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長い一日 7

「さて、じゃあ二人だけになったところでさっきの話を少ししようか……別にいいよな?」

「う、うんいいけど」


 店から出たところで、俺は先ほどの詳しい話を笹生に聞くことにする

 ……あ、でもちょっと待った、先に決めておいた方がいいことがあるな


「とその話をする前に行きたい場所決めるとしようか、歩きながら話した方が時間の節約にもなるし……どこか行きたい場所あるか?」


 先程の話し合いで結構時間を使ってしまったから効率を考えてそう提案する、そして俺は地図を手に取り彼女に見せる


「……じゃあここがいい」


 彼女が指をさしたのは遊園地の端の方にある、どちらかというとあまり人気のないアトラクションだった


「んー俺はいいけど笹生はこれでいいのか?ほんとになんでもいいんだぞ?」

「いいよ、人が少ないほうが話しやすいじゃん」


 そういう理由か、まぁなら断る理由もないしそこに向かうとしようか


「よし……それならこっちの方だな、歩こうか」

「うん」


 俺と笹生は目的のアトラクションに向けて歩き出す……ちなみに後で聞いたことだが万里紗たちが進んだのと真逆の方向だったようだ、そこまで考えて万里紗が行動してたのかはなんともわからないが、まぁどっちでもいいことか


 と言うことで目標も決まったことだし、早速質問することにする


「んじゃさっきの話だけど。あれはやっぱり万里紗が企んだことだったんだな?」

「そうだよ、宝野に話を持ち掛けられたの」


 まぁそうだろうな、これはただの確認のためだけの質問だ

 本番はここから


「それじゃあ、あのタイミングで話しかけてきたのとか、困った状況になったら万里紗の方を見るっていうのも全部万里紗が考えたのか?」

「んーそれは半分正解かな、あのタイミングで来てっていうのは言われたけどその後は自分で水上のことを誘えって言われた」


 成程、そう言えば今日の万里紗はいつもに比べて携帯を触っている回数が多いと思ったが、今その理由が分かった、笹生と連絡を取っていたんだな合流する良いタイミングを見計らうために


 さて少しずつ今回の万里紗の考えが分かってきたがまだ疑問はある、次々聞いていこうか


「笹生の班のメンバーはどうしたんだ?一人での行動は禁止されているはずだけど」


 笹生のメンバーが誰かは知らないけど、それっぽいやつらは周りに居なかったように思うから気になっていたのだ


「ああそのことね、別に普通に抜けてきただけよ」

「それって大丈夫だったのか?一人になるなって言われただろ」

「あーそれは大丈夫、少し前に宝野に今回の話を持ち掛けられたからこうなることを見越して、私一人が抜けてもいいような班を作ったから、「あの班に行ってくるからまた後で」って言ったらすんなりと抜けれたよ」

「成程なー、ちなみにいつ万里紗に話を持ち掛けられたんだ?」

「先週の火曜日だったかな、放課後に声をかけられたの」

「火曜日の放課後?……あぁそういうことか、万里紗が用事があるって言ってたのはその事だったんかな」


 その日は丁度HRがあった日だな、つまり万里紗はこの状況になることを見越して班を作り、その後に笹生に話しかけたと言うことか


 これで一応疑問は晴れたかな、また何か問題あればその時に聞けばいいだろう


 ……そういや何かもう1つあった気もするけど思い出せんな、まぁ今はいいか


「了解了解、大体わかったわありがと……それじゃあ折角の機会だし色々と楽しもうか」

「え?これだけでいいの?ほんとに全部分かってるの?」

「ん?」


 俺はこの話はここで終わりだと思っていたが彼女はまだ続くと思ってたようだ


 俺が感じていた疑問はもう無くなったし、強いて言うなら泰輔が大人しかったなと思うぐらいだけどそれを笹生に言っても仕方ないしな


「いやその……なんで私が水上と一緒に行動しようって言ったとかその理由はわかってるの?」

「あぁそのことか、そんなことが気になっていたのか」

「そりゃ気になるでしょうが、だってさっきまで私のこと完全に忘れてたじゃない」


 うんそれは悪いと思ってる、それに付け加えるなら今も笹生とどこで会ったのか思い出せていません、まぁ言わないけど


「ごめんごめん確かにさっきまで誰だかわからなかったよ、けど俺を誘った理由に関しては万里紗が言ってたから分かってるよ」

「……何のこと?」

「あーそうか知らなかったらそりゃわからんか……万里紗が椎名に言ったことだよ」

「椎名さんに?……そういえばあなたと同じかなんか言ってた気がするけど、それがどうかしたの?」

「そのまんまだよ、笹生と椎名は同じだってことだよ」


 俺は二年前、中学二年の頃にあったことを思い出していた、そういやあの時も万里紗が何かしてたなぁ懐かしい、まぁ状況から考えるにあの時と同じって言う意味で間違いないだろう


「椎名はな、俺に告白してきたことがあるんだよ……あ、本人から別に言ってもいいっていう許可はもらってるから気にしなくていいぞ」


 今となってはすっかりいい友達だけどなと笑いながら言う



 しかし少ししても隣にいる笹生からの返答がない、というか彼女自身俺の横を歩いていたはずなのにいなかった


 少し慌てた俺が後ろを振り返ると、笹生は俺から三メートルほど離れたところで俯いて立っていた

 ……あれ?この姿どこかで見覚えがあるきがした


 ひとまずそれは置いとき声をかける


 「どうしたんだ笹生?何かあったか」

 「……」


 しかし何も答えない笹生、でもやはりその俯いてる姿は見覚えあるなどので見たのだろうか

 そんなことを考えつつ、笹生との距離を歩いて詰めていく、近くになって見えた笹生の顔はさっきに比べて赤みが増しているように見えた


 「……たの?」

 「ん?なんていった?ごめん聞こえなかった」


 近付いて耳を済ましてみると笹生が微かな声で何かを言っているのがわかった、けど聞こえない


 しかしもう少し近づいたらその中身がわかった


 「私が水上のことを……す、好きだってわかってたの?」 

 「あぁ知ってるよ、いやというか椎名と同じなんだからそうでしょ」

 

一呼吸おいて


「あああああああああ、なんだそりゃーーーというか知っているなら何でそんなに平然としてるんだお前はーーー滅茶苦茶恥ずかしいだろうがーーー」


 ……いやそれはこっちの台詞だ、何を行きなり興奮してるんだこいつは


 とりあえず暴れる笹生を抑えるのにしばらく時間を要した、とは伝えとく

どうもロースです。

お読みいただいてありがとうございます。

半日遅れすいません、一応投稿できました()

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