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私の不思議体験  作者: 玉來
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今日の夢

今日も夢を見た


とあるヨーロッパ地方のレンガ造りの家が美しい街

そこで20代の夫婦が一つの狭いアパートに住んでいた


男は体が弱いながらも親から受け継いだ資産があり

女は孤児院出身で、女の働くパン屋さんで運命的な出会いをして交際していた。


二人は仲睦まじく暮らして、そろそろ子供が生まれるね

そんな話をしながら幸せを噛み締めていたがある日帰りが遅い女を心配して迎えに行くと彼女の帰り道で人集りが見えた


猟奇的な殺人で知られる正体不明のとある殺人者によって殺されている彼女の変わり果てた姿を見て一心不乱に呼びかけるもすでに返事はない。


またしても天涯孤独になった男は生きる希望を失い酒に浸りモヤモヤと過ごしていたがアパートの外で遊ぶ子供達を見て、もうすぐ生まれてくるはずだった…幸せな家族を持てるはずだったと殺人者を激しく恨んだ…


それからしばらくして殺人者に並ぶ不可解な事件が起き始めた


各地でバラバラに子供が誘拐される事件が多発し、概ね5歳前後の子供が行方不明になる内容だった


そうして集められた子供達は武器を持たされ狭い部屋の中で殺し合いをさせられていた。


目的はただ一つ。


俺から幸せを奪った殺人者を殺すために。


子供達は日々殺し合いに明け暮れて、訓練ではなく殺し合いなのでそのまま死んでしまう子も多くそう言う子は男の手で知らず知らずのうちにどこかに運ばれていた


その部屋で生き残っている男の子と自分と妹分(年齢的にはお姉ちゃん)と1番上のお兄さんの4人で生活して


夕暮れになると隣の子が両親と手を握って帰って行く姿を見る度にその男の子はお母さんに会いたいと口にするのだった。


ある日男の子の思いが限界に達し、1番上のお兄さんが街で調べてきてくれたところによると


近くの駅からから東に5日程進んでシュトゥルム駅で降りてそこから真南に三日ほど行ったローレンと言う森に囲まれた田舎で男の子に似た子が誘拐されたと言う話を聞いた。


その話を聞いて男の子はお母さんに会いたいと言い、自分とお姉ちゃんと男の子の3人で男に黙ってそこに向かう事にした。


遠くに行っちゃいけないよ。と言う男の約束を破ることになる

約束を破れば拷問を受けることになるが…同じ環境で育った末の弟の訴えを無碍にすることはできない。


男がお風呂に入っている夕暮れにみんなでバタバタと出かける


男は僕たちが遊びに行くと思っているだろう


最初に男の子が出て行って


次にお姉ちゃんが出て行って


自分が出て


最後にお兄ちゃんが出て行く


アパートとの一階の駐車場で家までのルートが書かれた走り書きをお兄ちゃんが手渡してくる


「男がいないうちに早く行こうぜ!」


そう言うがお兄ちゃんはアパートの玄関を見つめたまま「俺はいい。お前らだけで行ってこい」と何かを見て諦めた表情をしてた。


アパートの玄関先に目を合わせるとそこに行けなくなってしまう原因がいる気がして僕たち3人は見なかった。


振り返ることなく、お母さんに会えると言う淡い希望を胸に抱きながら3人で夕暮れのアパートを背に駅へと走り出した。


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