたこと忘れたのか?」


 だから結婚のことなんてそんなに気にするようなことでもないと思っていた

 しかしそんな俺の考えとは裏腹に


「「はぁぁ」」


 と、またため息をつく二人


 だからさっきの話のどこにそんなに呆れるポイントがあるんだよ、説明してくれないとわからん

 そんな俺の気持ちが通じたのか、呆れながらも万里紗が説明してくれる


「千、()()()()()()()()()()()()()()()()()はどうでもいいの、けどそんなことでも他の人にとっては当たり前ではないっていうことがわからないの?」


 他の人にとってとはこの場合誰のことだ?……この二人じゃないってことは……もしかして先生のことか?

 ……あぁそういうことかようやく気付いたよ、あまりにも俺たちにとって当たり前すぎることだから失念してしまっていたのか


「あーそうだな、ようやく分かったよなんであんなに先生が問い詰めてきたかの理由が、そりゃ普通はしないもんな高校卒業してすぐに結婚なんて」

「ほんと、それにやっと気づいたなんて、抜けているのもいい加減にして」

「へいへい、俺がわるうございました、以後気を付けます」


 じゃあ話も纏まったことだし、冷める前に先にご飯を食べてしまおう

 、と母さんが言ったためご飯を食べることに専念しようとするが、どうしても一つ気になることがあったので聞いてみる


「そういや万里紗は進路調査になんて書いたんだ?万里紗の将来の夢とか俺聞いたことないんだけど」

「あー確かに私も気になるわー、万里紗ちゃん教えてよ」


 俺たち親子の質問は話の流れからて当然のものだったが、

 当の万里紗は何故かキョトンとした顔して首を傾けていた

 そしてその状態のままだがさも当然のように答える


「え?そんな当たり前のこと気になるの?勿論千のお嫁に行くって書いたよ」



 ……………………………………………………「お前もかよ!!」「あなたもなの!!」




 その万里紗の回答を聞いた母さんは叫んだ後しばらく笑い転げてしまった


「あはははは、ひーお腹痛い、もう万里紗ちゃんの落ちが完璧すぎて、ほんとに拍手したいぐらいだわあははあー面白いなー」


 しばらく落ち着く気配がなかったので一先ず放置して、万里紗に問いかける


 何故ならそんなことより俺は俺で納得できないことがあったからだ


 というのも


「いやでもなんでほぼ同じ答えなのに俺と違って万里紗は呼び出されてないんだ?」

「さぁわからない、もしかしたら小学生の女子のようなふわっとした意味でのお嫁さんって捉え方をしたのかも」

「そうかもしれんけど……それでも俺だけなのは納得いかないなぁ」


 明日先生に聞くことが出来てしまった……なんか明日は色々と忙しそうな一日になりそうな気がする


 なんで俺だけが呼び出されたのか分からず悩んでいた俺たちだったが、そこでようやく復活した母さんが割り込んできた


「あー面白かった……でもこれでまた更に確信しました」


 一呼吸おいてまた喋りだす


「二人はほんとにお似合いだね、いやほんと呆れるぐらい二人とも気が合ってるんだろうね」


 そう言われた俺らは少しの間お互いの顔を見つめる、すると不意に笑いが込み上げてきて同じタイミングで目をそらして笑ってしまった

 ひとしきり笑った後、俺たちにとってほんとに極々当たり前のことを同時に告げる


「「それは(千)(万里紗)のことを誰よりも信用してるからだよ」」


どうもロースです。

お読み頂いてありがとうございます。

というわけで二話目です、二人のほのぼのとしたやり取りを楽しんでいただけるといいかなと思います。

評価やブックマークしていただけると非常に励みになりますのでよければお願いします、では

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