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長い一日 3

 椎名を無事に回収することに成功した俺たちはそのまま駅に向かい予定通りの電車に乗ることができた


 電車が目的地に着くまでの30分間は今日の予定を確認したり、椎名が昨日先生に呼び出されてこっぴどく怒られたことの愚痴を話しているだけで過ぎていった

 因みに進路調査票の再提出を求められたみたいだが、やはり椎名は全く提出する気が無いようだ……うんとりあえずこっちまで飛び火してこなきゃなんでもいいやもう



 そろそろ到着する頃かと思い窓の外に目をやると電車が減速しているのが確認できた、そのまま電車は駅のホームに入っていき停車した

 今の時刻は8時50分、電車は時刻通り遊園地の最寄り駅に到着したようだ、


 電車を降りた俺たちはそのまま改札に向かい泰輔を探すことにした、泰輔とはこの時間にこの改札で待ち合わせをしており遅刻でもしていない限り合流することが出来るはずだ


 そう考え辺りを見回してみる、しかし同じクラスの生徒は何人か見つけることが出来たが肝心の泰輔を見つけることが出来ないでいた


「あれ?集合場所ここで合ってるよな?なんでまだ泰輔は居ないんだ?」

「わからない」「知らないな」


 俺は二人に確認してみるが二人とも心当たりがないようで周りを確認しながら首を傾げていた


「いやまさか荒巻が遅刻してるとかねぇよな、私じゃあるまいし」

「それならせめて連絡ぐらいくれると思うけど……それもないな」


 俺は自分の携帯を見て通知が来ていないかを確認してみるが特に泰輔から来ているものは無かった、同じく二人も一応連絡が来ていないか確認してみるがやはり何も連絡は来ていなかったようだ


「んー仕方ない電話してみるか、もしかしたら違う場所にいるのかもしれないし」

「それがいいかもね、まぁこの駅の中で迷うような場所があるようには思えないんだけど」


 それは確かに俺も思うが……まぁいいとりあえず電話をかけてみよう

 泰輔の連絡先を表示させ電話を掛けようとした俺だったが、突然後ろから聞き覚えのある大きな声が聞こえたためその動作を中止することにした


「おーーーい、みんなーーー、俺はここにいるぞーー」


 そう叫びながらこっちに走って来ているのは、やはり泰輔だった……とりあえずわかったから周りの目があるので叫ぶのをやめてもらってよろしいでしょうか


「お、荒巻じゃん、やっと来たんだね……てかどこ行ってたんだ?」


 そんな人目をはばからない泰輔の様子なんて全く気にしていない椎名が、いつも通りのテンションでこちらまで走って来た泰輔に一番に声をかける


「おはよう三人とも……あぁごめんごめん、先についていたんだけどちょっとお腹が痛くなってさ、トイレに行ってたんだよ」

「ほーそうだったんだ、んでもう大丈夫なのか?」

「ああ、恐らく大丈夫だと思う、まぁ結構お腹は弱いほうだからさいつものだし気にしなくても大丈夫だよ」


 へぇそれは知らなかった、確かにトイレに行く回数が少し多いとは思っていたが気にしたことは無かった


「荒巻」

「ん?どうした宝野」


 泰輔の気にしないでと言う言葉が少し気になったのか万里紗が声をかける


「絶対無理はしないように、何か具合が悪くなったら直ぐに私たちに言うこと、遠慮はいらない」

「あぁありがとな宝野そうさせてもらうよ……にしてもほんとに常々思うけど千里には勿体ないぐらいいいやつだな」

「ほんとそれよね、ねぇ万里紗今からでも遅くないから私のお嫁さんになってくれないか?」

「それほどでもない」


 おいなんでいきなり標的が俺になってるんだよ、特に椎名何を好き勝手言ってるんだ?そして何を当たり前のようにどや顔してるんですか万里紗さん?俺のフォローは無いんですか?……あ、はい無いんですね悲しい


「まぁいいさ、とりあえず早く点呼を取る場所まで行こうぜもたもたしてると遅れちまう」

「ん」


 そんな傷心中の俺に全く気にする様子を見せず椎名はさっさと歩き始め、それから万里紗も後に続いた


「なんでお前微妙に落ち込んでるんだ?」

「……いやなんでもない、俺たちも行こうぜ」

「お、おう」


 俺の気持ちを察してくれたのだろうか、少し心配した表情で荒巻が声をかけてくれる

 しかし俺が落ち込んでいる理由の元凶がこいつなので何も嬉しくない

 とりあえず、こいつには今日中に()()()()を処すること決め、前を歩く二人の後ろを追いかけた



「……はい、5班全員揃っているのを確認しました、後は自由に行動してください、しかし他のお客さんの迷惑にならないようにだけ気を付けてね、後絶対誰かと行動すること、わかりましたか?」

「はい」

「ではいってらっしゃい」


 集合場所に着いた俺たちは、係の先生に点呼を取ってもらい注意事項をもう一回確認された後、問題なく中に入る許可を得た


 なので早速中に入ることにする


「「「「おーー」」」」


 ゲートをくぐった先には懐かしい光景が広がっていた、確か前に来たのは小学3年生ぐらいの頃だったから……8年ぶりになるのか、そりゃそれだけ久しぶりならこの年でもわくわくもしてくるもんだ

 椎名と泰輔の顔を見るに、やはりわくわくとした表情を隠しきれていないので、二人とも恐らく久しぶりに来るのだろう……え?万里紗?万里紗は勿論俺と一緒に来た時が最後ですよ?


「にしても流石人気テーマパークだね、平日とは言え結構な人がいるもんだね」


 そう椎名が言った通り、ゲートからすぐの所にあるお土産屋さんが集まっているストリートにはかなり大勢の人がいる、これで平日なのだから休日だとどれほどの人が集まるのか大体想像はできるだろう


「じゃあどうする?予定通りこっちから回っていくか?」

「それでいいと思うぞ、やっぱり少しは並ぶだろうけどそんなに予定とは変わらないだろうし」

「よし、二人もそれでいいな?」

「ん」「おう」


 全員の意見が纏まったところで、俺たちは少し早歩きで目的の場所へと向かうことにした



どうもロースです。

お読みいただいてありがとうございます。

少し短いですが今日はここまで、ちなみにこの遊園地のモデルはあれです、多分分かる人がほとんどだと思います。

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