イレギュラーな事
『 歴斗!』
『 歴斗くん!』
『……』
『 嘘だろ…?おい!しっかりしろって!』
『……』
『 そんな…そんなことって…』
『 うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
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俺の名前は平坂歴斗。ピチピチの高校生で17歳だ。
『 おい歴斗!話聞いてんのか!』
こいつの名前は成田樹。俺の昔からの親友でなんというかまぁ…すげー真面目なイケメンだ。
『 聞いてるって〜…ふぁぁぁぁ。』
『 あくびしてるじゃないか!俺の話そんなつまんなかったか!?』
『 うん。』
『 即答かよ!』
とまぁ毎日こんなことしてる。高校の奴らからは漫才コンビとか言われてる。そんな面白いかこれ?
『 お!あいつは……おーい!勝ーーー!!』
『 樹じゃん!それと…歴斗…』
樹が呼んだコイツは金城勝。クラスの落ちこぼれみたいな感じ。俺は普通の成績だがコイツの成績よりは遥かに上だ。昨日それをネタにして話してたらめっちゃ喧嘩した。そのおかげでかなり気まずい。
『 ん?勝どうした!元気がないぞ!』
『 いや昨日さ…その…歴斗と喧嘩したんだ…』
『 そうなのか!じゃあお前ら仲直りしやがれ!』
『 そんな簡単に言うんじゃねぇよ!』
『 別に難しい事じゃねーぞ!ただ謝ればいいだけだからな!』
確かに言われてみればそうだな…考えてみたら俺がネタにしたのが悪いし謝るか。
『 そのまぁ……ごめ――――』
その時、いきなり視界が歪んだ。それと同時にかなり眠くなってきた。なんだ。何が起きたんだ。もしかしてあれか?流行りの異世界転生とか言うやつか?俺は嫌だぞ!俺はこの世界が気に入ってるんだ!今度新作ゲームも出るし!嫌だ!嫌だ!助けてくれぇぇぇ!そういった俺の抵抗も虚しく、俺たちは眠りに落ちた。
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『 うぅ…』
目が覚めるとそこは神殿?みたいな所だった。
周りを見ると樹と勝が寝ていた。死んでるんじゃないかと心配になったが、脈はあったので生きているのだろう。
『 いきなりなんだったんだヨォ!フードナイト負けちゃったかもしれないじゃないカ!』と太った外人?が叫んでいた。どうやらあの現象が起きたのは俺たちだけじゃないらしい。
『 う…うーん…。ハッ!ここはどこだ!』
『 なんだったんだァ?いきなり…』
お。樹と勝が起きたぞ!やったね!
『 ここに閉じ込めたやつ!出しやがれ!』
どうやらここにいた人全員起きたらしい。すると¨声¨が聞こえてきた。
〈皆目覚めたようだな。〉
なんだこの声?気持ち悪いくらい図太いな。
〈今から君達の転生作業を始める。しかし君達も種族とかは自分で決めたいだろう。だから種族は君たちに選ばせてやろう。〉
なんだこいつ。やけに上から目線だな。
『 なんだいきなり!転生だと!?嘘つけ!そう言って金を巻き上げようとしてんだろ!』と樹が反発した。
〈まあ待て。話を最後まで聞け。いいか?君たちは勇者だ。私が治める世界――アースコードという世界を救って欲しいのだ。実はな…魔王と名乗る奴が殺戮を
繰り返してもうアースコードの住民は半分に減ってしまった。これ以上減る前に転生の適正をもつ君らに転生して欲しいのだ。〉
なるほど。って言おうとしたが声が出なかった。どうやら声を出せなくしているらしい。
〈お前らが転生出来る種族はまずは人族。獣と人のハーフの獣人とか、今と同じ見た目のただの人とかだな。その次は天族。天使とかだな。翼があるので飛べるぞ。因みに天族となったら我が家族として迎えてやろう。最後に魔族だ。翼がある。だが魔王と同じ種族だな。こんな所か。〉
なるほどあの中だったら絶対に天族はないな。
〈では選べ!〉
続く
人気があれば続く!