山と僕とたけのこさん
今日の夢。
リアルに「たけのこさぁぁぁん!(´;ω;`)」って泣きながら目が覚めました。
珍しく窓を開けて寝てたのに…ちょっと恥ずかしい…
夢で見た内容をそのまま書いたので文章や変な表現があるかもしれませんが、これはこういうのだと思ってみてください。
たけのこさんは現実では存在しない おにぎり型のずんぐりむっくりで全速力で駆け寄ってきても30分で3センチぐらいしか進めないたけのこさん達です。(*´ω`*)
山と僕とたけのこさん
僕は気がつくと、山に捨てられていた。
寒い秋空の木枯らしが吹く中
裸足と子供の着物一枚をその身に纏い
山の奥深くに居た。
僕はとてもお腹が空いていた。
だんだんと体が冷たくなっていく時、
そばに居てくれた温かい存在がおにぎりみたいな形をしたたけのこさん達だった。
彼らがいそいそと僕の周りに集まってくれて優しく僕を包んでくれた。
それから時が経ち僕の体は成長しないものの
山の中で不自由なく暮らしていた。
春のトゲトゲのやつとか
ゼンマイさんとか。
その瞬間にしかお話しできないけど
毎年新芽を出す頃になると僕は山のお友達と楽しい日々をおくれた。
そんなある日に、かくれんぼ(かけっこ?)をしようとたけのこさんに言われて
いつもと変わらず、かくれんぼ(かけっこ?)をしているとだんだんと里の方に向かっていることに気がついた。
山とは違う綺麗な白壁と綺麗な服を着た男の人と女の人。
山の中を通り過ぎ、里付近になると僕の足はぴたりと止まり、山を振り返り元北道へと戻ろうとすると・・・
たけのこさんが「もっどっちゃだめだよ」と僕の足を押す。
そう………
彼らはその子の将来を案じて里にいる若夫婦に里子に出すことにしたのだ。
高くから優しく見守る太陽と
両足を一生懸命押さえて山に帰させないようにするたけのこさん達と・・・
里に行きたくない僕。
優しそうな若夫婦は、厳しい顔つきの中から慈愛に満ちた優しい顔で僕を見る。
それでもたけのこさん達は山に戻らないようにと大きくなり一生懸命に僕を里へと押し戻す。
僕は気づいた。
これが彼らとの最後の別れなんだと。。。
だからずっと抵抗をし続けた。
それでもガンとして譲らないたけのこさん達。
今まであんなに優しく寄り添っていてくれたのに
見たこともないぐらい冷たい表情で硬く僕を弾き返した。
行きたくない。行きたくないとたけのこさん達に泣いて縋るけど
彼らは何も言わず、口を横一文字にして厳しい目で僕を見る。
相変わらず里にいる若夫婦は僕に口を出すことはない。
黙って、優しく僕を見ているだけだ。
本当はわかっていたんだ。
僕が寝ている時にたけのこさん達が集まって悲しい顔をしながら話し合いをしていたことに………
それでもこの生活はかわらないと信じて今まで楽しく過ごしてきたのに………
時が経つにつれ、僕は里の若夫婦と同じ
僕のためだけに作られた真新しい天狗の衣装に着替えていて
いつしか
温かく優しいたけのこさん達は
厳しい顔つきで僕を見ながら硬い硬い竹へと変わっていた。
もう問いかけても返事をしてくれない。
あの時の優しいたけのこさん達はもうどこへもいない。
悲しくて白壁のそばで泣き腫らしていても
頑なに声もかけてこない心無い若夫婦の元に行くのは嫌だった。
温かい日差しが降り注ぐ中
下を向いて泣いている僕に
高いところから「これからは大人になるんだよ」と
あの寒空の中で僕に温かさをくれたおにぎり型のたけのこさん達が、の時と同じ優しい声で僕の背中を押してくれた。
白壁に手をつきながら
泣き腫らした顔をいまだ上げることができずにトボトボと若夫婦の元へ行く。
雨が降っても、嵐が来ても
彼らは僕が…自ら歩き出すまでずっと待っててくれた。
今日から僕は大人になり
このご夫婦と暮らすのだと
初めて感じる人の手は熱く
それでいて優しいお母様の手。
もう片方はゴツゴツしていかめしい顔つきだけど、優しく黙ってみてくれるお父さん
2人から手を握られて
最後に山を振り返ると
そこには白い街灯に照られた4本の竹があるだけだった。
風も吹いてないのに揺れる4本の竹。
サラサラと笹を揺らして
僕の背中を見送ってくれた夏の昼。
僕はこれから大人の天狗になります。
立派な天狗になりますと心の中でたけのこさん達に誓って
今まで僕を育ててくれた山を背にした。
今夜は梅を溶いたお母様特製のそうめんだと言って
目尻に涙を浮かべて僕は喜んだ。
ただの夢かそれとも我々が見ることのできない世界であったことなのか。
その男の子が今も元気に過ごしていることを祈ります。




